【13話】幼馴染みの想いで話（唯と梨紗ちゃん）

唯ちゃんと梨紗ちゃんに欠かせないのが音楽、唯ちゃんは歌で、梨紗ちゃんはピアノを始めとするキーボード全般です。梨紗ちゃんの家にはピアノがあり、ママの梨乃さんはピアノが弾け、それなりの腕前のようです。

唯ちゃんと梨紗ちゃんと音楽

梨紗ちゃんとピアノ

梨紗ちゃんは小学校低学年からピアノ習い始め、絶対音感があることが分りました。頭のいい梨紗ちゃんですから、短期間で音楽理論も中級レベルをマスターでき、楽譜もすらすら読めるようになりました。

小規模のコンクールへの出場ができるほど上達しましたが、出場要請はことごとく断ったそうです。コンクールのような腕前を競うものには興味がなく、上手に楽しく弾ければ、それで良かったそうです。

しかし、ピアノの才能と腕前がありながら、小学5年生位になって、いきなりエレクトーンに転向してしまいました。時折、ピアノは性に合わない、クラッシックもそれ程興味がないと言っていたそうです。　
転向は、唯がラジオから録音してきた曲が、後を押したそうです。

唯ちゃんと歌

唯ちゃんは、小さい頃から歌うのが大好きでした。
ジャンルは問わず、気に入った曲は何でも歌います。
それも、大人が歌うような曲でもです。

唯ちゃんの歌の才能については、私が説明するより、梨紗ちゃんにお願いするとしましょう。
梨紗ちゃん、お願いします。

「唯はね　小さい頃から歌が上手で　私がピアノを習いだしてからは歌の伴奏をよくやったわよ　唯の声域ってE3～F5で　裏声合わせるとC6まででるのよ　裏声も綺麗で　ヘッドボイスとかミックスボイスっていうの　何処かで習ったのかって聞いたら　歌ってる人の真似しただけだよー　ですって　
凄いわね　それに　曲を2～3回聞いただけで　ほとんど覚えてしまうのよ　そうそう　テレビで歌手の振り付けも　すぐ覚えちゃうんですよ」　

とのことです。

「でも・・・」

どうしたんですか、梨紗ちゃん

「あっ　いえ　それだけ物覚えがいいのですから　少しは勉強に向けても　
と思うんです。そうしたら　かなり成績がアップすること間違いないんですけどね」

どうなのですか、唯ちゃん。

「唯だよー　ん　何だったっけ」

物覚えについての話なのですけど。

「そっか　そっか　それはね　歌は楽しくて好きだけど　勉強はつまらなくて嫌いだからだよ」

はい、期待通りの言葉でした。

梨紗ちゃんとエレクトーン

ビートルズが解散したのが1970年。
その頃、唯ちゃんと梨紗ちゃんは、まだ小学校の低学年です。
しかし、人気は解散後もアルバムが出されたりして、人気は落ちません。
そして、唯ちゃんと梨紗ちゃんが、小学校の高学年になった頃のことです。

「この曲　なんかいいよ　梨紗ちゃん」
「海外のバンドね　そうね　なんて言うバンド」
「ビートルズ　だって」
「へえー　でも名前は聞いたことあるわよ」
「唯は知らなかったけど　こんなのバンドで歌うと楽しいだろうなー」
「分ったわ　ピアノやめるわよ」　

ビートルズをきっかけに、二人は洋楽に嵌まってしまったのです。
まあ、その頃は、よくある話です。

梨紗ちゃんがピアノをいきなりやめた訳は、唯ちゃんの「バンドで歌うと　楽しいだろうなー」が決定づけたのです。
バンドのように、多数の音色が出せるのがエレクトーンです。
梨紗ちゃんは　即行ピアノ教室の隣のエレクトーン教室に通いました。

梨紗ちゃんのエレクトーンは、性に合った上に豊かな音楽才能により、すぐに上達しました。
沢山あるスイッチやドローバーの操作にもすぐ慣れ、両手両足を見事に駆使して、大概の曲は耳コピでも弾るようなったのです。
唯ちゃんも、ラジオから気になる曲を、カセットテープに録音して、毎日のように梨紗ちゃんに聞いて貰ってました。　

その中に、梨紗ちゃんの、更なる転機となる曲がありました。　
それは、中学１年の頃でした。

今回は、ここまでです。
さて、梨紗ちゃんの転機となる曲とは、そのうち、語って貰いましょう。
では、また次回に、お会いしましょう。

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