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100年前の予測が外れた理由を休日に考える

今日が祝日で、「週の真ん中に休みがあって、今週はいいなあ」と思う人も多いのではないだろうか。さらに、「今後も、毎週水曜日が休みになれば良いのになあ」と思った人は少なくないはず。

私は今年の初めに『ブルシット・ジョブ』という本を読んだ。日本語に訳すと『クソどうでもいい仕事』で、そのような仕事が世の中にはたくさんあるという話。その本の最初に書いてあった話が、頭を離れず頭の中をぐるぐるしている。

1930年、ジョン・メイナード・ケインズは予測した。「100年後、テクノロジーの進歩により週15時間勤務が達成されるだろう」と。しかし、それが達成されないばかりか労働時間が年々増えているのはなぜだろうか。

本当になぜだろうか。

私が生きている数十年の間だけでも、テクノロジーは驚異の進化を遂げていて、何時間も掛かっていたことが数分で出来るようになったはずだ。確実に時間は「浮いている」はず。それなのに、労働時間は増え続け、賃金は上がらない。そしてみんな「仕事に行きたくない」「早く帰りたい」「休みが欲しい」と言っている…。

著者のデヴィッド・グレーバーは

消費主義の大幅な増大が考慮されていないから

と主張した。

労働時間を減らすより、もっと売り上げを伸ばして、もっと給料をもらって、もっと娯楽にお金を使いたいという消費の方が優先されてきたという意味かなと考えた。

消費主義自体も古い考え方になっているのではないだろうか。今、働く人の中には、「給料が増えるより休日が増える方がいい」と考える人も少なくないのではないだろうか。私がそう思うからみんながそう思っていると思っているだけだろうかとも考えたが、精神疾患になる人が多い現代には休息がもっと必要だと思う。

最近、Twitterでこのような話を聞いた。

おそらく日本では進学校に通っているであろう留学生が、「留学生活の楽しみ方がわからない」と言っていた。
そうなのよ。
日本ではタピオカ飲んだり、カラオケ行ったり、セブンの新作食べたり、結局、「誰かが用意したもの」で楽しまされてきた。
だけどアメリカに来て、時間だけがたっぷりある(というか時間しかない)状況になった時、自分を楽しませる方法を知らないことに気づく。
えりな🇺🇸高校数学+CS教師 (@InNadeshikoWay) さんのツイートを引用

この話が正確なら、日本人は消費好きというか、消費にとらわれているのだろう。だから、労働時間を減らせないのだろう。

昨日、職場で「今週は休みがあるから気が楽だね」という話を同僚としたし、きっと、金曜日には「今週は途中に休みがあったから、いつもの金曜日より楽だね」という話をすると思う。

同僚からそう言われたら「そうだね」と私は言うし、コミュニケーションを取るという理由で私からこの話をして相手の「そうだね」を引き出すかもしれない。しかし、私の頭の中では、ケインズの予測や消費主義の話、関連したベーシックインカムの話、ビュートゾルフの話など、いろいろな話がぐるぐるしているのだ。