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沼津のベンチ(前編)

先日、旅行で沼津を訪れた。ここ2年で5度目の訪問だ。

沼津は僕の大好きな街である。「ラブライブ!サンシャイン‼︎」というアニメ作品の舞台となっていることでご存知の方も多いのではないだろうか。
街を歩けば、至るところにそのキャラクターを見つけることができる。

ルビィちゃんである


沼津に個人的な縁やゆかりは一切ない。
それなのに、沼津の全てが不可解なほどに僕を惹きつけるのである。

その日もいつものように学園通りの「さわやか」でハンバーグを食べ、沼津駅に向かって腹ごなしの歩を進めていた。

さわやかのハンバーグ。
ソースがデミグラスとオニオンの二種から選べるのだが、「ミックスで」と言えば無料で両方のソースをつけてくれる

その道中に、「杉崎町2号公園」という公園がある。芝生と舗装路の中にいくつかの遊具が置かれた小規模な公園で、近くに住む子供たちがいつも楽しそうに走り回っている。

画像引用元:沼津市HP( https://www.city.numazu.shizuoka.jp/kurashi/sumai/park/kouen/kobetu/sugisaki2.htm )



一見普通に見えるこの公園だが、ここに僕を長きにわたって悩ませるひとつの"問題児"がいる。

こいつだ。

ベンチの先端に青い目盛り板がついており、40cmまでの長さが計測できるようになっている。
しかしながら、周囲に用法を説明するものは一切無い。
利用者には、このベンチを自ら創意工夫して活用する思考力が求められる。


注目すべきは、マイナス方向の目盛りである。
「0,10,20,30」ではなく、「10,0,10,20」なのだ。‥‥一体何を表しているのだろう?

頭骨を測る目盛りだという案も出た

友人としばらく試行錯誤したが、確固たる回答は遂に思い付かなかった。


その日も結局何も得られないままに公園を後にし、沼津を満喫した。

これは沼津名物"深海プリン"と、その派生系"深深海プリン"である。奥に見えるのは、ホテルに備え付けてあった地ビールだ

そして満足げな気分で帰りの電車に乗っていると、ふとあのベンチが脳裏に去来した。

まだ、"ヤツ"の正体を暴いていない。

あのベンチの秘密を知るその瞬間まで、僕らの沼津旅行は終了(おわ)らないのである。


約1年にわたる個人的な戦いに終止符を打つべく、僕は意を決して一通のメールを作成した。

次回、完結編。

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