音楽制作におけるリモート環境の整備 その5 リモートレコーディングとは

こんにちは

自分のミックスチェック環境を先に記事にしようと思ってましたが、

それは後回しにしてレコーディング編

今回はリモートレコーディングとはなんぞや、という話だけです。

具体的な方法は次回以降。


「リモートレコーディング」と銘打たれたときにあまりその詳細までは言及されていませんが、その中には大きな種類の違いがあります。


A地点とB地点でリモートレコーディングを行いたい。音の発音元たるミュージシャンと、音を聞いてそれにリアクションする到着地点としてのディレクター(ここで言うディレクターは職業としてのディレクターではなく、ディレクションをする人という意味です)この両者が離れているからリモートレコーディングが必要ですよね。

Aにミュージシャン、Bにディレクターがいる場合


パターン1

Aはレコーディングスタジオにいて、エンジニアもAにいる。ディレクターのいるBまでモニターを届けて、Bのディレクターからディレクションをトークバックでもらう。
この場合データが録音される地点はA


パターン2

Aは自宅にいてBへ自分のダビングするを送出、BにエンジニアとディレクターがいてBからAへモニターを返す。
この場合データが録音される地点はB


(パターン3)

ミュージシャンもエンジニア(スタジオ)もディレクターもバラバラの場所
この場合でも録音される地点はB


3は複合技なんで置いておいて、1と2の差は大きいので
「リモートレコーディングがしたい」だけだと齟齬が生まれまくります。


さて1は比較的簡単です。今まで私の書いてきたようなミックスチェック用の環境を整えればできます。
ミュージシャンとエンジニア間のやりとりは普通と変わりません。
その場で成立している音をディレクターへと送出できればいいので、このポイントで通信を介することでラグが生まれても音楽の内容には影響がないです。
トークバックも然り。
また、ミュージシャンとエンジニア間はノーマルなので、音のクオリティへのダメージもなし。オリジナルのクオリティのデータが録音できますので、プロジェクトとしてのデメリットはあまりないように思えます。
これはもっと行われるといいし。これが簡単にできるシステムを営業レコーディングスタジオは構築するべきです。この先スタジオが用意するべきインフラだと思います。


問題となるのはパターン2です。

簡略化するために歌で例えます、
本来Aで歌った音をBで受け取って、B側でオケと歌をミックスしたものをモニターとしてAへ返す必要があります。
AB間を移動するたびにディレイが発生するので、これは実現し得ないですよね。
あと記録するB側へ届く前に通信の不具合があれば録音オーディオにダメージが残ってしまいます。
これらをなんと解決してしまうものがsource connect



業界で「ソースコネクト」っていうとなんかリモートできるやつ。
って伝わってて、不理解が進むので各ソフトの違いを記載しておきます。

source elements社の

source connect
双方向の音のやりとりが可能。遠隔地でレコーディングするためのツール。
最も上位版と捉えて良いが、使用する各拠点にライセンスが必要。

source live
送出に特化したもの。ミックスチェックはこれで

source connect now
双方向の音のやりとりが可能。source connectの超簡易版
無料

source nexus
上記とは別物。コンピューター内部のオーディオルーティングツール
source connect nowとDAWを併用するなら必要

です。全然違う。


さて、恥ずかしながら私source connectはしっかりと使用したことがありません。(どうしても一人で実験するには限界がありますね)
是非協力してくださる方お願いしたいです。

source connectには相互間の遅延の処理や、トランスポートをリモートする機能、回線不具合によって生じたデータの欠損の修復機能
などがついてて、マジリモートレコーディング最強ツールなんですが、
相互にライセンスがないといけないし、導入ハードル高い。

さて自分で書いてて難解になってきたと思います。
また全てのパターンに対応するのは無理なので、現実的に導入できそうな。

source connect nowでのダビング

Audiomoversでのダビング


を次から書きたいと思います。

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