超短編小説 「口の悪い猫達1」

またお前か!このドラ猫め!

ブルドッグみたいな顔した魚屋の親父が大声で吠える。

今日も魚を盗もうとしてるところを見つかってしまったのだ。もちろん首根っこを掴まれて蹴り飛ばされた。
今日日の動物愛護団体が見たら大問題である。

ドラ猫ドラ猫と言われているが俺の名前はブラウンシュガーっていう名前だ。
名前の通り三温糖みたいな色をしたごく普通の野良猫だ。

背中に靴跡を付けてトボトボいつもの溜まり場に戻ると俺以外のみんなは1匹ずつ魚を咥えていた。

なんでアンタはアタイらみたいに釣り人の横でお利口さんのフリして待てないのよ?

雌猫のメリーが呆れ顔で言ってきた。

俺はお前らみたいに知らない誰かに媚びて魚を貰うなんて真似できねえよ。

台詞だけは1丁前だが魚にもありつけず背中にお釣りを貰ってるようじゃ説得力なんて無いただの強がりだ。

アンタにはホント呆れるわ。

なんて言いつつ魚をくれるメリーはいつも優しい。
羊みたいな名前だが偶然にも白猫だ。

今度あのブルドッグ野郎からでっかい鯛盗ってきてやるから楽しみにしてな!

また1丁前な事を口走る。

ドッグフードでも持って行って気を引けば?

メリーもなかなかの毒舌だ。

つづくと思う。

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