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経験の超え方

 「名選手、名監督にあらず」僕はこの言葉を信じていません。詳しく調べていないので、相関関係も因果関係もあるか分かりませんが、名監督には名選手が多いと思います。これはプロでもアマチュアでも同じ傾向にあると思います。名選手にしか経験出来ないことは絶対にあると思います。そして、その経験は指導者になった時の武器にもなると思います。
 でも、この言葉があるのは二流、三流選手でも一流の監督になれる可能性があるという、救いの言葉だと思っています。甲子園にも、神宮大会にも出場したことが無い三流選手である僕が一流のチームを作るために必要だと感じていることが、自分の経験を超えることです。
そのために必要だと思うことを今日は書きます。

自分の経験を超えるために必要なこと

1,自分ができないことも要求する
2,巨人の肩の上に立つ
3,選手に裏切ってもらう

1,自分ができないことも要求する
 一つめはプレイングマネージャーの1番の欠点だと思います。例えば、足が速くて小技が得意な選手であれば、それを活かすことをチーム全体の方向性にしてしまいます。自分が出来ないことは要求しなくなります。つまり、主観的なチーム作りになってしまいます。僕はこれをしてしまうのがこわかったので、プレイングマネージャーになるという選択はしませんでした。監督は自分が出来ないことも堂々と求める必要があると思います。

2,巨人の肩の上に立つ
 二つ目は名選手・名監督の経験、知識、知恵を徹底的にお金と時間を使って買うということです。今はそれがしやすい時代になっています。これをせずに三流選手が名監督になれる可能性はゼロだと思っています。これがあるから可能性があるとも思っています。さらに、三流選手がするべきことは、名選手、名監督の手法を掛け算で反映させていくということです。最近、僕は野球からも離れています。駅伝、サッカー、ラグビー、ビジネスなど色々な分野を掛け合わせて野球のチームづくりを考えていくようにしています。これをすることで、名選手だった監督の経験を超えられる可能性があると思います。

3,選手に裏切ってもらう 
 3つ目はいよいよ自分の経験を選手が超えていく段階です。これは、ラグビーのエディー・ジョーンズ監督の話が分かりやすいと思います。2015年ラグビーワールドカップで南アフリカに初めて日本が勝った試合の最後の場面です。
 日本には、ペナルティキックで同点にするか、トライを狙って逆転するかの二択がありました。この時、監督はペナルティキックの指示をしたそうです。でも、選手はトライを狙う選択をしたそうです。そして、日本は大逆転勝利を納めました。この時、監督は怒っていたそうです。でも、著書ではあのシーンについて、「監督の期待を選手が超えた瞬間」と称賛していました。
 僕はこの話を聞いた時に僕が関わるチームにはこれが必要だと感じました。なので、僕は意見するだけで、選択は基本的には選手に任せています。たとえ、それが僕の期待している答えでは無くても、それがいつか僕の経験を超えていくことになると思っています。なので、選手には僕の期待をどんどん良い方向で裏切ってくれたら良いと思います。それが無いと僕はいつまで経っても自分の経験を超えられません。三流選手だった監督を名監督にするのは間違いなく選手の力です。その選手の力をどこまで信じられるかが、三流選手から一流監督になるための資質・能力だと思います。僕はこれからもここだけは変えずに指導することを決めています。

今日は少し熱くなりすぎましたが、上のレベルを知らないことは僕自身の一番の弱点だと思っています。なので、選手の力を借りて克服したいと思っています。

ラグビーWC名場面1位「同点じゃ歴史は変わらない」南アフリカ戦 ラグビー日本代表 https://youtu.be/3vd-fMB2Cr0

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