超短編小説「口の悪い猫達5」

薄暗い、、酷いニオイだ、、もはや文句しか出てこない。
5匹の猫がイカダに乗って地下水路を進むのは何ともいえない絵だ。
ドブネズミたちがビビっている、、まさか猫達がこんな汚いところにまで来るとは思って無かったのだ。

あぁ、俺たちもついに終わりなのか…

多分こんな感じだったのだろうが、今の5匹にとってネズミなんてどうでも良かった。

もう1時間は進んだだろうか?
暗いので今が昼なのか夜なのかなんて分からない。
そんな事を考えていると遠くの方に明かりが見えてきた。
やっと海に出れそうだ。

出たところはいつも遊びに行ってる海の河口付近だった。
5匹の顔からようやく緊張が解けた。
ピートなんて普段は優しい顔立ちなのに緊張のしすぎで顔がシワだらけになり猛犬のような表情をしていた。
写真に撮って飾っておきたいくらいだ。

やがてピートの言っていた島が見えてきた。
人間の作った物や文化が全く無い。本当に無人島だ。
でも猫はあちこちに居るのが遠くからでもわかるくらいだ。
不思議そうにこちらを見ているやつもいた。
彼らは島から出たことが無いのだろうか?外の世界を知らないのだろうか?

独自の文化があるのか?この猫達を束ねる指導者的なヤツがいるのか?
そんなことは誰も知らないというのにチャコールがうるさい。
こいつは未知なモノや体験が来るといつもこうだ。
落ち着きなさいよ!とメリーに叱られる。
やがて砂浜が見えてきた。
砂漠の砂のような色ではなく真っ白だ。
とりあえずイカダを砂浜に停めることにした。
他に停めれるような所が無いのだ。

5匹でとりあえずこれからどうするか考えてるうちに向こうの茂みから1匹の猫がやってきたのだった。

つづく

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