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【12話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)

梨紗ちゃんの苗字は、小鳥遊(たかなし)です。
唯ちゃんのように、この苗字は嫌いではありません。
どうでしょうか、梨紗ちゃん。

「私は この苗字 好きですよ 呼ばれにくいですけど 説明すると皆 へえーそうなんだ って驚いたり笑ってくれたりします 説明するのも楽しいですよ じゃあ 戻りますね」

さすが、梨紗ちゃんです。
唯ちゃんと違って、用が済んだらサッサと戻ってくれます。
梨紗ちゃんは、この苗字については、ポジティブに感じていますね。

小鳥遊(たかなし)という苗字

小鳥遊(たかなし)は、読まれにくい、珍しいランキングでは上位に入っています。全国順位は58,615位 全国人数は約30人だそうです。
ですから、東雲(しののめ)よりも断然少なく珍しいことになります。

小鳥遊(たかなし)は、高梨(たかなし)から転訛したようです。
読みは、「小鳥が遊んでいるならば、天敵である鷹がいない」という情景から、たかなし(小鳥遊)と読むようです。
ですから、その情景が理解できれば、逆に覚えやすい苗字かと思います。
しかし、まるでナゾナゾのような当て字の苗字です。

ですから、東雲(しののめ)よりは、小鳥遊(たかなし)のほうが、覚えられ易いのではないかと思います。
民俗学的由来はあるようですが、特に読み方の由来以外に確固たる意味は、なさそうです、多分ですけど。

アニメキャラでは、小鳥遊の苗字がわりと多く使われていて、

 ・『中二病でも恋がしたい!』ー「小鳥遊六花」
 ・『WORKING!!』ー「小鳥遊 宗太」と、その家族
 ・『亜人ちゃんは語りたい』ー「小鳥遊ひかり」
 ・『BLACK★ROCK SHOOTER』ー「小鳥遊ヨミ」
 ・『パパのいうことを聞きなさい!』ー「小鳥遊家」の人々

などです。
まあ、家族は1つと考えるべきでしょうが。

小鳥遊のイメージも良好で、格好いい、響が綺麗、羨ましい、
可愛い雰囲気、など人気も高いようです。

「梨紗ちゃん、梨紗ちゃん」
「どうしたの」
「梨紗ちゃんの上の名前、何て呼ぶの」
「小鳥が遊ぶ って書いて たかなし よ」
「どうしてなの」
「小鳥が遊べるのは 襲ってくる鷹がいないから たかなし なのよ」
「へえー 面白いね もう覚えちゃったわ みんなにも言っとくね」
「じゃあ お願いね」

と、まあ、小さい頃から、こんな会話が、あったそうです。
読み方を知った子達が、ナゾナゾにして広めるようになり、すぐ覚えて貰えることになりました。
唯ちゃんとは真逆だったのです。

「唯も 小鳥遊の苗字にするよ 梨紗ちゃん」
「何言ってるのよ そんなの無理よ」
「だって・・・」
「私は 東雲の苗字は好きよ 意味の情景が綺麗よ ナゾナゾな小鳥遊よりよっぽどいいと思うわよ」
「そーお」
「唯 それに、小鳥遊は3文字よ 東雲は2文字よ 小鳥遊になったら1文字多くなるのよ それでもいいの」
「そっ それは困るよ 面倒くさいよ」
「そうでしょう」
「分ったよ 仕方がないから東雲で手を打つよ 梨紗ちゃん」

さすが梨紗ちゃん、唯ちゃんの性質を理解してます。
それにしても唯ちゃん、自分の苗字なのに、まるで他人事のようです。
今回は、唯ちゃん、素直に戻ってくれました。
あっ、いえ、梨紗ちゃんが唯ちゃんを引きずっています、やはり相変わらずでした。

では、また次回、お会いしましょう。

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