超短編小説「口の悪い猫達2」

これまでの登場猫物
ブラウンシュガー(多分主人公)
メリー(みんなのオカン的な猫)

また雨か、、これだから梅雨の時期は嫌いなんだ。

ブラウンシュガーが土管の中で寝そべりながら言う。

猫って水が嫌いなんだろ?なんでアイツだけ泥んこになって遊んでんだ?

仲間の中にピートという黄色い猫がいる。
猫が水を嫌うのは人間界でも有名な話だというのにピートは変わり猫でコイツだけが水が大好きで毎年梅雨の時期を楽しみにしているのだ。

黄色い猫なんてそもそも見たことがない。
どんな黄色なのか例えるならマスタード色である。
それだけでも珍しいというのに水が好きなんてきっとピートはアヒルと猫のハーフなのかもしれない。

ピートはかなり使えるヤツで水が得意な分、海に素潜りをして魚を捕るのも得意だ。
なのでコイツと仲良くしておくのはかなりメリットがある。いつも魚を分けてくれるからだ。

だが、もちろん仲間の中には合わない猫だっている。 
そもそもピートは変わり猫なので彼を嫌ってる猫が多いのも事実だ。
みんなが苦手な水が好きなので羨ましがられ嫌味を言われたり、嫉妬されたり、アヒルじゃないかと言われたりまぁそんなとこだ。

でも彼は自分がみんなと違う事を全然気にしていないし逆に優越感を感じてるようにも見えないから不思議だ。
マイペースなのだが憎めないヤツと言ったとこか。

そういうやつは幸せ者だし嫌な事、不平不満を言うヤツの100倍は一緒に居て気持ちがいい。
だから俺はピートと一緒にいる事が多い。

つづく

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