祈るということ

本年もよろしくお願い致します。

明日は「小寒」。

いわゆる「寒の入り（かんのいり）」

明日は毎朝の６時の鐘を撞いた後、水行をし星祭特別祈祷の読み上げを開始します。

大慶寺では「寒の入り」から「寒の明け＝節分」まので寒中、通常のお勤めに加え、「星祭特別祈祷」として、日天子をお祀りする三光堂にて、毎日お経を読み、木剣祈祷をして祈願し続けます。毎朝ご祈祷をしです。


つまりは集中的にイノリスト＝祈る人になります。

▷「祈る」ということ

我々人間は「祈る」ということを大昔から行って来ました。

例えば

あなたは、飛行機に乗っています。

機内のトラブルで
高度が徐々に落ちていき
このままだと、墜落をしてしまいます。

この時、あなたは何をしますか？

様々なか答えがあろうかと思いますが。
そのひとつに
ただただ祈る
と言うこともあるのではないでしょうか。

日々の出来事や、大自然の前で、
自分自身の力ではどうしようもないことに
いかに立ち向かっていくか？

その手段として、人間が自ずから行って来た行為であり、地域の差異なく世界各地で、自然発生的に行われ続けてきた行為であります。

だけど、ちょっと考えてみて

もし「祈り」ということが昔から行われていて
いくら祈っても効果がなければ
人は祈りをやめていたんだとおもいます。

しかしながら、いくら祈っても

効果がなければ人は祈りを辞めていたんだと思います。

しかしながら、今も人間は祈り続ける

それは

人間が祈りの効果を自然に感じていたからなのではないでしょうか？

▷祈りについての研究

さてそんな「祈る」という行為について近年様々な研究がされています。

そして祈りの効果が科学的に解明されてきています。

「スピンドリフト」という研究グループによると

①『祈り』は実現する
②対象者が苦しい時ほど祈りの効果がある
③祈りの量は祈りの効果と比例する
④対象を明確にした祈りが効果的
⑤祈りの対象の数が増えても効果は減らない
⑥祈りの経験の長い人ほど祈りの効果が大きい
⑦無指示的な祈りは指示的な祈りより効果が大きい

という効果が発表されています。

しかしながら、これらは統計なので科学的に祈りのメカニズムが証明されたわけではありません。

では効果がないのか？

というとそうでもなく

祈りがどのように働くのかは不明
けど
働かないわけではない

という風に捉えておくと良いんじゃないかと思います。

もちろん祈っても効果が出ない場合もありますよね

例えば
お金持ちになりたい！
不老不死になりたい！
身長がもう少し高くなりたい！

みたいな欲望にまみれた、祈りは叶うわけはないですね。
勉強もろくにしてないのに、テストで１００点取れますようにみたいなのとかね。

なので
「祈りがかなう」というのは
「考えられる可能性の中で最適解をだす」

と理解するのが健全かなと思います。

つまり我々は大昔から祈りを続けていた

祈りには効果はあるが、
いくら祈っても効果がない場合もある

けど我々は、祈る事をやめなかった

何故か

それはもっと大きな効用があると気づいていたからではないでしょうか？

▷祈る側の効果

「祈りの効果」というと、一般的には祈る相手に対して効果があるかということに焦点があたります。

しかしながら祈る側にも効果があると近年わかってきました。

これは脳科学の分野で
「祈る」という行為は「祈る側」に多幸感をもたらすということがわかってきました。

これは、祈るひとにオキシトシンという幸せホルモンが分泌されるらしいのです。
オキシトシンは脳を活性化する愛情ホルモンで、大切な誰かを思うとき、心がその人へ愛情に溢れる時に分泌されます。

つまり大切な誰かのために祈ることが、自分の幸せをも生み出すということ

とはいえ祈りにも様々な祈りがありますね。

例えば
・世界が平和でありますように（ポジ/他者）
・仕事がうまく息ますように（ポジ/自己）
・あいつが失敗すればいいのに（ネガ/他者）
・いっそのこと死にたい（ネガ/自己）

わかりやすくポジティブかネガティブか、他者か自己かで分類してみます。
先ほどの前述のように「大切な誰か（＝他者）のため」に祈ることでオキシトシンが分泌され、祈る側にも幸せを生み出すことになりますね。


注意しないといけないのは、他者への祈りにも
ポジティブとネガティブな祈りがあり

ネガティブな祈りは、脳に大きなストレスがかかります
（ミラーニューロン/コルチゾール分泌）

だからこそ
大切な誰かのために祈る利他的な祈りが大切なんですね。


自分が恨んでいたり憎んでいる人がいたとしても
その人の幸せを祈れたり、その人も含め「すべてがいい方向に進むように」
と祈ると自分にも幸運が訪れるのかもしれませんね

「祈る」ということを大切にしてください。

大切な人のためにも
自分のためにも