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Web3インフルエンサーネットワーク「Aki Protocol」に投資した3つの理由

2023年5月、私たちWeb3ファンド「Emoote(エムート)」は、日本を中心にアジアでWeb3インフルエンサーネットワークを展開する「Aki Protocol(アキ・プロトコル)」へのリード投資を発表しました。

今回ラウンドには、Mask Network、MZ Web3 Fund、Incuba AlphaなどアジアのアクティブなWeb3投資家が参画しています。

Aki Protocolの投資家一覧

本noteでは、最初にAki Protocolについて簡潔にご紹介させていただきながら、投資時に立ち返り「なぜAki Protocolに投資したか?」を3つの理由にまとめます。

  1.  インフルエンサーマーケティングの重要性

  2.  信用データのオンチェーン化の可能性

  3.  Web3の経験豊富な創業チーム

VCが、どのような視点でWeb3プロジェクトを見ているのかを示すことで、起業家のみなさんにとって少しでも役立てばと思います。


Web3ファンド「Emoote(エムート)」とは?
Web3 VCファンド。シンガポール拠点で、主にコンシューマ向けビジネス(エンターテイメント、メディア、ライフスタイル)に投資する。投資先に、STEPN、BreederDAO、EthSign、YGG Japanなどがある。

https://emoote.com/


「Aki Protocol / Aki Network」とは?──アジア中心のWeb3インフルエンサーネットワーク

「Aki Protocol(アキ・プロトコル)」はWeb3のデータプロトコルを担うプロジェクトであり、「Aki Network(アキ・ネットワーク)」は日本を拠点としてアジア中心にWeb3インフルエンサーネットワークを展開しています。

2022年7月のローンチ以来、大きく成長しており、300以上のWeb3プロジェクトに対して、20万以上のユニークアドレスと2,400ものインフルエンサーが紐づいています。(2023年8月時点)

Aki Protocol / Network

Aki Networkのフォロワーは、同ウェブサイト上のプロジェクトキャンペーンに参加することで、トークンのエアドロップやフリーミントNFTなどの報酬を手に入れることができます。

すでにEthSign、SynFutures、Michael Jackson Foundation、Fusionist、Cradlesなどのプロジェクトが、Aki Protocolを通じてユーザー獲得やエンゲージメント向上を達成しています。

では、ここから私たちWeb3ファンド「Emoote(エムート)」が「なぜAki Protocolに投資したか?」、3つのポイントを解説します。

1. インフルエンサーマーケティングの重要性

YouTube、Instagram、TikTokなどソーシャルメディアの台頭もあり、世界中でインフルエンサーの存在感は増しています。

タイアップ広告、共同商品開発、Eコマースなどあらゆるビジネスシーンでもインフルエンサーが活躍する中で、世界のインフルエンサーマーケティング市場規模は2023年に21.1B USD(約2.95兆円)に到達する見込みです。

Influencer marketing market size worldwide from 2016 to 2023 [in billion USD]

本データを見れば、あらゆる経済活動においてインフルエンサーマーケティングが重要であり、今後さらに成長を遂げる市場であることは明らかです。

さらに、様々なマーケティングチャネルの中で、Web3においてはインフルエンサーマーケティングが相対的に重要であるのには理由があります。

それはGoogleやFacebook(Meta)のような巨大広告企業・ネットワークが暗号通貨関連広告を取り扱いづらいことが原因です。2017年頃のICOバブル期に、多くのICO関連広告が市場に流通して詐欺が横行したことから、たとえばFacebookは2018年に暗号通貨関連広告を全面禁止にしました。

その後、一部緩和されたものの、現在でも掲載資格要件が用意されており、当該広告はライセンス等を保有しない広告主では出稿できないようになっています。

Metaビジネスヘルプセンター

消費者保護の観点で安心安全なソーシャルメディア、検索サービス、広告ネットワークを提供することには賛成ですが、健全なWeb3サービス・プロダクトからすると、広告出稿が制約されることはマーケティングの障害になっています。

そこで重要になるのがインフルエンサーマーケティングです。もともとTwitter、DiscordやTelegramなどWeb3界隈に人気なソーシャルメディアやコミュニケーションチャネルでは、自然に(オーガニックでも)口コミが広がりやすい状態があります。そこにインフルエンサーが企業やWeb3サービス・プロジェクトと協業(タイアップ)してナラティブなメッセージを届けたり、単なるプロモーションにとどまらず、一緒にコミュニティを形成する様子が見られます。

Web3サービス・プロダクトにおいては、従来のマス広告ではなくナラティブな世界観との相性がよく、初期からインフルエンサーマーケティングがうまくワークしています。仮想通貨取引所やDeFiのような金融、ゲームや動画のようなエンターテイメントなど、今後さらに多くのWeb3サービス・プロダクトが拡大していくにあたり、インフルエンサーマーケティングは今後も成長していくと思います。

Aki Protocolは、アジアを中心に多くのWeb3インフルエンサーとのつながりを持ち、オンチェーンもオフチェーンも彼ら/彼女らのデータを集めており、企業やプロジェクトに最適なインフルエンサーネットワークを提供する非常に重要なプレイヤーになっていくでしょう。

2. 信用データのオンチェーン化の可能性

Web3で不足しているもののひとつが信用データです。「年齢」「年収・資産」「職歴」「DeFi利用履歴」「NFT保有状況」などオフチェーン、オンチェーンともにユーザーのステータスや活動履歴が十分に活用できないために、全てのユーザーを同じ信用スコアで扱う必要が出てきます。

Aki Protocolはインフルエンサー起点でこの問題に取り組みます。インフルエンサーといっても種類は様々ですが、例えばTwitterで影響力を持つ人なら、どういうカテゴリのツイートが多いのか、どういうタイプのツイートがフォロワーの共感を呼んでいるか、フォロワーのエンゲージメントの推移はどうか、Twitter以外ではどういうアプリケーションで遊んだり、どういうソーシャルネットワークを持っているか、また過去のマーケティング実績はどうかなど、あらゆるデータを信用データ化できます。

それにより、企業やプロジェクトは自分たちのサービス・プロダクトに合ったインフルエンサーを容易に見つけ出すことができ、企画に合わせたマーケティングが行えます。

これはインフルエンサーに限った話ではありません。Aki Protocolコミュニティメンバーはもちろん、一般ユーザーにも適用できます。彼ら・彼女らの属性、活動履歴が可視化されることで、NFTのエアドロップやイベントの優先招待などユーザー向けのマーケティングキャンペーンに活用できます。

もちろんWeb3以前においてもデータバンクやDMP(Data Management Platform)などユーザーデータを蓄積する取り組みは行われてきました。ただし、Web3はより多くのプレイヤーをシームレスに巻き込みながら、より効果的なデータ活用が期待されます。プライバシー問題もロールアップなど技術発展にともない、一つずつクリアされていくことでしょう。

Aki ProtocolはWeb3インフルエンサーネットワークからスタートして、まずはその市場において先行優位を築き、さらにそのフィールドを広げていく可能性に期待しています。

3. Web3の経験豊富なコアチーム

Aki Protocolには、日本人、中国人を中心にWeb3ビジネスと広告・マーケティング経験の豊富なチームメンバーがいます。

2017年からLayer1やDeFiの開発や海外展開に従事してきた人、DeFiやGameFiでスマートコントラクト開発に携わってきた人、2017年にWeb3投資をスタートし、世界的にも著名なプロジェクトに投資実行してきた人、Facebook(Meta)で広告事業の従事してきた人など。このメンバーだからこそ思想を大事にして、中長期でエコシステムの発展を考えたプロジェクトをチームで展開することができます。

また思想だけにとどまらず、過去の事業経験を活かしてしっかりと事業を遂行できます。上述のとおり、EthSign、Fusionistなど人気のWeb3プロジェクトとの強いコネクションも非常に重要な要素です。

まとめ

以上、Aki Protocolに「なぜ投資したか?」を3つの理由で説明しました。プロジェクトに興味を持っていただいた方は、ぜひ今後のアップデートなどTwitterをチェックしてみてください。

Emooteは、アジア中心にグローバルに投資活動する中で、最近では日本の投資先も増えています。日本やアジア固有のエンターテイメント、ライフスタイルのプラットフォーム・アプリケーションはもちろん、Aki ProtocolのようにWeb3の少し先の未来に必要なミドルレイヤーも重点分野です。

今後も、今回のnoteのような最新Web3プロジェクトへの投資事例や、投資先のアップデート、トークノミクス考察、海外Web3イベント情報、シンガポール事情などをツイートしていきますので、よろしければTwitterもフォローください!

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