少し思い出したこと

地震が起きた。元旦が自然には無関係なこと。いつ何が起きてもおかしくはなく、常に生かされてる身だということをひしひしと思い出す。今は色んな地震のニュースが自然に入ってきてしまうし、スマホから取り入れたくなると思う。少しだけでも休まりますように。

20歳の頃、東日本大震災が起きた。仕事中だった。揺れ始め、あまりの大きさに「逃げたほうがいいよ。」と上司に言われてから外へ出る。今なら一目散に逃げ出すだろうけれど、あの頃は無知な故、怖さが分からなかった。その後は津波がきて、原発の爆発。家に海沿いの親戚や知り合いや全く知らない人まで集まる。沢山集まって、大家族のように暮らすことになった。ストレスから体に発疹が出来た。お風呂に入れたのはいつだったろう。少ないお湯を大切にして皆で入った。ガソリンを入れるためにスタンドへ並んで、結局入れられたのは何時間後だったろう。並んでいたのに抜かされて、後ろの人に抜かされたことについて怒鳴られた。あの日々。

あまり料理をしたことのなかった私だけれど、自然と料理担当になった。ほうれん草を切ってから入れようとした私に、「茹でてから切ろう。」と教えてくれた女の人は誰だったのか、思い出せない。生活は続いていく。震災があっても容赦なく生活は続く。あの頃、赤ちゃんを連れていたお母さんにまずオムツやミルクを買うべきだった。後悔している。生活は続く。今年、東電から追加の賠償金を貰った。生活は続く。今、ガソリンを半分切ると不安になるようになった。私は生きている。

東日本大震災が起きた時、不思議なくらいもっとみんな落ち着いていた。それは本当に良くなかった。その先に何が起きるかを誰も知らなかった。地震に慣れていた。自分は明日も生き延びると考えていた。だから今回のNHKアナウンサーの声は良かった。本当に。

体は普通なんだけど、心がとても疲れてそれに気付かなくなります。目を閉じてください。大丈夫ですか。どうかご無事で。

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