「可愛いぬいぐるみがいる!」は間違いではない。「いる」と「ある」の奥深さ

連日ひどい雨。
テレビでは浸水した家が映っており、物が散乱した様子だったが
そんな中で可愛らしいぬいぐるみが水に濡れないように高いところに置かれていた。
「この家可愛いぬいぐるみがいる!」と思わず言うと、
すかさず、母が「え?いる??」と聞き返したので
私は「いるだよ。いるでいいんだよ私としては」と答えた。

日本語の文法としては正しいのは「この家可愛いぬいぐるみがある!」である。
しかし、私のそのぬいぐるみに対する感情は「いる」だった。
つまり、生物に対するのと同じような感情を抱いていた。
その家でとても大事にされているんだろうな、と想像できたから。

いるとある。存在を表す動詞の使い方で、
話者のその対象への思い入れを表すことができる言語って他にあるんだろうか。
連日の雨で鬱々とした日々の中、日本語のロマンを感じた瞬間だった。

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