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【視察】指定管理・東京最大級のマリーナ・夢の島マリーナ@東京(後編)

東京視察の最後は、夢の島マリーナです。
前編、中編はこちらから。

夢の島マリーナはクルーザーやヨットが約660隻係留できる、日本最大級の大型マリーナです。WEBで事前に見ても、今空きスペースが無い点からも関東圏でのプレジャーボート需要の高さと、その受け皿の数が十分ではないことが伺えます。
以下、実際に見てきた施設の写真を中心に概要と、視察を経た上での活かすべき3つのポイントについて書きたいと重ます。


全体マップ

マリーナの概要

今回、ジール社長さんのご案内によってハーバーマスターのご案内でバースの中まで見させてもらいました。

遠くにビル群が見える
修理ヤード
修理ヤードに上げるための可動式クレーン
契約者用横付けスペース
給電・給油設備
給油したい船が入ってきました。契約者は後払い精算。
バースは20年〜30年くらいで入れ替えとのことで、毎年ひと区画ずつ更新しているようです。
給電設備
こちらはまだ交換されていない古いポンツーン
会員限定の水回り
乗り捨て自転車
会員用のモーターボート置き場
ビジター用バース
会員が駐車場から船まで荷物を運ぶ三輪バイク。
規格外の大物が入港
これぞ富裕層的なやつ

夢の島マリーナは、東京圏内でアクセスも良く、すでに新規契約者を受け付けていないようですが、管理人のお話を聞く限りは、ここ10年くらい一度も稼働を見たことがない船もあるようです。

多くが法人契約をしたままで、そのまま放置してしまっている船もあるとのこと。

三輪バイクも契約を終えた人がそのまま放置してしまっているものもあるので、定期的に撤去などをしているようです。

今回夢の島マリーナは、ハード自体は東京都が用意し、大規模修繕などは公金で行われています。その上で民間事業者が指定管理に入り、運営をしている形態です。

マリーナ単体を見るとどこまでハードを管理運営していくかですが、係留バースや岸壁や施設全体も含めた運営コストを民間単体で捻出するのは流石にやり方を考えないと厳しいとおっしゃってました。

夢の島マリーナは、利用者が満室とはいえ、数十人の雇用も抱えている組織です。長期契約の係留バースだけでなく、複合的にお金が落ちる仕組みづくりが改めて必要だと感じました。

新設マリーナに活かすポイント3つ

1)契約者の利用シーンを考えた先回りしたサービス作り
今回、船までの移動や物を運ぶ手段として3輪車が活用されていました。契約駐車場から係留スペースまでの間をどのように移動させるべきかなどは、おそらく最初の設計段階に組み込まれていなかったのだと思います。
それぞれ設備との位置関係や、そこでお客様が何を行いたいのか、実際に利用する人にヒアリングしながら、最適配置を行い、付帯サービスを作っていくことは必須と感じました。

2)立地を考えた上で、必要な設備の整備
夢の島マリーナはこれから海に出ていくための基地として給油・給電・給水設備、そして修理する環境が整っています。また、マリーナまでの足も近くからバスが出てたり、車で来れたり、複数の手段があります。

では、南房総エリアにマリーナを作った場合はどうでしょうか?
どのような方が利用されるか。どのようなニーズがあるか。
大島に行くもしくは東京湾から出てくる・入ってくるための一時的に利用する場としてのニーズ、もしくは、夢の島マリーナから東京湾を出るまでが大変ならば、いっそ、交通アクセスの良い南房総に船をおいて、そこを基地にしそこまでは車でくる、なども考えられるかもしれません。
現状、給電・給油・給水はマストでそれらが簡易的にできるマリーナを検討したいと思います。

3)ちょっとした修理ニーズにも応える環境
東京湾入り口で、外洋に行かなくても楽しめる場としては、比較的ハードルが低く、初心者から中級者の利用も考えた環境も良いかもしれません。
そうなった場合は、手ぶらで預けた船がある程度施設側でも補修などができると安心して長期係留をしてくれる可能性も出てきます。
個々が都度行うメンテナンスも施設側でオールインで見てあげる、そこが係留料を上乗せする理由にも繋がると民間設備としての持続性も高まるのではないでしょうか。

以上、東京のジールさんからレストラン、夢の島まで見てきました。
単に真似しても意味がなく、

供給制約の前提を踏まえた上で、高単価なサービスをしっかりと継続できるサービスラインナップをしっかりと作り込んで考えていくことが大事だと改めて感じました。

次回は、不法係留対策で環境整備を行なっている船橋と今後整備予定と聞いている木更津について書きたいと思います。

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