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「箱庭のレミング」第1話 感想(ネタばれあり)

テレビで「箱庭のレミング」の第1話「不純ないいね」を見ました。たしか半月ほど前です。録画していたのですが、ドラマということも録ろうと思っていたことも忘れていて「何だこれ?」と思い、見ずに放置していました。

以下、ネタバレありの感想や考えたことです。



妹は普通の人か異常か

ドラマの序盤、「いいね」に固執してステータスのように振舞っている妹に異常さを感じた部分もあったが、今の高校生ってそんなものなのかなと思い、スルーした。まだ子どもなのに、こういう感性なんだ…と少し恐ろしさを感じたが、ちょっと美人でチヤホヤされたら子どもゆえに勘違いしてしまうのかなと思った。

終盤、姉との会話をわざわざ録音し、瀕死の状態でその録音を気にしている様子も、変だと思ったが、「何でも録音しておこう」というのが最近の子の普通の考えなのかなと思い、そこもスルーした。

そして、一番最後の場面で、やっと「本当に異常な人だったんだ」と思った。私の理解力の問題かもしれないが、自分が理解できない行動って正しく評価するのが難しいんだなあ。

姉は幸せだったのか

終盤、気がふれてしまい狂ってしまった姉。警察に捕まってしまうのは時間の問題だったと思うが、もしそれが無ければ、殺人ではなく相手への嫌がらせ程度で済んでいて捕まることもなければ、その後はどうだったのかなと思う。

最初に動画を投稿し反響があったときに「今までこんなに自分が注目されたことなんてないから嬉しい。もっとキモいと言われるように努力する」と言ったのを聞いて妙に納得してしまった。

たとえ友だちが多い人でも、自分のことが1000人以上の人から注目されることがあるだろうか。何か事業を成し遂げたら?…いや、全会社の社長が有名な訳ではない。ニュースに取り上げられても名前まで覚えてもらえるかどうか。そう考えると、妙に理にかなっている気がした。

最近は少なくなってきたが、少し前までは「ブス」「ハゲ」「キモい」などで売れている芸人さんも多かった。(今もいるけど。)そういうので笑いを取るのを見るのは嫌だったけど、本人がそれを商売道具にしている場合もあると思ったので他人がどうこう言えることではないと思っていた。しかし、昔は「ブス芸人」と言われていた人が、今は有名になり、綺麗なメイクや服装で明らかにブスを売り出していない様子を見ると、やはりあれは商売道具として使っていただけだったのかと複雑な気持ちになる。本当は言われたくなかったのかな、もしくは、最初に売れるためには使える要素だったのかななど考える。

そう思うと、ドラマの中の姉が「キモい」で売り出そうと努力したことは、異常とも言えないのかなと思った。私にはできないが。

「普通の人」もSNSをやっている

今やSNSをして注目を集めることは「普通のこと」だ。SNSをするからには、誰かに見られることを意識している。ノートに日記を書くだけではなく、写真を撮って自分で見るだけではなく、わざわざアップしている。もし、「いいね」機能もなく、閲覧数も分からないSNSがあったら流行らないのではないか。少し昔までは、自分の日記や写真は自分で見るだけの人ばかりだったのに、今は見られて評価されることが当たり前になっている。

本当に得たいもの

しかし今も昔も、人が本当に得たいのは「自分にとって特別な人」からの承認だけなのではないか。そしてそれは一人や二人などほんの少しの人数ではないか。今の時代は、そのほんの少しの人数を探すために何人もの人と繋がろうとしているのではないだろうか。