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【無料】三四郎、スリムクラブ、学天即、藤崎マーケット ラストイヤー漫才師がM-1グランプリ2020にドラマを呼び込む!

M-1の季節になってきておりますが

いろいろ予想してみたり、贔屓の漫才師たちの戦いに一喜一憂したり
あーだこーだ言うてるのも1つの楽しみ方だと思います。

周囲を見渡してもM-1を楽しみにしている人は本当に多いですし、やはり大会としての重みが別格すぎる。

コロナ禍において開催が発表されており、まだどうなるか100%は分かりません。
だから、ネットとかで文句言うのは本当になしにしましょう。

楽しみを提供してくれているだけで十分。
忘れがちかもしれませんが、開催できるだけで本当にスゴイことです。

今年は優勝候補を挙げるのが本当に難しい。
昨年は、3回戦の段階でミルクボーイの決勝進出を確信するほどにミルクボーイは予選の段階でウケまくっていた。
他を圧倒するほどの勢いだったので、早い段階から優勝候補筆頭にミルクボーイを挙げる人は業界内にも多く
私は準決勝を観て、90%ミルクボーイの優勝だと思いました。

しかし、今年はそこまでダントツに予選で爆発しているコンビもいなければ、和牛もかまいたちもいない。
本命を聞かれても、なかなか難しい。

そこで勝手な展望&個人的な気持ちですが、今大会を面白くしてくれるのは
三四郎、スリムクラブ、学天即、藤崎マーケット
こちらのラストイヤー組ではないかと思っております。

この4組、お笑いファンなら誰もが知る実力を持ち合わせながら
スリムクラブ以外はM-1グランプリ決勝の舞台未経験。

当然、今大会に挑むラストイヤー組は他にもいますが、この4組がM-1の最後を迎えていることは1つの潮目と言っていいかもしれません。

ちなみに、熱心なお笑いファンは注目しているであろう
Dr.ハインリッヒもラストイヤー。

どこかのタイミングで必ず日の目を浴びる瞬間は訪れますが、それがM-1かどうかは正直分からない。

決勝に進めば間違いなく拍手喝采だが、もしM-1決勝には縁がなかったとしても、絶対にスポットライトはいつか当たります。
このセンスは唯一無二。ネタの独創性にしびれます。

『ラストイヤー枠』みたいな呼び方をされることも多いM-1グランプリですが
残念ながらそんな枠が空いているわけではない。

ガチだからこそM-1グランプリは予選から楽しめる。
あの空気感を現場で味わえば、それは分かると思います。

それでも、上記に挙げたラストイヤーを迎える4組に
注目せざるをえない。
かなり個人的にですが、シンプルに応援していますし、お笑いに生きる人としての魅力を感じざるをえません。

この中で圧倒的にテレビ露出も多く、現在売れているのは三四郎。

もうテレビタレントとしては突き抜けた存在にはなりつつあるが、漫才師としてのタイトルは未だなし。
「売れている売れていない」で測れないほどの魅力がM-1にはある。
今後、どれだけ売れ切ったとしてもM-1の決勝に出られなければ、漫才師としては悔いが残るだろう。
M-1が全てではないが、漫才師にとって1度は踏みたい夢舞台なのは間違いない。

だが、そもそも論として
売れている芸人と売れていない芸人のM-1にかけるモチベーションの違いはあって当然。
三四郎のお2人とM-1について深く話したことはないので、これは勝手な推測ではあるが
これまでのM-1は三四郎よりモチベーションの高い飢えた漫才師たちが決勝への切符を勝ち取ってきたのかもしれない。
ネタのセンス、話芸、テクニックなど、面白さは当たり前として、最後は気持ちの部分も大きい。
圧倒的に食えている三四郎が食えていない芸人たちと同じ温度で戦えるか否か…?
そこが決勝への切符を手にできる1つのポイントだと勝手に思っていたのだが…

今回、ラストイヤーを迎える三四郎は完全なる本気モードだ。
2回戦の漫才を観れば、それはもう一目瞭然。
元来持つお笑いポテンシャルの高さが漫才に活かされた時…
三四郎が確変に入る可能性は高い。

「耳の始まりを押さえるな!」
あの類のワードセンスがハマるツッコミがバチっと決まった瞬間…何か新しい景色が見れそうな期待値が三四郎からは溢れている。

今、M-1で戦っている三四郎は食えてない漫才師と変わらないほどに飢えている。
やっぱり1度は見たい。三四郎がM-1決勝の舞台に立つ姿を。

そして、決勝経験も2度あるスリムクラブ。
スローな間を駆使した究極のパワーワード漫才。
ハマった時の一撃はデカすぎる。スローかつ、ジリジリにじり寄っていき一発で仕留める。
極真からK-1に参戦した時のフランシスコフィリオを彷彿とさせる(分かる人だけ伝わってください)

どうしてもM-1において、これは避けて通れない話だが、スリムクラブが打ち勝つべきは既視感。
みんな、なんとなく手の内は知っている。
あの衝撃的なM-1グランプリ決勝初進出は、もう10年前。
「あっ、あの感じのやつか…」
あまりのクセの強さに、1度観たら忘れられない。
与えられるインパクトは芸人として素晴らしすぎる武器だが、それは同時に諸刃の剣でもある。
賞レースにおいて、過去の自分を超えられるかどうかの戦いは否応なしに強いられる。

だが、4年前のM-1グランプリ2016準決勝。
この時、スリムクラブが起こした地鳴りがするほどの大爆発を私は目撃している。
「家族のトーナメント表」という超ド級パワーワード。
あれが出るか、出ないか?
昨年いろいろあったスリムクラブだからこそ生み出せるパワーがあるのか?
一撃必殺がハマれば、太刀打ちできる漫才師はいない。
あの準決勝での耳をつんざくほどの地鳴り…
カオス状態とも言うべき笑い声の量だった。
あれをもう1回聞きたい。
スリムクラブは個人的にも応援させてもらっておりますので、もう1度カオスの瞬間を目撃したい。

さらに、M-1決勝に1度も行けていないなか、ラストイヤーを迎える学天即。
まさか、学天即が1度もM-1決勝の舞台を踏んでいないのか…不思議に思えて仕方がない。
そう思わせてくれるほどに学天即の漫才は完成されております。
とにかく安定感が抜群であり、漫才師として肩の力が強い。
未来永劫漫才師として舞台に立ち続ける王道を走るレーンに乗っているとは思われますが
M-1という賞レース目線で考えた場合に限り、驚きや発見を与えにくいとも言える。

スリムクラブは既視感との戦いだが、学天即の場合は"自らの安定感と戦う"というイビツなことになりえる。
本来なら安定感は漫才師にとって最強の武器だが、それは同時にフレッシュさや期待値を奪ってしまう。
これが何とも言えないところであり、お笑いの奥深さでもある。

漫才が上手いに越したことはない。
だけど、上手いだけではパンチ力に欠ける。
パンチ力だけが目立てば漫才として未熟。
未熟さが初々しさとなり、魅力的に映る瞬間もある。

本当に難しい。演芸は全て生物であり、そこに正解はない。

しかし、学天即は的を射るような笑いを次々起こしていく類稀なるボケとツッコミの決定力がある。
ここだけは何を差し置いても普遍的。
話芸の地肩で説き伏せるストロングスタイル本格派漫才師がM-1の決勝で暴れ回る姿を私は見たい。

最後は藤崎マーケット。
紆余曲折、浮き沈みも様々経験されたお2人だが
ネタを真剣にやり込んできた歴史には敬意しかありません。

芸能界というのは本当に節操なく残酷な世界です。
お笑い芸人さんはネタにして笑いにして消化していきますが
本当の内幕なんて全く笑えません。

デビューして間もなくラララライ体操があり
一発屋扱いを受け、氷河期を迎える。
否応なしに笑ってはいけない時期が自動的に作られてしまう。
えっ…?まだそれ見て笑ってんの…?
そこには良い悪いの冷静な判断もなく、旬を過ぎれば終わった人扱いを受ける。

1番新しいものが1番古くなり、1番流行ったものが1番ダサくなる。
それは何となく理屈上分かるのですが…
旬を過ぎた後、フラットに見てくれない風潮には疑問が残る。
フラットに見た結果、「やっぱり、あのギャグだけか」と評価されたならば納得いきます。

しかし、どう考えても色眼鏡で見ている。
面白くないと決めつけて見る。
これは悪しき習慣だと個人的に思っているのですが
藤崎マーケットは、その氷河期をネタの力と笑いの戦闘力で覆しました。

やっぱり、ちゃんと面白い人は這い上がります。
このラストイヤーでM-1の決勝に出れば、完全に覆せたことを全国に証明できます。

1度も売れずに辞めていく芸人が多い中
1度でも大ブレイクを起こすことは奇跡に近い。
しかし、大ブレイクを起こした後に
正当な評価を受けることだって奇跡。

M-1グランプリ=権威であり
M-1グランプリ=説得力でもある。

このステージで活躍することは、面白い芸人だと認めてもらえるパスポートを発行されるようなものだ。

その権威と説得力を併せ持つ夢舞台に藤崎マーケットが降臨する姿を私は見たい。


三四郎、スリムクラブ、学天即、藤崎マーケット

真剣勝負あるところに物語は付随し
M-1は毎年劇的なドラマを生みます。
4組全てが決勝に進む確率は低いかもしれないが
せめて1組は決勝に行ってくれたら嬉しい。

その根本にあるのは、ただの応援の気持ちですが
ラストイヤー組が中心となって、今年のドラマのシナリオを綴ってくれたら盛り上がること間違いなし。

かき回して、暴れまくって、思う存分

至極の漫才を見せてほしいです。

ええよーー!

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