2024/06/12(水)
富士フイルムから新製品が発表されても、喉から手が出るほど欲しいと思わなくなった。今撮りたい風景なら、今持っているカメラで十分だから。ラージフォーマットでより綺麗に残したい欲はあるが、大きなカメラは住宅地では威圧感が凄まじい。住民を不安にさせるようなことはしたくない。もし家の近所で望遠レンズを構えている人がいたら、普通の人なら気持ち悪く思うだろうし、子どもの親なら学校に連絡して不審者情報として共有される可能性も十分ある。そんなことを考えていたら、人里離れた山奥で三脚を構えて風景を撮る生活に憧れるようになった。
ちょうど今読んでいる本が、十勝あたりに移住した家族の物語だったこともあるだろう。中学校の全校生徒が10人くらいの環境で育ってきた子どもたちは、町に白くて大きなレンズを付けた見慣れない人が現れたらどう感じるだろう。知らない人に会えたことは驚きより喜びの方が大きいかもしれないし、こんな場所に知らない人が来る理由なんてないと恐怖に怯えるかもしれない。
東京で街を撮っていると、訪日観光客がカメラを構える光景に慣れている人が多そうだと感じた。ボクが人混みでカメラを構えていても、『またか』というような呆れているような気配はあったけど嫌悪感はなかった。ボクの存在感が薄すぎて、電柱に貼られた等身大ポスターくらいに思われていたかもしれないが。ただ、人通りが少なくなってくると、やはり正面から来る人に対してカメラを向けることはなかなかできなかった。そうまでして撮りたいと思える風景じゃなかったからで、東京まで来て東京らしさを微塵も感じない写真を撮っている自分がおかしかった。
どれもボクじゃなきゃ撮らないような写真ばかり。写真展、SNSなどで簡単に見せたくない写真が増えると、写真で承認欲求を満たせなくなるが、ボクはそれでいいと思っている。noteで書く日記のリアクションもほとんどない。月500円払ってマガジンをつくり、何のために売れないnoteを書いてるんだろうと虚しくなることもあった。でも、今はそれを乗り越えて、書かなきゃ生活が物足りないと感じるようになった。昨日より前に何を書いたか覚えていない。それがまた良いなと思う。
写真や旅のことだけじゃなく、今ボクが気になっていることをnoteに書いています!読んでいただきありがとうございます!