超短編小説「口の悪い猫達4」

これまでの登場猫物
ブラウンシュガー(多分主人公)
メリー(みんなのオカン的なポジション)
ピート(色も性格も変わってる)
チャコール(ピートの事をライバル視している)
スパイダー(メリーの事が好きだがかなり鈍感)

やっと同じ住処で過ごす仲間?をみんな紹介できた。
とまぁ、こんな個性的な5匹で変わらない毎日を過ごしている。
今日も俺は魚屋のブルドッグに追いかけ回され、メリーはみんなの食べ物を採り、ピートは海で泳ぐ。
それを見てるチャコールは泳げるピートが羨ましいのかムスッとした顔をしてるし、スパイダーは綺麗な花を摘んできたというのにまた断られたらどうしようと考えてるうちに勇気が無くなりメリーにお花を渡せずしどろもどろ。

ある日ピートが言い出した。

みんなで旅に出ないか?

なんでも、ある日泳いでいたらいつの間にか島に着いていたらしくそこは人間が存在せず猫だけが暮らしていたらしい。住んでる猫と話したから間違いないと。

でも泳げるのはお前だけで俺達は行けないじゃないか

チャコールが突っかかる。

みんなでイカダを作って島まで行こう!

俺は割と乗り気で提案した。

俺たちの住処は人間が工事で使う資材置き場らしく丁度いい大きさの丸太が何本か転がっていた。
これを紐でつなげて…スパイダーが紐で縛りだした。
スパイダーは摘んだ花でレースを作ったりと手先が器用なのだ。誰でも1つくらい特技はあるもんだ。

あっという間にイカダが出来た。
問題はどうやってこのイカダを海まで流すかだ。
近くに割と大きなドブ川があるがいつも魚を採りに行ってる海に繋がってるとは限らない。
ピートに泳いで見てきてくれと言いたいところだが、流石にこんなに汚いドブ川に入ってくれなんてとても言えない。

しばらく考えた後出した決断は、やはりこのドブ川を使うしか方法はなかった。
5匹はイカダに乗り込みドブ川を進む事にした。

つづく

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