【紫陽花は】杜野凛世「常咲の庭」 ―土壌で色を変える―
はじめに
お世話になります。夜風結衣音です。
本記事はべンプさん企画「シャニマスソロ曲解説・我儘なnote連作企画」の一記事として、杜野凛世のソロ楽曲「常咲の庭」に対する所感を述べていきます。
7月のソロパフォーマンスライブ「我儘なまま」に向け、杜野凛世と
「常咲の庭」のことを今より少し、知ってもらえたら嬉しいです。
LP編までの共通コミュ、一部シナリオイベントおよび各種コミュのスクリーンショットを掲載します。ネタバレになりにくいよう配慮はしますがご承知おきください。
「常咲の庭」は、Apple Music, Spotify, LINE Musicならここから聴けます。
歌詞はこちらから。
公式の見解
はじめに、杜野凛世役の丸岡和佳奈さんと、「常咲の庭」の作詞者古屋真さんのツイートを掲載します。
私なりに上記の内容を解釈すると
"常咲の庭"は凛世の心象風景 好きなものを見立てて並べた景色
凛世は好きなものを叙情的に掘り下げる豊かな感性を持っている
歌声で気持ちを表すようにしている
といった感じになります。的確すぎる……これ以上言葉を並べる必要がありますか……!?
私からは、上記の内容の理解を深めるため、いくつかの要素を説明することにします。また、サウンド面での注目ポイントにも触れておきます。
赤、青、水色。朝顔、桜、紫陽花。
常”咲”の庭 と題しているからには、出てくる花には意味が込められているはずです。そして、シャイニー”カラーズ” は、色に確かな意味を込めています。
朝顔
短い時間だけ花を咲かす朝顔は、儚い恋になぞらえられることが多いです。また、つる植物であることから、依存の意味合いもあるようです。
プロデューサーと街中で「運命の出会い」を果たした凛世。はじめは「あなたさま」に喜んでもらうことばかりを考えていましたが、メンバーやファンとの関わり、ステージでの経験などから、アイドルとしての道を歩み始めます。
本楽曲は曲の展開とともに時間が経過している印象があります。朝顔はアイドルになりたての凛世を表しているのだと思うと、しっくり来ました。
なお、個人的には、朝顔といえばBRILLI@NT WING 04「スペシャルオーディオドラマ「果穂のワクワク観察日記」が印象深いです。ちょこ先輩がわちゃわちゃしているのがいいんだ。
水色
pSSR「水色感情」で、凛世とプロデューサーがレコードを聴く場面が描写されます。曲名は明示されませんが、凛世が口ずさむフレーズから、フランスのポピュラーソング "L’Amour est bleu" (邦題:「恋はみずいろ」)であることがわかります。
たぶん水色は恋を表しているのでしょう。だがその他一切のことはわかりません。フランス語の知識があれば……
桜
桜は美しさと同時に、散り際のはかなさも想起されます。凛世のプロデューサーへの想いも、なかなかうまく伝わりません。もどかしい。
プロデューサーは凛世の気持ちをうまく汲めないこともありますが、しっかりと向き合う姿勢を見せています。
降り積もる凛世の恋心。放クラのみんなも、画面の向こうの私達も、応援しています。
赤と青
「赤」と「青」の対比は、杜野凛世のコミュで頻出する表現となっています。赤と青は、おおよそ以下のような意味合いで使われていると考えます。
赤:杜野凛世。杜野凛世のプロデューサーへの想い。少女としての杜野凛世。
青:プロデューサー。アイドルとしての杜野凛世。
紫陽花
紫陽花の色は、土壌で変化するそうです。
このことから私が感じるのは、凛世自身のあり方が、プロデューサー、放課後クライマックスガールズ、283プロとの関わりの中で変化しつつあるのではないかということです。
凛世はこれからどんな色を見せてくれるのでしょうか。目が離せません。
サウンド面でのここがすごいです!!!
歌唱
「嗚呼」の表現は、はG.R.A.D. 編を踏まえると沁みるものがあります。
あ。
楽曲の後半になるにつれて歌唱が表情豊かになっていきます。先述した通り凛世の変化が表現されているのではないかと思われます。
私は最後の「常咲の庭」の ”こ” と ”き” の子音が、めっちゃ好きです。ものすごい情報量があります。
アレンジ
杜野凛世は大和撫子なので和風のアレンジは仰る通りだと感じるのですが、和風ポップスで典型的な三味線や琴ではなく、笙や篳篥といった雅楽の楽器が使われている点が、雅です。厳かで神秘的な雰囲気が出ます。杜野凛世には「みやび」という言葉が似合います。
一方で、出だしから印象的なストリングスのピチカートや、少しレトロな香りのするシンセサイザーなど、西洋楽器が主張している点も見逃せません。古今東西問わず広い見識を持っている凛世にふさわしいです。
私の一番好きな伴奏のフレーズはサビ中間の↓です。このフレーズがもはや杜野凛世。繰り返し聴いてたら「杜野凛世」って歌っているフレーズに聴こえてきた。
低音
低音がしっかり出ていて驚きます。こういうのは現地で聴きたい! 大きなスピーカーで「圧」を感じよう。私は今のところDay2を確保しています。
ベースが一般的なベースより更に下の「サブベース」と呼ばれる帯域まで鳴らす音作りをしている点が特徴的です。また、シャニマス楽曲では珍しくドラムが生演奏ですが、こちらも響きはドライながら太鼓の鳴りを感じるミキシングです。
耳心地のよい効果音
曲の随所で流れており、間奏部分で目立つ効果音、なんなんでしょうか。ビー玉が転がっているというか、水が流れているというべきか……いや……
間奏の音は風鈴のようでもあります。
作・編曲の田熊知存さん、素敵なサウンドをありがとうございます。
演目「我儘なまま」について
「我儘」はLanding Point編のキーワードなのかな〜と個人的に想像してます。舞台に立つ者、表現者としての意思。そういったものが問われたコミュだった気がします。
楽曲リリース時、過去のライブとはまた違う表現を楽しみにしています。
おわりに
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。凛世の変化は、物語の内容もさることながら、話し方にも大きく表れています。共通コミュをはじめから読み返すだけで感慨深くなれますので、アイドルマスターシャイニーカラーズをプレイしてみてください。
#シャニマス我儘なnote連作 では、ライブまでに全アイドル / 楽曲の記事が執筆されます。熱意のこもった紹介記事を読むことで、アイドルと楽曲の魅力を理解しやすくなるはずです。要チェックです。
私は幽谷霧子「雪・月・風・花」の記事も書いています。
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