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イスタンブール旅行記②~五ツ星ホテル編~

何とかイスタンブールカードにお金をチャージし、ホテル付近に向かうバスを探す。

イスタンブール空港は新しい空港のため電車などの交通網が開発途中であり、バスが主な移動手段となる。そのためバスの路線が20ほどでとても多い。バスの前に行き先が書かれているがトルコ語など当然読めず、雰囲気だけで目的地にいくバスを探す。

観光ガイドには終点直行のバスのようにかかれていたが、実際は違うようで細かく停まるようだ。ただ、終点にいけば近いだろうと思っていたので、終点にいくと運転手に伝えキャリーバッグを預け、札をもらった。行き先ごとに札の色が違い、それで判別しているらしい。

バスに乗り込み、空港を出る。イスタンブール市街までは40分ほどらしい。

途中の景色が絶景だったが、バスの窓が網掛けのようになっており、めちゃくちゃ見辛く、写真もとれず、なんでバスの窓そうしたん?と憤りを覚える。これを読んでいる方にはぜひ自分の目で確認していただきたい。

予定より早く20~30分ほどでバスは市街地に到着した。

終点はスルタンアフメトという地区でイスタンブール屈指の観光地区だ。そこからトラムに乗り一駅のところに今回の旅で泊まる宿がある。

バスから降りるといきなり日本語で話しかけられた。

トルコは親日国家であり、会話好きな人たちがたくさんいるらしいというのは聞いていた。そして、日本語を巧みに操り、気を許させ自分の店に引き連れ、そこでぼったくりをするというのも有名な話であった。

結局、その人はただ日本が好きな良い人であったが、「本当に居るんだー」と思った。居るには居てもこんなにすぐ出会うとは思わなかった。日本という日常から離れるために非日常イスタンブールに来ているのに、日常で使用する日本語で会話するのは少し変な気分だった。

トラムで宿にむかおうとするが、イスタンブールカードの残高が足りなかったので、チャージしようとすると、小銭は入れられず、入れた札の金額がそのままチャージされてしまうようだった。

その時、私は大きいお札しか持っていなかったため、どこかで細かく崩せるところはないかとうろうろしていた。すると、また日本語で話しかけられた。「なにか困ってるの?」と聞かれ、困っている内容を言うとキオスクについて教えてくれた。

キオスクは路上の売店で日本だとコンビニに近い。そこなら気楽にお金を崩せるらしい。

「今度はどこに泊まるの?」と聞かれ、泊まる場所を答えると「そこなら、トラム使う必要もないよ!ここをいけばすぐだよ」と教えてくれて、また良い人と出会ったなと思っていると「そこにいく途中に僕の兄が経営しているチャイ屋があるんだけど一杯おごるから行かない?」と言われた。

「こいつぼったくりだ。」

瞬時に察した。常套句だった。

親切にしてもらった手前、断りづらさはあったが急いでると言い、何とか引き込まれずにすんだ。

ホテルに到着し、チェックインを済ませ、部屋に向かう。ここまで20時間、他にも色々あって疲れも溜まっている。

部屋に入り、少し休もうとした。その前に持ち物を確認すると……パスポートがない。

ただでさえあまり時間がないのに、パスポートなくしで地味に遠くにあるイスタンブールの日本国領事館に行ってる時間何て作りたくないし、普通にめんどくさい。

記憶をたどってみる。最後にパスポートだしたのはチェックイン時にバウチャー確認で出した時だな…てことは落としてるとしてもこのホテルの中にあるな…だったらフロントから部屋までの道を探せばあるな…

探してみる。

……ない。

…そういえばバウチャー確認の時、プリンターでコピーしてたな…。

……そのプリンターに挟まったままじゃね!?

急いでフロントに駆け出す。パスポートがない旨を伝えプリンターを確認してもらうと…、

…あった。プリンターに挟まっていた。

フロントのお姉さんはsorry,sorryといい、私は大丈夫ですよと言わんばかりに笑いながらその場を立ち去ったが、内心は「こっちはなくしたら帰れねーんだよ、笑ってんじゃねー」と穏やかではなかった。

「なんか疲れたな…」
部屋に戻り、呟く。
20時間の移動にコロナウイルスの問題、さらに先程のパスポート紛失未遂で肉体的にも精神的にもすり減っていた。

しかし、時刻はまだ15時を過ぎた辺りで部屋に籠るには早すぎる。
ただ、どこか目的地を決めてそこに行くという気力もなかったので、散歩をすることにした。
散歩であれば気楽だし、トルコの街の雰囲気を知るためにホテルの周りを散策することにした。

泊まった宿は旧市街と新市街の境目で各観光地にもアクセスしやすいスィルケジというところにあった。スィルケジは観光客はもちろん、大きな駅があり、トルコ人の生活・労働の拠点にもなっているようで、(イスタンブールどこでもそうだが、)常に人で溢れ帰っていた。

ホテルの周りには電化製品が売っているところやレストラン、カフェなどが種々雑多に存在しており、こじんまりした秋葉原のような印象を受けた。

スィルケジから金角湾に沿ってガラタ橋の方へ向かうと、モスクと広場があった。イェニ・ジャーミィと言うらしい。初めて見るモスクは大規模修復工事中でおおよその形しか確認できなかった。

散歩の途中。なんだこの写真。

残念に思いながらも近くにはエジプシャンバザールという市場があったので少し覗いてみることにした。

イスタンブールの市場といえばグランドバザールが有名でよく観光されているが、あまりいいイメージがない。なので、警戒しながらバザール内を進んでいく。

すごいスパイスの数だな。
いろんな店舗が密集して同じ(に見える)スパイスを売ってるけど、どういった違いがあるんだろう?地元の人たちの判断基準はなんなんだろう?まあ、実際同じなのかな。だから売ってる人たちは目をギラつかせて死に物狂いで通行人に声かけて売ろうとしてるんだろうな。

バザールを出る。やっぱりちょっと雰囲気が怖かった。

ある程度周りを散策したが、まだ日が沈む気配はない。まあ街の雰囲気は知れたし、宿に戻るか。

夕飯はどうしようかな。軽く済ませればいいか。どうやらトルコのバーガーキングにはキョフテバーガーというトルコのハンバーグを挟んだバーガーがあるらしい。それを食べよう。幸いバーガーキングは宿の近くにあり、買って帰ることにした。

英語は通じなかったが、無事キョフテバーガーを買うことに成功し、宿に帰っていた食べる。
「普通のハンバーガーと変わらないな。」
まあ、セット込みで300円くらいだしいいか。トルコでの初のご飯はジャンキーだったが、郷土臭の全くしない淡白な食事だった。

続く