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ゆいにしおの『mid-20s的生活』- #8 mid-20sとアラサーの恩返し -

テレビをつけてぼんやりと洗濯物をたたんでいると、聴き覚えのある曲にふと手が止まった。

これ、なんだっけ?
あ、YUIさんの「GLORIA」だ。

それが流れていたのは、転職エージェントのCM。
でも、この曲をよく聴いていたのは、
中学生とか高校生くらいに流れていた、某通信教育講座のCMだった気がする。

そこから私は「これは同世代がCMを作るのに携わっているんだ……!」と、
勝手に脳内でストーリーが進んだ。
YUIさんの「GLORIA」に励まされていた受験期。
就職後何年か経験を積み、CMを作る立場になる。テーマは「転職を考える大人」。
曲は何がいいだろうか。
転職を考える大人になったわたしたちに染みついている曲、それは受験時代に聴く曲だ。
「よし、YUIのGLORIAにしよう!」といったところだろうか。(おそらく的外れ。)

アラサー世代が、学生時代にお世話になったものに対してなにかアクションを起こすこと。
私はこれを「アラサーの恩返し」とよぶことにした。


これはアラサーの恩返し現象では!?と思ったことは、この間もあった。
「大学生の時に着てたブランドにまたハマってるんだよね〜」と話す友人。
もちろん何を着たって自由だけど、
アラサーにとって大学生向けのブランドはもうあまりマッチしないのでは……?
おそるおそるブランドのインスタやホームページを覗いてみると、
たしかにアラサーでも気兼ねなく着られるデザインがラインナップされていた。
しかも、価格はほとんど大学生の頃のまま。お財布にも優しい。

mid-20sが大学生の時着ていたブランドが、どんどんアラサーにも着やすいデザインになっていること。
これも、大学時代そのブランドを着たり、店舗でバイトしていたりした彼女たちが、アラサーとなった今、
我々のライフスタイルに寄り添う服を展開してくれているのでは?
というアラサーの恩返しストーリーなのではないだろうか。
これもまた妄想の範囲に過ぎないけど……。

ある程度裁量を持ちはじめて、学生の頃憧れの存在だったものに携われる。
仕事をしていてよかった、と思う瞬間のうちの一つ。

わたしも、学生のときのわたしと手を取り合って、アラサーの恩返しを音楽でしていきたいな。

※OKMusicで連載

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