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小笠原諸島_2022年8月

3度目の小笠原は、初めての夏!

通常期のおがさわら丸は父島入港後3日ほど停泊し客を乗せて東京に向かうが、8月は父島の入港→出港が同じ日になるため色々計算すると観光客の滞在は中3日、計5日間の滞在になってしまうマジカル月間である。

おがじろう船長もお見送り
船長なのに乗らんのか船
目が覚めるとそこには青い空と海

出港時は航路と台風の進路がバッチリ重なっていてどうなることかと思ったが、思ったよりも揺れずに父島へ到着した。

いつもお世話になっているダイビングショップの人達が「おかえりなさ~い!」と出迎えてくれて初っ端からちょっと泣いた。

今回の私のホワイトハウス
水回りは共用
5日間ずっと快晴

出港前の東京の蒸し暑さに命を削られたため父島で生き残れるのか不安だったが、真夏の父島は気温は高くても32℃、湿度は低くカラッと爽やかな陽気で最高だった。

もう3回目だし夏初めてだし!ってことで今回は5日間フルでダイビング。もう朝から夕方までずっと船の上か海の中。

おがさわら丸の出航

冒頭でも述べたように8月は入港日の午後におがさわら丸が出港するため、ダイビングの合間で初めて見送る側になり、ボートで並走しながら”いってらっしゃ~い!”が言えて感動。もちろんボートからの飛び込みもできた。(けっこう怖い)

デフォルトでこの青さ

今回の海は少し濁りがあるとのことだったが、私に言わせればそんなの誤差の範囲でめちゃめちゃ綺麗。冬とは全然違う青さに感激。

ちなみに水温は25℃前後。沖縄の夏だと28℃はあるので夏でもたったこれだけ!?と驚いた。これが透明度と青さの秘訣なのかな~潜ると水底ではけっこう寒い。

ハタタテハゼの幼稚園
可愛いのに多過ぎて怖い
真っ青な海と魚のコントラスト
バラハタにつつかれて本気のツッパリをみせるオニダルマオコゼ(写真左下 わかるかな?)
眠りの邪魔をされて不機嫌そうなアオウミガメ
なんの群れでしょうか
イソマグロでした~!1メートルぐらいあるよ
ヒョウモンダコ これはわかりにくい
幅2m近いエイ 息を殺して近づく

そして私が一番好きな魚、ユウゼン。

ユウゼンの夫婦
仲睦まじく食事をしていた

日本の固有種で八丈島~小笠原にしか生息しないのですがこの模様!友禅織さながらの緻密なウロコの縁取りとヒレの端を飾る鮮やかな黄色。
イントラの皆さんは目もくれず解説もしてくれないが、私は見つけるたび飛んでいってストーキングを繰り返した。
あまり人間から逃げないフレンドリーな性格も相まって、私は完全にユウゼンの虜なのである。

今回のダイビングでの一番の感動は、なんといっても水中でのバンドウイルカとの遭遇。

悠然と泳ぐミナミバンドウイルカ
奥にも仰向けで泳ぐ家族が見える

水深20メートル付近で突然イルカの鳴き声がしてかなり動揺したのだが、ガイド含めパーティー全員が私より年上のため、高周波帯のイルカの声は私にしか聞こえないようで誰もキョロキョロしていない。

慌てて周囲を確認しながら振り向くと、6頭ぐらいのファミリーが私たちに向かってまっすぐに泳いでくる!

他のゲストに教えようにも指示棒でタンクを叩く余裕もなく、必死でカメラを構えて写真と動画を撮った。
手前で唯一私の指差しに気付いてくれたゲストさんの泡が興奮を物語っている。

船上では普通に会えるイルカたちだが、同じ海の中で出会った時の感動は何物にも代えることができない。

イルカとマグロに会った
嫁島の「マグロ穴」父島からボートで2時間弱かかる

ちなみに水面で会えるイルカはこんな感じ。

ハシナガイルカ
ミナミバンドウイルカよりかなり小さい
ジャンプや息継ぎも目の前!

ハシナガイルカはドルフィンスイム(海に入って一緒に泳ぐこと)はできないが、船の舳先にできる波に乗ってくれる人気者。
船長のテクで大きな引き波を作ると波乗りでジャンプしてくれたりと、出会えれば楽しめること間違いなし。今回は5日間で3回、40頭ぐらいの大きな群れに遊んでもらった。

今回驚いたのはマンタ。

青い海を飛ぶように泳ぐマンタ

まずマンタに会えるとは思っていなかったし、マンタが水面から「飛ぶ」姿を2度も目撃したのだ。
「飛ぶ」とは、文字通り水面から全身を出して跳ね上がること。ガイドさん曰く「跳ねるのは決まって1度に2回」らしい。
つまり、船で誰かが「あ!跳ねた!!」と言ってすぐに同じ方向を見れた人ですら跳ぶのはその直後の1回。跳んでいる姿を写真に収めるなど流れ星が見えてからシャッターを切るのと同じぐらい難しいのである。

今回は、上の写真にある水面にいた子に近付けただけでも奇跡だ。


海の話はこれぐらいにして、次は陸での話。
今回は宿泊に朝御飯のみ付けて、晩御飯は毎回居酒屋へ繰り出すことにした。

宿の朝ごはんの例

これは前回前々回と宿の晩御飯を食べてから居酒屋に赴き、非常に苦しい思いをした経験を活かしたものである。結果的に大正解だったのでこれからはこのスタイルでいこう。

地魚刺身盛り合わせ(と、自家製タコの実酒)
ソデイカうま…
天ぷら
茶碗蒸し(絶品)
アカバの唐揚げ
島寿司
これは本当に外せない

今回はずーっと「丸丈」さんにお世話になった。大将のクセがすごいので好き嫌いが分かれるそうだが、めんどくさいおやじが比較的好きな私にはけっこうハマるし、奥さん優しいし娘さんかわいいし、何より飾らない「小笠原の家庭料理」が食べられるのが本当に嬉しい。そして最高に美味しい。

最終日に包んでくれる「島寿司弁当」を、帰りの船の中で島での楽しかった思い出を振り返りながら食べるのも醍醐味ですので皆さん是非。

父島の素晴らしい星空
シャッターを切るたびに流れ星が

その他、夏の父島と言えば、子ガメの放流会。これは、父島の一番の市街地に面する「大村海岸」で産み落とされた卵を保護団体が回収し、孵化後に町の明かりが届かない海岸まで連れて行って放流するというもの。ウミガメは孵化後海面に反射する光を頼りに海へ向かって走るのだが、市街地が近いと街灯や民家の明かりに惑わされて海に辿り着けないまま死んでしまうことが多々あるらしい。そんな不幸な運命を辿らないように、小笠原では並大抵ではない努力が続けられているのである。

放流前に記念撮影される子ガメ
めちゃくちゃ可愛い

実は私、2歳の時にも小笠原に来たことがある。その時もこの放流会に参加し、カメを追いかけて海まで入ってしまった私がずぶ濡れになってカメラを向いている写真が残っているのだ。つまりこの活動は少なくとも20年以上続けられている。

休憩中の子ガメ

ウミガメは孵化後、約1週間かけて少しずつ砂の天井を崩して地上に出るらしい。孵化した直後に出てくるものと思っていたのでとてもびっくり。
その点、回収されて人工孵化させられたこのカメたちは孵化直後から地上に出ているため体力の消耗はほぼゼロの状態で海に出ることができ、本土までの1000㎞という長い道のりの生存率がぐっと上がるのだ。

父島は日本最大のアオウミガメ繁殖地。繁殖できるようになるまで50年とも言われるが、きっと私がヨボヨボになる頃にはたくさんのカメが帰ってきてくれるのだろう。

たくさんの船が離岸後並走し、見送ってくれる

今回もたくさんの思い出をくれた小笠原。
私もいつかここで、思い出を与える側になりたい。

いってきます!

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