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ライブと音響外傷とイヤープラグ(音楽用耳栓)

お世話になります。夜風悠衣音です。

先日行われた 283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE「我儘なまま」 Day2 に現地参加したら、聴こえがおかしくなってしまいました。ライブの爆音で耳が疲れることはよくあると思いますが、そこに潜むリスクと対処法を把握したいと思い、本記事を執筆します。

なお、ライブ自体はめちゃくちゃ良かったです。感想はアーカイブを観ながらまとめるかもしれません……


音響外傷とは

原理

その他、音楽関係でいうとコンサート難聴とかディスコ難聴、あるいはロック難聴というのがあります。 これらを急性音響性外傷といいます。原因となる音の大きさの上限は130dB SPLでそれはジェット機の爆音のレベルです。急性音響性外傷では、音の大きさ、音を聞いた時間、個人差やその時の体調によっても、聴覚が障害される程度が変わってきます。したがって例えば同じコンサートを聴いていても、全員が難聴を発症するわけではありませんし、同じ人が以前は大丈夫であった音量で聞いたとしても、コンディションによって難聴を発症したり、何事もなかったりすることもあるわけです。

音響性聴覚障害(音響外傷) | あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院 より

人間が音を聞く経路は、以下のようになっています。

人間の耳の構造
人間の耳の構造

空気の粗密波である音は外耳で集められた後、中耳で振動に変換されます。その振動を内耳の有毛細胞が電気信号に変換し、神経を通って脳に入力され、音として認知されます。

音響外傷でダメージを受ける部位は、有毛細胞です。有毛細胞はものすごい大きい音を受けたり、ある程度大きな音を受け続けることで傷ついていきます。

コンサートでは会場全体にしっかりと音を届けるため、凄まじい音圧レベルとなります。上記サイトに書かれている最大130dbというのは、ジェット機の間近くらいのレベルです。

ちなみにカラオケは90db程度と言われています。dbは対数ですので、90dbと120dbのエネルギーの差は約1000倍です。パ、パワーが違いすぎる!

症状

Q3.急性音響外傷とはどんな病気ですか?
強大な音にさらされることによっておこる難聴で、内耳の障害によるものです。ライブなどで大きな音を聞いた直後から、耳のふさがったような感じや、難聴、耳鳴りがするといった症状が出ます。短時間で治ることもありますが、翌朝になっても消えないこともあります。

音響外傷 | 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より

上記サイトでは耳のつまり、難聴、耳鳴りなどが挙げられています。私は高音域がよくわからなくなる(シンバルやアコギが何やってるかわからなくなる)ケースが多いです。難聴の一種でしょうか。

先日の我儘なままDay2では、「声色が明るめのボーカルがピッチを上げた(ヘリウムガスを吸った)みたいに聴こえる」という謎症状が発生しました。激熱パフォーマンスでテンションがブチ上がっていたので当時はあまり気にしていませんでしたが、歌唱を万全の状態で受け止められていなかったと思うと、若干の後悔があります。
七草にちか「フェアリー・ガール」(15/33曲目)あたりから自覚症状があったので、半分以上耳がお壊れになっていたらしい……

危険性

しかし、自動車の騒音程度である85dB(デシベル)以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷つき、壊れてしまいます。有毛細胞が壊れると、音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。

ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)について | e-ヘルスネット(厚生労働省)より

一旦壊れてしまった有毛細胞は、元には戻りません。

有毛細胞 | e-ヘルスネット(厚生労働省) より

突発性の音響外傷は、安静にしていれば治ることが多いです。しかし、音量や時間に応じて、有毛細胞へのダメージは蓄積していきます。そしてある段階で有毛細胞が破壊されてしまい、回復が困難な状態となるおそれがあります。

ミュージシャンが突発性難聴で活動中断を余儀なくされる話はよく耳にしますが、リスナーにとっても無縁ではありません。音楽が好きであればこそ、万全な状態で楽しみ続けたいものです。

対策

音響外傷を生じるような状況下にいないこと……が根本的な対策ですが、うるせえ! 現地で音を浴びるために生きているんだ……そういう人のために、音楽用の耳栓(イヤープラグ)が存在します。

一般的な耳栓と違い、減衰する周波数のバランスを考えて設計されていることが特徴です。音楽の良さをなるべく保ちつつ、耳に入る音圧を下げることができます。

筆者のイヤープラグ使用感

使用状況と所感

私がイヤープラグを使い始めたのは昨年後半からです。各公演での使用状況(挿入具合)と聴こえ方の所感を、以下の表に示します。

イヤープラグを持参したライブでの使用状況と所感

耳に入れる深さで減衰量が変わる点が個人的に重要と感じています。最初に運用した際に深めに装着したところ、聴こえ方のバランスが悪くなってしまい、ライブへの没入感がスポイルされた印象がありました。

その日の音響の具合、体調、スピーカーと座席の距離感に応じて、いい塩梅の挿入具合にすると良いのではないでしょうか。

また、最後まで耳が疲れにくいので総合的な満足度は上がるものの、何もつけていない状態とはどうしても違いがあります。私は要所で外す運用をしています。

おすすめのイヤープラグ

現物を見たことがあって、手頃な価格のものを紹介します。ちなみにアフィリエイトリンクではありません。

CRESCENDO Music

CRESCENDO Music 現物

今私が使用しているものはこちら。装着感がきつすぎなくていい感じです。難点は付属のケースがタイトで、とっさに取り出しにくいところです。デザインはオシャレなんですけど……

FitEar 音楽用イヤープラグ

(ヨドバシ.comのリンク)投稿時点で2200円

https://www.yodobashi.com/product/100000001005078208/

こちらはスピッツとのコラボレーションモデルを知人が持ってました。左右のプラグが紐で繋がっていて、クリップもついています。紛失防止によさそうです。装着感もそんなに悪くないみたいです。

AZLA POM1000

5500円 直販 or 楽天市場

シャニマスDiscordサーバ「SHINY CORD(広報Twitter)」の複数人がオススメしていました。密閉 / 開放を切り替えできたり、イヤーピースが複数付属していて汎用品にも対応していたりと、高機能です。

D4DJコラボモデルがありました。

アイドルマスターさんもコラボしていいんですよ!?!?!?

おわりに

久しぶりに無対策で爆音を浴びて身の危険を感じたため、記事を書きました。それほど高額なものではないので、お守り気分で持参を検討してほしいです。

また、周囲でイヤープラグを使っている人を見かけたら、「持続可能な音楽聴取をしているなんて、素晴らしいわ!」と思ってあげると優しい世界になると思います。

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