コーチングを受ける前に読むnote
この記事では、コーチングを受ける前に、セッションをよる有意義にするために事前にご確認いただくコーチングについての内容をまとめたものです。
コーチングとは?
一言でいうとコーチングの目的は「GOAL達成」です。ですが注意しないといけないことが、GOALが他者評価によって決められてないかということ。「他者評価に左右されない自分を表現し、現状の外側のGOALを設定し達成すること」がなぜ重要なのか、なぜそれが1人だと難しいのかを最初に共有できればと思います。
「他者評価されない自分を表現すること」
マーケットの変動に対し、「ピンチだ」と認知するのか、「チャンスが来た!」と認知するのか、全ては他者評価に左右されない、自分自身の内側にある本質で生きているかどうかで、我々の認知する世界が決まります。
「現状の外側のGOALを設定し達成すること」
現状のままで達成できうる未来は全て現状であり、現状の価値観や重要性の外側に常にGOALを持ち、そこへ向かうマインドであることが、チャンスを脳が認知し、脳が空白を埋めようとするクリエイティブティを「できない理由」ではなく「できる理由」を創造し続ける生き方へ直結します。
「なぜ重要なのか」
コーチングの重要性は常に相対的な状況に要請されます。特に仕事においてよりチャレンジし自分にとっての成功を掴んでいく上で、変化に強く、常にバリューを提供し続けるために必要なことは「主体性」。その「主体性」という自身の中にある真なるリーダーシップを使い、自身でGOALを設定し未来をつくることが、自分の人生の軸となります。
「なぜ1人だと難しいのか」
我々のマインドは常にスコトーマ(心理的盲点)が存在し、現状を生きる自分が未来の自分について考えるということは難易度以上に、人生の時間が足りません。文章全体で触れていきますが、マインドのカラクリを理解し、自身の人生にも自己適応し続けるコーチは、ある意味自分自身よりも徹底して自分のポテンシャルや、その先にある未来を信じ、ある意味自分自身よりも自分の人生に妥協しない存在です。自分自身ではたどり着けない領域へいくために必要な最もシンプルなアクションが、コーチをつけることだと言えます。
さて、ここからはそのコーチングについての概要を説明することで、これからコーチングを受ける上での共通言語や前提の理解に役立てて頂ければと思います。
もう少し長めに書くなら「クライアント自身が本当に達成したいと思っているGOAL(仕事、人間関係、健康状態、お金の状態など自分のあらゆる領域の理想な状態)まで、クライアント自身がたどり着けるよう支援していくこと」
コーチングとは「自身の中にあるリーダーシップ開発の支援」です。目標達成のために、具体的に知識やノウハウを教える一般的なコンサルタントとは大きく異なります。
「自分自身が本当に生きたいと思える未来」
「自分にとっての仕事も仕事以外も理想な状態」
「自分自身でたどり着けるよう自分になる」
これらのキーワードがコーチングでは特に重要です。なぜなら、大きな目標の達成を目指す際には、今の考え方や行動内容では自身の目標を達成できない場合がほとんどだからです。ただ、どうやったら考え方や行動が変わるのかが分からないところであり、特に難しいと感じる人が多いところです。
そこで、その変化を促すお手伝いをするのがコーチの役割です。
実は私自身もコーチングとの出会いはクライアント(受ける側)としてコーチングを受けたことがきっかけでした。そのときの成果があまりにインパクトが大きかったために、このコーチングを通じてより多くの人の人生にインパクトが起きたら最高だと強く感じ、プロのコーチとなりました。
現状では自分自身では盲点になり見落としてしまっているような自身の可能性をコーチと一緒に深掘りし、あらゆる観点から言語化していくことにより、本当に自分が大切にしたい価値観や成し遂げたい未来が見えてくる。そんな、決して1人の脳ではたどり着けないようなことが可能になるのがコーチングです。コーチングで導いていく人生の変革は、昨日までの日々が壊れるほどの自己変革です。
認知科学に基づいたコーチング
そもそも「コーチング」という言葉自体、どういった意味を持つのか。
コーチングは、英語の「coach」という単語から来ていますが、「coach」の語源はハンガリー語のKocsi(馬車)です。馬車は乗客を目的地まで運ぶものなので、目標まで導いてくれる人のことを「coach」と呼ぶようになったと言われています。
「コーチ」とはクライアントが望む目的地(ゴール)まで導いていく人のことを表します。認知科学に基づくコーチング以外でもスポーツ、ビジネスなどさまざまな場所で「コーチング」という言葉が使われています。
そしてここ数年で「コーチング」という言葉自体も大きく広がったように感じます。これ自体はとても素晴らしいことですし、コーチがもっと増えたらより素敵な世界になるだろうなとも確信しています。ただ「コーチング」というのは一つのコミュニケーション技法の呼び名であり、どんな領域に焦点をあてたコーチングなのかは把握し、受けたり学んだりする必要があります。クライアントが望む目的地を「現状の脳内にある一時的な欲求」と捉えるコーチングもあるだろうし、「本人も理解できていない本音でやりたいこと」と捉えるコーチングももちろんあります。認知科学に基づくコーチングで実施するのは圧倒的後者です。なぜなら、それが最もパフォーマンスが生まれ、自然と生まれ変わり、変化の多いVUCA時代にフィットしない根性論からの脱却に直結するからです。自然とエネルギーが湧き続ける自分に生まれ変わり、本当にやりたいことをやるんです。
コーチングでは「内部モデルを書き換えて、行動変容を起こすこと」を重視しています。
なぜ内部モデルを書き換えることを重視しているのかというと、人は外の世界からの刺激を受けたら「内部モデル」で何かしらの処理をして「行動」を起こしているからです。
3(×2+40-4)= 42という数式があったときに、42という出力の数値を変えたい場合、あなたならどこを変えますか?
まずは、3という外部刺激を変えることで行動を変える方法があります。
リアルなシチュエーションで言うと「できるできる!」「頑張れ!」と励まして外部刺激を与えた場合、「励まされたら頑張る」という内部モデルがある人の場合に行動が変わるというのが、外部刺激を変えたことにより行動を変える例に当てはまります。
この方法でも行動は変わりますが、大きな問題があります。みなさんももう気付かれていると思いますが、この方法だとコーチが励まし続ける必要があり、励ましがなくなれば元の行動に戻ってしまいます。もしかしたら、こういった経験をされたことがある人もいるのではないでしょうか。(こういったコミュニケーションは現状もまともに行動できていない人にとっては価値がありますが、現状維持を強める傾向にあります。)
本来、コーチングが重視している内部モデルを変える方法です。認知科学では心で情報処理がされている、つまり何かしらの処理をしているプログラムがあるとしています。この内部モデル(情報処理)が書き換われば、自動的に行動(出力)が変わります。
しかも外部刺激を変化させる方法と違って、一度内部モデルが書き換われば、その先も自然に行動が変わり続けるのです。
このように行動を変えるには「内部モデル」を書き換えることが非常に重要です。そのため、認知科学に基づくコーチングでは「内部モデルを書き換えて、行動変容を起こすこと」を重視しているのです。そしてこの自然にエネルギーが出続けるような状態で在ることは、VUCA時代で変化の多いこれからの時代に適した状態だと確信しています。
コーチングにおける重要なキーワード5つ
コーチングを行なっていく上で、基礎的なキーワードを5つ紹介します。聞きなれない言葉だとは思いますが、コーチングの理解を進めていく上でとても大切な内容となりますので覚えておいてください。
①コンフォートゾーン
コンフォートゾーンとは「安心安全でいられる領域」のことです。簡単にいうと「いつもの自分でいられる領域」のことです。そしてコンフォートゾーンから外れたときに、いつもの自分に戻ろうとするエネルギーをホメオスタシスといいます。
身近な例でいうとサウナに入った時の体温の変化があります。通常の体温が36.5度の人が100度近いサウナに入った場合、徐々に体温は上昇し、その後自動的に汗を出して体温を36.5度に保とうとします。この場合、「体温 36.5度」が安心安全でいられるコンフォートゾーン(いつもの自分)であり、「汗を出す」という身体の働きがホメオスタシスです。これは全て意思とは関係なく、自動的に起きる現象なのでコントロールすることはできません。また寒い場所に行ったときは、鳥肌がたったり、身体を震わせて体温を保とうとしますが、これも同様にホメオスタシスの働きによるものです。この体温の例で分かるように、意思と関係なく働くホメオスタシスは非常に強力な力を持っています。そして、コンフォートゾーンから離れれば離れるほど強い力が働きます。
ホメオスタシスは心にも同じように働きます。寝坊をして遅刻しそうなときを例にすると、寝坊せずに起きている状態がコンフォートゾーン(いつもの自分)なので、寝坊をして起きた時間がコンフォートゾーンの外になっている場合、自動的にコンフォートゾーンに戻ろうとするエネルギーが働き、脈が上がったり、間に合わせることだけに集中するようなエネルギーが働きます。そして仮に間に合った場合、5分後にはもう元の自分として過ごしています。
そして、このコンフォートゾーンは内部モデルが無意識に作り出すものです。(内部モデル=心のコンフォートゾーンと理解して問題ないです。)
内部モデルが書き変わると、自動的に行動が変わります。そしてそれ以外にも変わることがあります。
②RASとスコトーマ
それがRASとスコトーマです。
この世界には膨大な量の情報が溢れていますが、それを全部インプットしてアウトプットするだけの容量は、とてもじゃないけど我々の脳にはありません。そのため、コンフォートゾーンに必要な情報だけを集めるような機能が我々の脳にはあります。
この情報収集機能をRAS(Reticular Activating System)といいます。これがいつもの自分を強める情報以外は取り入れようとしないため、自然とそれ以外が盲点になります。この心理的な盲点をスコトーマといいます。
このRASとスコトーマは今の話だと「現状を強め、盲点を生み出すもの」とネガティブに聞こえますが、認知科学に基づくコーチングではこの原理を利用し「自分が望む未来への情報への認知を強め、必要のない情報全てを盲点にする」という状態を作ります。
そのために、コーチングで欠かせないのがGOAL設定です。
③GOAL設定
GOAL設定をするとコンフォートゾーンがずれ、現状のコンフォートゾーンでは閃かなかったアイデアが閃いたり、見えていなかったことに対して情報処理が走るようになり、思考・行動が自然と生まれ変わります。目に飛び込んでくる情報も変わり、事実に対する解釈にも大きな変化が起こります。
そして、コンフォートゾーンがずれるような革新的なGOAL設定を実現するには3つポイントがあります。
①Have toではなく Want toであること
まず最初に伝えたいことは「Have to(しなければならない)」を手放そう、ということです。情報処理の観点から言うと、このHave toを抱えた状態というのはネガティブにホメオスタシスが働きやすく、自動的に、望むようなパフォーマンスがでない日々が続きます。
コンフォートゾーンをずらすためのGOAL設定は、自分が心の底からからやりたい、むしろ、やらないと欠乏感すらある「Want to」です。
②現状の外側であること
2つ目のポイントは、今の自分の脳内ではプロセスが見えない(思いつかない)ような現状の外側にGOALを設定することです。現状の自分のままで到達できる未来は現状です。なぜプロセスが思いつかないような現状の外側のGOALが人のパフォーマンスを最大限引き出す上で重要なのかというと、現状の内部モデルに変更がかからないからです。
忘れて欲しくないのは、コーチングは今の現実を変えるお手伝いではなく、クライアント自身が本当に心から望むGOALをクライアント自身の手で達成していくためのサポートです。昨日までの価値観で到達できる現状の延長線上のために、ご機嫌をとるコミュニケーションではありません。
本気でクライアントの可能性を信じて疑わないからこそ、クライアントとタッグで現状のクライアントの価値観と闘っているイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
③複数の領域でGOALを設定すること
より臨場感を強く持つためにはGOALは1つだけ設定するのではなく、何個もGOALを設定します。僕らの人生は仕事だけでなく、家族も人間関係も健康も全てが連動しているオールライフなので、一つの領域だけに設定するのではなく複数の領域で設定します。
コーチングでは、バランスホイールという仕事・趣味・人間関係・社会貢献・知性・家族・健康・ファイナンスの、8つの領域でそれぞれGOALを設定します。これは必ず埋めるという考えではなく、重要性の高いGOALに連動させるようにして考えます。例えば、仕事で挑戦したいことがある一方で家族はほったらかしだとどうでしょう?おそらく家族との関係が悪くなり、結局仕事に集中できない状態になり、セッション前よりもパフォーマンスが下がってしまうこともあり得る話です。「全ては連動している」これを忘れないようにしましょう。以下のようなバランスホイールを、そのまま全方位的に大きくしていくことが大切です。
④エフィカシー
設定したGOALを達成するために一番重要な要素が、このエフィカシーです。シンプルな言葉で説明するならば「根拠のない自信」のことです。自信が全てにおいてパフォーマンスの土台であり、目に見えないマインドのエネルギーの土台です。ここでいう根拠のないというのは、人に説明して納得してもらうような根拠はないが、自分的には過去生きてきた中でも発揮されてきたという自分を信じる自分だけの根拠はある、という感覚。超重要です。
「自分ならなんだかいけそうだ。」「いける気がする」この感じです。
エフィカシーが高い人の例を挙げると、職場で配置転換になった時に今までと全く違う部署なのになぜか自分ならやれそうと自信が湧いてきたり、やったことのない領域の事業なのになぜか自分ならやれる気が湧いてくるということが、エフィカシーが高い状態といえます。
エフィカシーが高い人ほど、自分が達成可能だと想像できるGOALが高くなり、それに比例してゴールの難易度も上がるため、考えられるGOALの高さも変わってきます。そしてエフィカシーが高いので自然と思考も行動も未来に向かいだし、今まで抑えていた可能性が発揮され、日々のパフォーマンスが別人のように上がります。そもそも、昨日と同じ今日を過ごそうと思っている人と、現状の外のGOALを本気で達成しようとしている人で、入ってくる情報や前進する速度、行動の質とボリューム全てが同じな訳がありません。
コーチングでも重要なのは、エフィカシーの高い領域を言語化することです。必要であれば、過去の棚卸しをしてハイパフォーマンスだったときに発揮してきた無意識を抽出します。なぜなら、自身ではそれが才能や能力だなんて気づいていないことが多いからです。自分は呼吸するようにやってきていることなので、それが才能や能力とは認知できていないことがほとんどです。
GOALを設定し、エフィカシーの高い領域で生きているGOALの状態を絶対に自分は達成できると信じて疑わないことが、コーチングにおいて二人三脚でつくる状態です。
⑤セルフトーク
セルフトークとは自分自身に語りかける自己対話のことを指し、その人自身のパフォーマンスを決定づけるものです。
人は声に出さずに頭に浮かべるだけの内省的なセルフトークを含めると、1日に30,000〜50,000回ほど無意識の中で自分自身へセルフトークを行なっています。結局、人に対して使う言葉はいつも自分に対しても言っているようなものなので、人生で最も長く言葉を交わす相手は自分自身だと言えます。そして何よりも先に、使う言葉から書き換えることが重要です。
言葉を書き換えることがなぜ重要なのかというと、言葉が脳内にイメージ(心象風景)を誘発し、そのイメージ(心象風景)が感情を動かし、感情による現象が脳に大きく影響を与えることにより、最終的に脳から無意識的に生み出される思考や行動が生まれるからです。
GOALを設定し、オールライフであらゆる領域の連動性を設定したあとは、その世界でもう生きてる自分として言葉を吐き続けることが重要です。
コーチングでGOAL設定したときの変化は全て情報空間での変化なので、それが思考や行動の変化として完全に移り変わるまでは個人差はあるものの必ずタイムラグがあります。
そのため、言葉や24時間の生活リズムからもハックすることで、元の自分に戻ってしまう「揺り戻し」を防ぎます。「コーチング前と同じ、むしろ前より人生進んでいる感覚が無くなってる...」という状態になっている人がいたら、間違いなくここのアプローチが足りないからです。
言葉から変え、GOALを達成する自分を定着させましょう。
まとめ
どんな人にコーチングはおすすめ?
現状も人や会社へ貢献はしているが何だか退屈、閃きが少ない、もっと自分にとって良い未来がある気がする、心からやりたいことに旗を立てて主体的に自分の人生をいきたい人にコーチングは心からおすすめしたいです。簡単にいうと、次のステージへ進むタイミングの人ですね。昇進、重要な役割を与えられた、独立、起業、「なぜ私に?」という大きな機会、家族を持ったとき、人生のあらゆる器を広がるタイミングでコーチをつけることで、自身にとって大きなリターンを得ることができる傾向があります。
逆にコーチングが機能しない人の特徴としては
・何かに打ち込んだ経験がない人
・そもそも現状の成果が上がらないことが悩みの人
・素直に対話することができないプライドが高い人
・精神状態、健康状態が安定していない人
があげられます。
ある程度目の前のことに必死で取り組んできた人、経験は結構積んできたなと感じる人、いろんなことができるようになった人は、自分が気づかないうちに、人生の軸となるリーダーシップを発揮してきている可能性が高いです。そう言った人は、迷わずコーチングを受けることをお勧めします。
私たちには生と死があり、生きているということは、死に向かっているということです。たった一度の人生、どうせ死に向かっているのであれば、自分が望む死に全力で向かっていきたい。そう考えています。
コーチングのGOALは、クライアントが自分自身のコーチになること。
他者評価に左右されない自分を表現し、やりたいことをやり、人や社会の役に立ち、何より自分自身が「生きてる」を心身で実感できる人生へ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?