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IBSA柔道グランプリ東京

12月4日、東京体育館で行われたIBSA柔道グランプリ東京に出場しました。今回はその振り返りです。

J2,73kg級に出場し、優勝!
1年半ぶりのグランプリ優勝です。しかも今回はパリに向けてランキングを争う上位層のほとんどが参加した大会での勝利。8月の世界選手権一回戦負けから立ち直れていなかった私にとって、非常に大きな自信となる結果でした。
また、最近、身を削って取り組んでいるフィジカル強化が成果につながっていると実感できたことや、得意技である背負投がこれ以上ないくらいに存分に力を発揮してくれたこともとても嬉しいと思える要因です。

自国開催でアドバンテージがあったとはいえ、収穫の多い試合になりましたし、これを今後も続けられるように勝因と課題をしっかり分析していこうと思います。


今回、大会に向けて家を出たのは11月30日の午後。国内であることもあり、本来のチームの集合日は12月2日午後でしたが、試合前は時間的制約や家事などのタスクから逃れたいと思い、あらかじめNTCへの宿泊を確保してもらっていました。
この選択はおそらく大正解だったと思います。というのも、前の週から出発日にかけて、大学院の講義、レポート、研究、稽古、トレーニング、体重調整、コンディショニングとさまざまなものに追われ毎日就寝が1時半〜3時になってしまっていました。試合が近づくほどに柔道に関してやることは増えていくのに、大学院の方も忙しくなっていき、かなり良く言えば充実した、普通に言っても試合前としてはありえない生活リズムでした。
NTCに泊まることで家事からは解放され、稽古もトレーニングも移動時間がかからず、比較的時間の制約も受けない状態を作ることができました。レポートには追われ続けましたが。
大変だった一方でこのように柔道以外にもやらなければならないことが多い時は、逆に柔道に集中できていたり、調子が良かったりするので気持ちは複雑です。

夕方、NTCに到着するや否やトレーニング。最近は毎週来ていることもあり、NTCウエストの地下1階トレーニング場は慣れた場所になっています。
軽めに1時間半ほどのトレーニング。
終わったところで同じくNTCに宿泊する兼田選手と合流して夕食、風呂へ。
アスリートヴィレッジ内ではグランドスラムを控えた全柔連の選手やスタッフに度々遭遇します。その内、どれくらいの人が我々を認知してくれているんだろう…などと兼田さんと話しながらこの日は終了。

翌1日。朝7時前にストレッチがてらコンビニでも行こうかと兼田さんと外に出ると全柔連チームと遭遇。増地先生がいらしたのでご挨拶。
この日はなんと、午前中に全柔連の調整練習と同じ時間で道場を使わせていただけることになっていました。元々は視柔連は夜の時間帯だけを抑えていたのですが、現場の先生方のご配慮で許可が出ました。トップクラスの選手の調整を間近で見れるのもそうですが、コンディションや体重の面から考えても午前中に道場が使えるというのはたいへんありがたいことです。

道場に行くと健常者の柔道を普段あまり見ない私でさえも知っている選手が何人もいました。先生方に挨拶しつつすみっこで準備運動、ストレッチ。全柔連の試合前はこんな感じなのか…とキョロキョロしながら打ち込み。
この日は公開練習日だそうで、途中メディア関係者もたくさん入っていました。ここに来る記者のほとんどは、報道各社の柔道担当の方々でしょう。普段、我々を取材してくださるのは各社のパラスポーツ担当の記者や社会部の記者であることが多く、柔道担当記者が来るのは残念ながら稀です。ここにいる記者の方々の内、どれくらいの人が我々を認知してくれてるんだろう…などと既視感のある会話を兼田さんとしつつ、打ち込みを続けます。
なかなか貴重な体験をしながらも調整練習を終了。先生方に挨拶して道場を出ました。

翌日の土曜日も同様に午前中に道場を使ってよしとのことで、グランドスラム2日目に出場する選手たちとともに調整練習。
前日と同じようにすみっこで準備運動、打ち込み、動きの確認をして、最後に息上げのサーキットトレーニングを少々。

風呂に入って昼食。ここから移動です。
今回の大会の宿泊は新宿の京王プラザホテル。荷物を抱えて赤羽までバスで移動、新宿まで埼京線に乗り、新宿駅からは歩きました。やはり新宿駅はダンジョン。兼田さんの視力と私の視野をフル活用して無事ホテルに辿り着きました。

19時ごろ、ここで日本チームは全員集合となりました。

12月3日。計量日。朝食後の体重は75.5kg程度。NTCのご飯が美味しかったのはもちろんのこと、今回は国内なので宿泊ホテルの食事も非常に食べやすく、ついつい多めに食べてしまいます。しかし、本当に調子が良い時はちゃんと食べた上で落とせた時。まだまだ余裕があると言えばそうでしょうが、食べないと力も出ません。内容にこそ十分気は使いますが、量を減らすのはNGだと最近確信しました。

朝の出発は全体に先駆けて7時30分。アップ会場である講道館まで本来はバスがあるのですが、体重のこともありますし、アップに時間が必要なので一足先に電車で向かいました。こういうことができるのもホームアドバンテージですね。
アップは9時から10時半の日程が組まれていましたが、8時から大道場で準備運動スタート。約2時間半ほどを存分に使っていつものストレッチから投げ込みまでをこなし、さらにサーキットトレーニングも行いました。
じっくりストレッチをしたいところでしたが11時からは記者会見の予定でしたので、早めに切り上げて急いでジャージに着替え2階へ。

ここから1時間強、記者会見に出席しました。会見の様子はYouTubeでご覧いただけます。

12時半のバスでホテルに戻り、ここからは水抜き。今回はさすがに昼食を食べる余裕はありませんでした。この時74kg。
水とリカバリーの諸々を抱えて風呂に篭ります。

計量前にプレ柔道着コントロールがあるので、使える時間は1時間半程度。この時間で1kgだったら、まぁ落ちますが、時間に余裕がないだけにやや焦っていました。

ただ今回はきっちり量を食べているおかげかかなり汗が出やすい。過剰になったり体調を崩さないように、水を少し飲みながら適度に落とします。
ドローの配信を見ながら水抜き終了。
体重は73.2kg、最高にちょうどいいところ。ドローはいつも通り最悪。
初戦は前回のグランプリ・バクーを優勝している、東京の金メダリスト、サイドフ選手です。
このところずっとくじ運が悪いのですが、なぜでしょうか?こんなにも日頃の行いが良いのに…

柔道着コントロールと計量はホテル14階の客室を使って行われました。
14階に到着するとエレベーターを出た瞬間から人混み。いつもの光景ではありますが、今回は日本だし、もう少しうまくやってくれるだろうと思っていました。期待は裏切られました。
15時前に14階に到着したものの、コントロールを受けられたのは16時になろうかという頃。その間廊下で人混みに揉まれながらずっと立って待っていなければならず疲れました。合間で人をかき分け仮計量へ。73.0kg。すばらしい!
ただ、この人混みでもうしばらく待たなければと思うと、あと300gくらいは減るかなぁと思い、少しだけ水を飲みました。
コントロールを終えれば計量までは比較的スムーズ。ところどころで知り合いの選手に遭遇しては握手を交わして本計量へ。72.8kg。案の定ですが、これなら許容範囲。
部屋に戻って、水、塩、水、水、塩、ゼリー、水、スープ、昼のお弁当、水、水。リカバリー超大事!

少し休んでから夕食へ。米を中心に食べれるだけたくさん食べました。この時点で体重は76.4kg。なかなか良い感じです。

体のメンテナンスをして、映像確認、ミーティングをして、冷浴と温浴、なかなか良いリカバリーとコンディショニングができました。自国開催だとあらゆることが思い通りにできるのでありがたいですね。

12月4日。試合当日。
風邪をひかないようにと暖房強めで寝ていたせいか、起きるとかなり汗をかいていました。
水を少し戻してストレッチへ。
ホテル内の小規模のトレーニングジムで体を起こします。軽く体操して体の調子を確認。いい感じ。少し動きたいなと思ったのでランニングマシーンで5分ほど走りました。
部屋に戻ってシャワーを浴びて、朝食へ。この時体重は75kg程度。少し落ちましたが調子が悪い時に比べれば十分良いでしょう。

朝食の帰り、エレベーターでサイドフと一緒になりました。後ろから両肩を掴まれ、「Hey, Seto~」などと言いながら肩を揉み揉み。おいお前、一回戦で当たるの知ってるだろ、そんな感じでいいんか、、

部屋に戻ったら荷物を確認。荷物を詰めるのに思いのほか手間取り、8時20分ロビー集合でしたが、危うく遅れるところでした。しかも、アクレカードを忘れそうになる始末。少々試合が心配になる幸先の悪さです。

9時前には東京体育館に到着。試合開始は11時で私の試合までは10試合程度あったので、十分余裕を持ってアップを行うことができました。

会場はグランドスラムで使われた5面のうち、3面を試合会場、壁で仕切って残り2面をアップ会場にしてありました。移動は楽ですが、観客に見える位置にアップ会場があるというのは初めてのことで、やややりづらさがありましたし、何よりアップ会場で着替えができなくなるので、毎度更衣室まで行くのが面倒でした。
きっと、グランドスラムのアップ会場を早く片付けたかったんですかね(笑)
聞けば本来のアップ会場はフロアが違うために移動が大変だとか。視覚障害という面を考えてもとても良い方法だと思います。

試合が始まって1時間ほど、ようやく初戦です。試合前の控え通路で並んでいると、やってきたサイドフ。今度は正面から首と肩に組みついて頭をグリグリしながら笑顔で足をちょこちょこと掛けてきます。おいお前、今から試合するんだぞ、それでいいんか、、
前に対戦した時からけっこう絡んでくるのですが、彼はもう36歳になるそうで、23歳の私は幼い子どものようにしか思っていないのかもしれません。私自身そんなにピリピリするタイプでもないので別に構わないと言えば構わないのですが、流石に試合前だとやや調子が狂いますね。、、それが狙いですか?

初戦となる二回戦。ウズベキスタンのサイドフ選手は前述の通り、東京パラリンピック73kg級の金メダリスト。これまでの対戦成績は私の1勝。今年4月のアジア選手権での対戦でしたが、その時彼は東京パラ以来の復帰戦で動きが鈍いようでした。その後、世界選手権2位、グランプリ・バクー優勝、アジアパラ2位と調子を戻してきたようで、今大会でも優勝候補の筆頭と言える相手です。

組手はケンカ四つ。ありがたいことに釣手を下から組ませてくれます。試合開始直後から内股を仕掛けてきますが、これは予測できていたので大丈夫。次は巴投げ。これも警戒していたのですがうまく入られてしまいました。技あり。
次も巴投げでしたが、これはなんとか回避。その次の巴投げは完全に防ぎました。まっすぐ立つ私にぶら下がるような形になるサイドフ。ここで、相手をまっすぐ見下ろす形になった時、「この試合、勝ったな」となぜかそう思えました。

消極的指導をもらいますが、ここまでは様式美。最近調子が悪くてこの形はなかなかありませんでしたが、指導もしくは、技ありと指導をとられるところまでが私のパターン。そんなパターン捨ててしまいたいのですが。
直後に背負投で技あり。いくらか経ってからもう一度背負で技あり、合わせて一本。どちらもやや強引な形にはなりましたが、なかなか良いタイミングで入れました。

1番の山と思っていた初戦。しっかり取ることができました。減量をしくじりでもしたのか、相手がかなりバテていたことも幸いしましたが、自分の得意な形でポイントを取って勝てたというのはとても良かったです。

次の試合までは10試合以上の待ち。まだかなぁ、まだかなぁと待っていると、他の試合場でやっていた半谷さんが決勝進出を決めたそうです。こちらは決勝決めるまでにあと2試合もあるのに…!
階級の人数差はあるでしょうが、試合場でそんなに進度が違うのかと驚きです。

1時間以上待って、三回戦はカザフスタンのノクシェフ選手。彼とは10月のアジアパラ3位決定戦で対戦して以来2度目の対戦。前回は勝ちましたが、あまり納得のいく形を作ることができませんでした。

開始直後から前回同様に払巻込を仕掛けてきます。最初こそ体を乗せて潰す形になりましたが、以降は全て立ったまま手を切って払い落とすことができました。

こちらの攻撃はまずまず。やはり背負は警戒しているようでなかなか前には出てきません。なんとなくの攻防の中で、練習したことないけど、なんか得意な足技で技あり。形的には支釣り込み足ですが、右足で相手の右足に内側からかけ、そこから釣手を引き落として投げます。手技とすれば浮落でしょうか。支えに行こうと思うも相手の左足までは届かないために成り立つ技です。意外と効くので、今後これを練習してみようかな、などと考えています。

その後会心の背負投。どちらかと言えば背負落になるんでしょうか。引き出したところに膝をついて半身で入り、うまく乗せて落としました。
文句なしの一本。やはり背負で決めるのが一番スッキリします。

これで準決勝進出。その後次の試合までまた10試合以上空くとのことで、暇で仕方ありません。他の選手と雑談をしたり、他の選手の応援に行ったり。リラックスはできていました。

また1時間以上待って、準決勝はジョージアのカルダニ選手。8月の世界選手権以来の対戦で、これまでの対戦成績は私の2敗。特に苦手とする選手で、身長こそ低めですが、かなりのパワーと足の巧さ、そして肩車が武器の選手です。
前回の対戦でも、パワーで圧倒され、引手は掴めず、釣手は殺され、足技と肩車でそれぞれ技ありを取られました。

あれ以降フィジカル強化を図ってきましたし、それぞれ技の対策も考えてきました。それでも一番勝ち筋の薄い選手がこのカルダニだと思います。

組手はケンカ四つ。カルダニも釣手は下から持たせてくれます。しかし、引手はどうやってもこちらの形で持たせてくれることはほぼありません。
さらに予想通り足技で何度も危うい場面になりますが、どれもなんとか腹這いで逃れます。しかし開始1分ごろ、支釣り込み足に捕まります。足を上に上げて逃げようとしても、足が離れません。なんとか片足で耐えようとしましたが、結局は倒れてしまいました。この時釣手を放して先に畳についたおかげで技ありで止めることができました。

こちらの攻撃はほぼ完全に防がれていました。そもそも背負に入ろうにも引手が殺されている、体を回させてくれない、回ろうとしても左足をこちらの体より右に素早く入れてくるので担げない。足技さえも、刈足をかわすのがとてもうまく、まともに足が掛かりません。

少し攻め手が緩んだところに肩車。これは読めていたこともありかわします。しかし、開始2分手前でこちらに消極的指導。追い詰められてきました。

ただ、この日の私にとってこの技ありからの指導は様式美を超えて「確定演出」
焦りもあったからか積極的な攻撃に出てやや強引な背負投。膝突きで入り、例によってかわされて最初は潰れましたが、頭がついたのを良いことに、頭を支えにして足を起こし、担いでもいないくせに釣り上げるように相手を起こし引手を引きながら体で押し込みひっくり返しました。
一本。これも稽古ではよく出る得意な形。試合でここまでうまく出たのは初めてでした。

一本の判定でしたが、投げた瞬間は技ありかなと思いました。
相手も納得していなさそうだったので、ビデオチェックかなと思い、緩んだ気持ちを締め直そうとがんばっていましたが、余計な心配でした。

試合場を出る時、カルダニが「あれは一本じゃねぇ、技ありだ!」という旨の捨て台詞を審判に吐いていましたし、アップ会場に戻ってからもすごく怒り狂っていましたが、決勝ラウンドの時に控え通路で会ったら「ナイス セオイナゲ」と握手を求めてきたので、その時初めて話しましたがあいつはたぶん良い人です。

一方私は大興奮。初対戦から4年半、ついにあのカルダニに勝てた。まだ準決勝なのにかなり清々しい気持ちでいました。

この時点で時刻はすでに15時半。私が試合をした第3試合場はその後敗者復活戦などが行われ、ほとんど休みなしで午後のオープニングセレモニー、ファイナルブロックに突入していきました。

準決勝を終えた私はひとしきり喜んだ後、着替えて昼食へ。お弁当を渡されましたが、次の試合までの時間的にも気力的にも全て食べる気にはならず、30分近くかけて弁当の中のおにぎり2個だけをチビチビとよく噛みながら飲み込みました。

16時半に決勝ラウンドが始まり、試合までは約1時間半。さすがに疲れてきたこともあって、ダラダラしながらゆっくりとウォーミングアップ。
軽くストレッチ、打ち込み、軽く動きながら投げ込み、最後にスピード打ち込み。

ちょっと早めでしたが、そろそろ行くかぁ…といった感じで控え通路に移動。ちょうど女子J2,-57kgの決勝、3位決定戦が行われており、モニターで観戦しました。
順子さん、工藤さんともに勝ち3位入賞。良い流れです。

表彰式をひとつ挟んでいよいよ決勝戦。
対戦相手はカザフスタンのオラザリューリー選手。世界ランキングは1位で世界選手権でも2年連続3位の選手です。 10月アジアパラ以来の4度目の対戦。対戦成績は2勝1敗。ただ、直近の対戦、アジアパラではこちらが膝をついたところに覆い被さるような小内巻込から縦四方固で一本負けをしています。

今回は中途半端な防御をしない、背中を持たれても上体を起こして腰を落として対応する、ここを気をつけるよう心がけました。

開始直後から釣手を殺してくるオラザリューリー、こちらは腰を落としながら釣手を動かし技に入るタイミングを計ります。釣手で逆の肩越しに背中を取りにくるオラザリューリーに対しては、引手を抑えながら左に回り込み回避します。途中、こちらだけ両手とも離れる場面がありやや焦りましたが落ち着いて持ち直し、ほぼ同時に今度は奥襟を叩かれますが、今度は右に回りながら左肩を抜きます。
しかしここで頭が下がってしまいました。再び背中を叩かれ相手得意の釣腰。腹這いで防ぎました。しかしこの時、最初に着いた頭を支点にして防いだような感覚がありました。まずったかなぁ、ヘッドディフェンスかも、と思いながら立ち上がるも何もなく「組み方」

前回の対戦からそうなのですが、この組み方の時、開始際の背負を警戒しているのかどうにも重心を後ろに置いているように感じました。どうせ背負は警戒されてて効かないだろうから、ちょっと後ろに行ってみるかと、なんとなくで大内刈を仕掛けることにしました。

はじめと同時に体を落として足を出すと掛かった感触。そこから押し上げるようにして後ろに押し込みます。結果として半身から右後方に反るような形になりました。技あり。よし、と思いながら寝技に行こうかとしますが、相手の対応が思いのほか速く、無理せず腕と首を守って待てを待ちます。

待てがかかったところで審議。このパターンはいつもなら技ありが取り消されるところ。もしかして一本かな?それはないか?ドキドキして待っていると、相手方を指しながら「反則負け」の判定。「え?」と思わず声が出ましたし、たぶんアホな顔をしていたと思います。よくわからないまま、「青」の勝ち名乗りに礼をして握手。
外まで歩く間に審判に「What Hansoku?」と聞くと「Diving」と教えてくれました。


どうやらひとつ前の釣腰が相手のヘッドダイブだったようです。
ちょっとすっきりしませんが、まぁ勝ちは勝ち。しかも記録には残らないものの、一度きっちり投げましたし、大内刈りを相手に印象づけることができました。これは今後に生きてくるのではないかと思います。
防御面も結局技には入られましたが、概ね落ち着いて対処できていたように思います。釣腰がヘッドダイブになったのも、こちらがしっかり受け切れていたからこそだとも思います。40秒ほどの試合でしたが、なかなか良い収穫がありました。

1年半ぶりのグランプリ優勝。1年前の東京オープンでも勝ちましたが、自分が納得できる大会規模、参加選手数の中で勝てたのは久しぶりですし、1年半前当時より自分自身に求めるものも高くなっている中でのこの満足できる試合内容と結果。とても良い試合でした。
8月に負けて以降、その時の気持ちを引きずっているような感じでしたが、今回で多少は癒えたかなとも思います。まだまだ予選は残りグランプリが3つありますし、予選ランキングも現在6位です。
今回の調子、内容、結果を次の大会でも、そしてパリでも再現できるよう、精一杯頑張っていきたいと思います。

また、この大会で2023年の大会は全て終了。
年が明けるといよいよ2024年、勝負の年です。パリで金メダルを目標に、今年以上の年にできるよう、日々努めていこうと思います。
今後もどうぞ応援よろしくお願いします!!

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