白昼夢ばかり

夜が怖い。色々考えすぎちゃうんだ。君が死んだらどうしようって不安になったり、あの子の夢をみて二度と会えないんだって悲しくなる。会いたい。悲しいよ。嘘みたいに足の先から真っ黒に溶けていく。夜は人間が寝る時間だから。本当は寝ているはずの時間に起きているなんて、夜に連れて行かれるに決まっている。幻を見せて、泣きたくなる前に目を閉じさせるんだ。

最近はもう忙しくて、私の形をした透明の皮を着ている気分だ。子宮の検査をするために病院へ行きたかったけれど、そんな時間もない。平日は世の中の動きに合わせてやっと休日だと思ったら、休日もまた周りに合わせる。心が重い。一人になりたい。一人っきりに。それか、知らない誰かと過ごしてみたい。ほとんど変わらないことだ。

知らない誰かと、知らない場所に行って、この世に二人きりみたいな気持ちで酒を飲もう。君の好きなものを教えてもらって、私の好きなものを教える。それだけでいいのに。そしてその子と離れちゃってまた苦しくなって。人生はそんなことの繰り返しかもしれない。

手に入れて、手放して。
手に入れて、手放して。
取り戻して、手放して。
手に入れて、手放して。

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