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副業禁止の会社に勤める私が、初めて副業をした時に失敗したこと。

 これは、私が副業禁止の企業に勤めながら葛藤していた内容になります。「会社なんか気にせずうまくやれよ!」とか「本気でやりたいことがあるなら転職しろ!」という意見もあるとは思いますが、家庭を持ち、今の職場に大きな不満もない状態でそこまでの覚悟が出来ない私の正直な話になります。守るものがある状態で「リスクを負いたくない。」と考える方々の参考に少しでもなれば幸いです。

副業開始!

 私が「副業」に興味を持ったのは今から5年前になります。しかし、勤めている企業は副業禁止!副業の為に転職をする程、メリットを感じなかったためやむを得ず断念。と、一度は諦めたものの、その1年後にチャンスが来ました。知人から「動画編集を手伝って欲しい。ボリューム的にも無料で依頼するのは申し訳ないのでお金は支払う。」という話がありそれを引き受けることにしました。

 編集作業を終えて納品し、約束通り報酬を受け取ったときに今までにない感覚がありました。これまで「給料」として貰ったお金とは違い、金額の大小では関係無く「私個人に対して支払われた。」という事がうれしく感じました。個人で稼ぐことを初めて体験したことが私の中で「副業」に対する考え方が変わった瞬間でした。

初めての依頼が終わっても残る不安。

 一方で、もう一つ変化がありました。副業が禁止されている為、そのルールを破ってしまった罪悪感があったのです。正直これが副業を進める上で一番引っかかってしまい、「もし会社にバレたらどうしよう」という不安からそれ以降は積極的に行動が出来なくなってしまいました。消極的な行動では当然結果にはつながらず、だんだんと「副業は向いていないのかな?」と考えるようになってしまいました。そんな中、再度知人から依頼を受け、会社への罪悪感から「お金さえもらわなければ副業にはならない」と、意味の分からない思考になり、無給で編集依頼を受けることにしました。

 前回同様に作業を終えて納品をした際に「やっぱり作業分のお金は支払うよ。」と言ってくれたのですが、私は断固として受け取らず、「何かごめんね。」とせっかく仕事をくれた知人に謝罪までさせてしまいました。それ以降、今でも連絡は取り合っていますが、知人から仕事の依頼が来ることは2度とありませんでした。この要因は2つあると考えており、1つは単純に「知り合いにタダ働きをさせるのは申し訳ない。」という気持ち。そしておそらく一番の要因はもう一つ「1回目よりも2回目の仕事の質が落ちた。」ことだと思います。私自身、2回目は作業内容も把握しており、前回と同じような内容の為効率も良かったと感じましたが、会社に対する罪悪感と同時に「タダで作業をやっている。」という邪念が入っていました。結局「これぐらいで良いかな。」と妥協する気持ちが出てきてしまうと細かいところで妥協が多くなったと思います。

 知人から依頼が来無くなったことでそれにようやく気が付き、正々堂々と邪念を捨てて取り組みたいと考え、その為には勤め先の会社を変えたいと考えるようになりました。

仕事の依頼者が望んでいることとは?

 日本ではどうしても「稼ぐ」「お金を貰う」という言葉に嫌悪感を抱く風潮がありますが、やはり同じ作業で、本来であればクオリティーを上げることが出来る2回目であっても、作業内容に見合った正当な「お金」を貰うことで集中も出来て、その仕事に責任を感じることが出来ます。一方で「無料」にすることで「タダでやっているんだからこれぐらいは仕方ない。」と自分で妥協点を見つけてしまいがちです。

 依頼主が望んでいることは「値引き」では無くて「成果」です。同じような作業でも無料で引き受けた瞬間それは「趣味」の領域を出ないものになってしまいます。たとえ副業であってもそれを「仕事」として請け負うのであれば本業との差をつけてはいけないと考えています。例えば、あなたが誰かに仕事を頼んだ時に「私にとっては副業なんでここまでしか出来ないですぅ。」と言われたらもう頼みたくないでしょう。さすがにこんなことを言う人はいないと思いますが、直接口で言わなくとも態度や成果物にその「差」は見えてくるものです。私のことを反面教師にしていただいて皆様が仕事の依頼を受ける際は是非「正当な報酬」を胸を張って受け取り、その報酬に見合うだけの質の高い仕事でお返しをして下さい。


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