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【小説】ロスの黄昏と、沖縄の青空と。

彼女は大学時代、いちばんの親友だった。
周囲に気後れしていた上京したての頃。
フランス語の授業の前の席が彼女。

同じように故郷を離れ東京に来た彼女の笑顔は眩しかった。
19歳の誕生日を祝い合った私たちも、22歳になった。

卒業旅行はロス。
羽田空港のとんかつ屋。話に夢中になってしまった。
飛行機に乗り込むと私たち以外の乗客は全員座っていた。申し訳ないと思いながら笑いが止まらなかった。
ディズニーランドへ行く日に11時まで寝たり、
バスがストなのに2時間待ったり、夜中にマックをホテルに出前したり、
どんなことも、笑った。

就職で関西に帰る彼女と、東京に残る私は
寂しくて、もう一度旅行に行くことにした。

沖縄に2泊。ずっと笑っていた。
帰り先が違ったので、お別れは那覇空港。
別れた後、空港で流れていたのはKiroroのBest Friend。
涙が止まらなくなって、係員のお姉さんに「大丈夫ですか?」と言われて。
今度は卒業式で、笑顔で会えるはずだと思った。


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