血ガスをはじめからていねいに

最近、血ガスの話題を取り上げていますけど、
やっぱり、苦手意識が多そうですね。

まず、
血ガスって検査からわかる事をまとめてみましょう。
それは、
1)呼吸状態
2)酸塩基平衡ですね

1)に関しては、
PaO2>60、PaCO2<50

ってのが1つの指標になります。
呼吸の状態を大きく分けると
・酸素化の問題:PaO2>60
・換気の問題:PaCO2<50
です。

でも、実際には、
・呼吸仕事量の問題ってのがありますので、
これは、血ガスではわかりません。
患者さんのフィジカルを見なければいけないんです。

次に2)に関しては、
まず、今の状態を考えるのがpH
アシデミアなのかアルカレミアなのか?って話です。
アシドーシスやアルカローシスっていうのは、
その状態を作り出す『力』みたいなものです。

なので、
アシデミアで、代謝性のアシドーシスの中に、
呼吸性のアシドーシスが合併していたり、
代謝性のアルカローシスが合併していたりします。

代謝の反応を、呼吸で補おうとする(逆もまたしかり)事を、
代償って言います。

ですから、
酸塩基の評価をするときは、
今の状態が何なのか?(アシデミアかアルカレミア)
それを作り出してる力は何か?(〇〇ーシス)
何で補おうとしているのか?(代償機構)
そして、その補いは適正なのか?(代償の適正)
を見ていきます。

それを何とかく分かれば、

呼吸状態を少し掘り下げて考えたり、
酸塩基平衡を少し掘り下げて考えます。

呼吸状態を少し掘り下げて考える手段の1つが、
A-aDO2です。

A-aDO2ってのは、『肺胞気の酸素分圧』です。
普段は、動脈血酸素分圧つまりPaO2をよく酸素化の評価として使うと思います。

でも、
1歩踏み込んで考えて欲しいのが、
呼吸生理を振り返りましょう

呼吸ってのは、
脳で呼吸を行うって命令が出され、
それが脊髄を通り、
呼吸筋に作用し、
その結果、横隔膜、胸郭を拡張させ、
胸腔内を陰圧にした結果、

気道を通り空気が肺に到達して、
肺でガス交換をされます。

PaO2は、肺で酸素化された結果です。
では、A-aDO2は?というと、
肺胞にまで入り込んだ空気の中に、
どんだけ、酸素が含まれているのか?

って事です。
では、
A-aDO2とPaO2の差が少ない時は何を考えるのか?
そんな時は、肺胞まで来た酸素分圧≒動脈血酸素分圧なので、
肺自体のガス交換は問題ありません。
では、この時の問題は?

肺胞まで、酸素が入った空気が来ていない
ってのが問題です(肺胞低換気)
※ 他にもPaCO2が高いよ!

呼吸生理で考えると、
脳から始まる中枢神経の刺激や
呼吸筋(肋間筋・胸鎖乳突筋・横隔膜)
気道の狭窄

などが問題に上げられます。

では、逆に
A-aDO2の差が開大している時は??

それは、
肺胞まではきちんと、酸素が届いてるけど、
動脈血へ酸素が届いていない=肺の問題
となります。
原因は?
肺胞の中が水や痰で詰まっている、
間質が炎症を起こしている
シャント

などがあげられます。

つまり、
A-aDO2を計算することで、
今の呼吸状態の問題点が見えてくるって事です。

代謝、酸塩基の話は、、、
今度ねw

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