読書メモ「陰翳礼讃」

谷崎潤一郎の陰翳礼讃、良書だった...。

家屋における翳(影)が日本人の美意識にいかに影響を与えてきたかという話。

電気が無い昔は、夜は当然ながら、昼も部屋の四隅は暗く沈んでいた。

その暗がりの中で見る物は、現代の煌々と照らす照明の下で見る物とは違って見えただろうし、一見ケバケバしいと思える意匠であっても、蝋燭の炎が風でゆらめくような乏しい明かりの下で見ると、暗がりがつくる深い翳が幽玄を感じさせたであろうと。

まったくその通りだと思って納得したし、いままで四隅がすっかり見えるほど明るくしていた部屋の照明を、これから少し薄暗くしてもいいかなと思えてしまった。

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