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神が細部に宿るならば、1ミリの感覚をせめぎ合う

「誰もそんな細かいところまで見てないよ」
「そこまでこだわっても変わらないのでは?」

何かしらアウトプットする際には完成品を決めなきゃいけないので、どこかで納得できる答えを出さないと前に進まない。
いちいち細かい部分にこだわり続けてしまっては永遠に終わらないのも確か。

数を量産することが増えたことによる一長一短。
毎日YouTubeを更新するユーチューバーもいれば、毎日noteを書き続けている人もいます。

個人媒体であるだけに、その全てが自分次第。
ゆえに、出そうと思えば数は無尽蔵に出せる。

どんなクオリティであれ、何かしらを毎日出せること自体はとてつもないパワーを要します。
動画の編集にしてもそうだし、一から文章を書けることだってそうです。

毎日やれること。毎日出せること。
それを続けられることは、とんでもない才能だと私は思っております。

しかし、毎日ともなれば絶対にクオリティは落ちます。
これに例外はなく、毎日でもクオリティをキープできると豪語できる人であっても3日に一度のほうがクオリティは上がります。
どこまでいっても身体は一つなので熟考や試行錯誤に時間を使えるほうが優位なのは当たり前。

昨今の時代のうねりからなのか、細かいことに神経を注ぐ作業が軽視されているような感覚があります。
求められるのはスピード感であり、できる限り量をたくさん生むこと。
様々な媒体、プラットフォームにライバルも増えたので、とにかく頻繁に更新することで先手を取る作業。

ショート動画、切り抜き、ジャンプカット…
とにかく形を整え、とにかくアップする。

それ自体が悪いわけではないのだが、「間」や「美学」に重きを置き、そこの話に言及する機会は圧倒的に減りました。

今はプロもアマも入り乱れて何かしらのパフォーマンスができる時代ですが、プロにあってアマにないもの…
それが「間」であり「呼吸」であり「緩急」であり「緊張感」である。

コロナからのリモート出演、リモート配信なども経て、どんどん違和感もなくなってきた。
リモートには間も呼吸もないので、必然的に緩急も求められない。
「とりあえず話の内容さえ入ってこればいい」という1つの常識を生み出し、確実に新時代は到来している。

変化の全てを受け入れた上で…
合わせにいくべき部分もあれば、合わせちゃいけない部分もある。

非常に残念なことに、合わせちゃいけない部分まで合わせにいくプロが数年前に現れました。
何十年にも及んで構築してきた文化を崩壊させ、プロフェッショナルの世界にツバを吐きかける行為をやることで成功を手繰り寄せる下衆な行為。
もう、後戻りはできない。

早口で喋ってるだけで「おしゃべりが上手い!」とYouTubeのコメント欄で褒められてしまうことで拍車もかかっている。
プロのお笑いの世界では通用せずとも、ユーチューバーしか観てこなかった若い人たちには新鮮なものとして映るトリック。
結果、邪悪な策士が若い女性を騙してお山の大将となってしまう地獄の仕組み。

テクニカルに喋ろうと達者を演じるがあまりテンションのみが先行し、根幹にある薄っぺらさを露呈させる負のスパイラル。
目利きの人は一瞬で見抜くが、感性の乏しい人は簡単に騙される。

そうやって、取り返しのつかないほど媚びて媚びて媚び尽くしてプロの文化を破壊してしまったセミプロが存在するのなら…

進むべき道は、その真裏。その真逆。
本物を極めたいのならば反対へ行くのが正解。
嘘をつかず誠実に生きる道は、彼の行く道の反対にある。

本物とは1ミリの世界をせめぎ合う生き物であり、そこは時代錯誤だと言われようとも変わらない。

プロアマ混合時代だからこそ、とことんまで中身にこだわり抜くことがプロの道なのだ。

「誰もそんな細かいところまで見てないよ」
「そこまでこだわっても変わらないのでは?」

これはアマチュアの言い分。

そんな細かい機微を感じられる人にこそ届けたい。
こだわった箇所を理解できる人に刺さることが正解。

プロアマが同じ土俵で戦う時代になったからこそ、質で差をつけるしか道はない。その差を証明できるのは経験豊富な目利きの人間からの評価が全て。
その積み重ねから生まれるのは一線級に君臨し続けるプロだけが解き放てる緊張感。
あの武者震いするような本物の空気。あれを体に叩き込んでしまえば、もうアマチュアでは味がしない。

もしかすると意味不明な話だったかもしれませんが、ほんの少しでも分かってもらえる人が増えたらめちゃくちゃ嬉しいです。
この意味を分かってもらえる人の増加こそ、全体のレベルの底上げに繋がっていくと信じております。


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