【高知・徳島】安楽死の薬を渡されたら色々考えた末に結局は飲むだろう私が、生きる熱さにあてがわれるために47キャラバンに参加した数日間のお話
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【高知・徳島】安楽死の薬を渡されたら色々考えた末に結局は飲むだろう私が、生きる熱さにあてがわれるために47キャラバンに参加した数日間のお話

鵜飼唯香 @東大休学→日高村地域おこし協力隊

お久しぶりです。

実は9割方書き上げていたにも関わらず、なかなか踏ん切りがつかなくて、一ヶ月ほど公開が出来ていなかった「てぃーすぅー」です。(てぃーすぅーの方が覚えてもらいやすいから、これからはこれで行きます。ちなみに、「鵜飼」の中国語読みです。)

1月19日(火)から21日(木)の3日間(もしかしてもう1ヶ月前?)、高橋博之さんの47キャラバン高知編、徳島編に同行しました。高橋さん、ポケマル、47キャラバンと馴染みのない方もいらっしゃると思うので、軽くご説明します。

そもそもポケマルって?高橋さんって誰?47キャラバンとは?
東北大震災ををきっかけに、食べ物付きの情報誌「食べる通信」を創刊し、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げた高橋博之さん。東日本大震災から10年の節目を迎える2021年3月11日までに、改めて人間とは何かを問うために47都道府県を行脚する「REIWA 47キャラバン」を開催している。

47キャラバンにはよく学生が同行していて、過去レポートも学生によって書かれたものが多数あります。高知編の開催にあたって高橋さんがtwitterで同行する学生を募集するのを見て、「この機会を逃したら会う事ないな」と思い連絡をし、同行させていただくことになりました(ちなみに10分で私含む2人から連絡があり、締め切ったらしい。ラッキー!)

それでは、初めましての方が多いと思うので私の自己紹介を。

鵜飼唯香と言います。てぃーすぅーと呼んでください。
東京大学法学部3年生。秋から休学をし、12月から人口5000人弱(最近、5000人を切りました!)の村、高知県日高村の地域おこし協力隊として活動しています。現在は高知地元芸人あつかんDRAGONの事務所配属となり、インターン的な存在として自由に企画提案・運営・サポートをさせてもらっています。ちなみに3月13・14日「ドライブインシアター in 日高村」開催決定!

今回は47キャラバンに同行して見たこと聞いたこと、感じたことを綴っていきたいと思う。

1. 巡り合わせ

クサイ言葉かもしれないけど、これは巡り合わせなんだと思う。

大学3年生で休学をして高知の村に移り住んで、twitterを通して東大休学→地方"留学"仲間の岩永くんと知り合い、彼のリツイートからポケマルの高橋さんを知り、たまたま47キャラバンの高知編はまだ開催されていなくて、同行大学生の告知をすぐに見て、立候補する勇気があって。その積み重ねの結果、1月19日火曜日のお昼、私はひろめ市場で高橋さんと一緒にカツオのタタキを食べていた。

これが、巡り合わせ以外になんだろうか。

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カツオの塩タタキ(拾い画)。ひろめ市場やいろ亭にて。

20日と21日は同じく休学して高知県に来ている、鹿ライターの あかりんごちゃんと一緒に同行できて。私とは正反対のあかりんごちゃん。正直、意味わからないぐらい面白いことをしているので、あかりんごの活動を是非注目して欲しい。

これも、巡り合わせ以外になんだろうか。


2. 生産者に、会う

47キャラバン昼の部は、ひたすら生産者に会いに行き、お話を聞きにいく時間だ。今回は高知で2人、徳島で1人の生産者と会った。

その1:高知県仁井田 カヤファーム 楠永やすゆき & ひろねさん

高知市中心街から車で20分程、桂浜に向かう途中にカヤファームがある。

出迎えてくれたのは、おしゃれなお父さん。動きやすい格好はしているが、バッグのブローチと小物にセンスが光る。デニムのジャケットもしっくり馴染んでとても似合っている。

この方が仁井田の砂地畑で、世界各国原産の唐辛子・ハーブ・スパイスなどを無農薬で育てているカヤファームの楠永やすゆきさんだ。

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(残念ながら、訪れた時には良い唐辛子はなかった。
が、これこそ農家が対峙する自然。見せてくれた楠永さんに感謝している)

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素敵な唐辛子を収穫できた時の写真↓

やすゆきさんの実家はもともと花卉栽培農家。それが、ポケマルページを一回でも覗けばわかるが、やすゆきさん自身たちは今は唐辛子メインで勝負している。韓国唐辛子、セラーノペッパー、プリックチーファー、パープルシャイン、ナーガ・モリッチ、、、。正直、私にはわからないが、マニアなら歓喜するラインアップなのだろう。実際、インスタからは飲食店との繋がりが濃く見受けられた。私が住む日高村の飲食店とも繋がっているようだ。

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仁井田のこの地の最大の懸念点は、いずれ来るだろう南海トラフ地震。
確かに、平たい。高い建物もない。人間が押さえ込むなど烏滸がましい、時として恵みを与え、時として猛威を振るう海はすぐそこだ。昼を過ぎて、風が強くなり、勢いに乗って潮の匂いがする。高橋さんが真剣に避難準備の事情を問い、高知に住む自分もまた当事者なのと思い知らされた。

ちなみに、カヤ商店の商品は3種類。唐辛子などスパイスはもちろん、デスソースなどその加工品、そして最後は元革職人のかあちゃんが作るオリジナル小物だ。

味があって、本当にかわいい。やすゆきさんのブローチもかあちゃんお手製なのか聞くのを忘れてしまった。なんにせよ、覗く価値あり。これからも夫婦で二人三脚、「LIFE IS SPICY‼︎」を広めて欲しい。


その2:高知県高知市 宗安寺きのこセンター 森雄司さん

明くる日は、前日夜の47キャラバンで出会った宗安寺きのこセンターの森さんに会いに行くために、市内から車で20分。キャラバンでお会いした時は、高身長にバシッとスーツで決めていらしたものだから、正直、「森さんがきのこ栽培...?というかきのこ栽培って何...?」状態で訪問。

まぁ、もうつべこべ言わないんで、見ろ!!!(集合体恐怖症の方、注意)

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きーのこっ、きーのこっ、ひったすーらきーのこっ!状態である(はぁ?

建物の中にはおがくずがプレスされた菌床ブロックがずらっーーと並び、しいたけ、なめこ、きくらげがニョキニョキと伸びている。その姿は壮観。ブロックの総数は尋ねたが、忘れてしまった。5000は優に超えていた。

森さんは以前不動産の仕事をしていたそうで。でも、著しい人口減少や来たる南海トラフ地震を考えると不動産に未来はないと思い、きのこ農家に転身した。ここにも、南海トラフの影は良くも悪くも色濃く落ちていた。

あかりんごによる詳細レポートはこちら!→


その3:徳島県鳴門 【杉本農園】 杉本仁さん

さて、最終日。高知から高速に乗って3時間。3人は徳島県鳴門市にいた。

訪れたのは杉本農園の杉本仁さん。海岸近くの砂地畑で自慢のなると金時やハロウィンスイートなどの芋、冬は砂地大根を育てる農家さんだ。

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土を洗って髭を取って出荷する。

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杉本さんは元々芋農家の家に産まれたが、なんと農業大学では畜産コースに進学した。「大学で学んだこと、全然役に立たなかったや」と笑う。
だが、そもそも芋農家になるつもりのなかった仁さんが大学卒業後に家業を継いだのは、紛れもなく大学での経験があったからだ。「実家でなると金時を栽培している」と周りに言えば「いいなお前!」「ブランド名が品種名を越すなんて、すごいんだぞ!」とチヤホヤされ、芋にプライドを持った。

それからは、割と芋一筋なそう。
しかも、何にこだわるかといえば、味。

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ストーブの上でコトコト。冷えた体にアツアツの焼き芋。

私の好きな『銀の匙』と言う農業高校を舞台にした学園漫画では、稲田多摩子という登場人物の実家は共同経営型の大規模農場だ。資本とシステムが投入され、大規模機械を用いて、大量生産が出来る。農家の方向性としては他にもいろいろ有り得るのだろう。

しかし、仁さんは、あくまで味にこだわる。
だから、あくまで自分の手が届く範囲の畑で、芋を育て、寒い中十分に熟成させ、頃合いを見て出荷している。

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出荷前のお芋をいくつか頂き、村に持って帰って、いつも助けてもらってばかりのご近所さんにお裾分けをした。なると金時とハロウィンスイート、どちらも美味しかったが、どちらかといえばハロウィンスイートに軍配が上がった。

ハロウィンスイート。ねちょねちょ系。スイーツ向き。甘い。

あかりんごによる詳細レポートはこちら! →


4. キャラバン

キャラバンは、高知駅近くの 利他食堂 で行われた。
なんとここ、カヤファームの楠永さんの中学の同級生のお店らしい。
元からお気に入りのお店だから、ご縁に驚いた。

キャラバンは、頷ける話ばかり。私自身、毎朝開催されている車座に時折参加して、お話を聞いてきて、ある程度高橋さんのお話は聞いてきた。
以下に、私自身が好きなトピックを一つ取り上げる。


自然との乖離、仕方ないの精神、そして子育てが苦手になった人間。

私たちは、自然から離れた。絶え間ない効率化と合理化のおかげで資本主義社会は発展し、生活は便利で「豊か」になったが、同時に私たちは自然に対応することが極めて少なくなった。

高橋さんは言う。
『農家さんはよく「仕方ない」と言う」

自然は気まぐれで、読めなくて。幸を与えてくれる年もあれば、猛威を振るう年もあって。病気が流行る年もあって。作物や獲物の形なんて思い通りになるはずがなくて。

全てが全て、「仕方がない」。
それが、本来の自然だ。
抑圧も支配もできない、自然。

日本なんて、なおさらだ。
台風も通る、地震も津波も起こる、大雪も降る。
支配しようと思う方が馬鹿らしい。

2019年の出生率は1.36人(らしい)。
今後もっと減っていくことは確実だ。

子供は、自然そのものだ。
社会のルールなんて関係なく糞尿垂れるし、大声出すし、どこでも寝る。その自然そのものを超合理化社会に適合してしまった大人らが上手く育てられるわけがない。

私自身、いろいろな理由はあるが、子供は欲しくない。
いろいろな理由の一つに、子供は思い通りにならなくて大変だし、きちんと育てられる自信がない、というものがある。
子供を思い通りに育てようとする大人がいるからこそ、今の子供達は自己肯定感が低く、自分のやりたいことが見つからない子が多く、人生に意味を見出せず、次々と自殺しているのではないだろうか。
私は自分自身がそう育てられてきたと自覚があるからこそ、自分の子供に同じことを経験させたくない、自分とは違う育て方ができるかわからない、と不安なんじゃないだろうか。

人間は子育てが苦手になったが、田舎に来て思ったことがある。
田舎は、少子化社会がまるで嘘かのように一家族あたりの子供が多い。
子供は二人だと少ない。三人欲しいな。四人は多いな、ぐらいだ。三人産んで、やっと「次産むかどうか迷うなぁ」と言う。
私より一回り上の30代の方達ですら、四人兄弟が普通だ。

やっぱり、人間は子育てが苦手になった。


5. 赤の他人に涙する感受性を生まれ持った私と言う存在。

ここからは完全に個人的な話だ。

私は、感受性が豊かだ。中学の頃からそう指摘されることが多い。
変に鈍いところもあるし、無神経なところもあるし、こんだけネット上に自分を晒せる時点で無頓着なところもあるのかもしれない。ただ、必要以上に共感し、共鳴し、感情が溢れることもある。

「第三者の死に、人は泣けないでしょ」と高橋さんは言う。
だって、その人知らないもん。当たり前だ。

でも、私は泣けるときがある。無論全てが全てじゃないし、ニュースを見て世界のどこかの誰かに思いを馳せて泣くわけではない。

歴史の資料集の後方。第二次世界大戦編。ある写真。
ぐったりとした幼子を背中に背負って、前を真っ直ぐに見つめ、奈落の底に落ちそうな悲しみや悔しさをグッと堪えて唇を噛み締める少年の図だ。

後ほど、この写真は『焼き場に立つ少年』という、アメリカ人カメラマンのジョー=オダネルが被爆地で撮影したとされる写真だと知る。

この写真を見るたびに、泣いた。場所はどこだっていい。大体は教室でペラペラと資料集をめくっていたときだ。嗚咽などはしないが、70年前の少年に思いを馳せて涙は流れる。

他にもいろいろある。大河ドラマで人が死んだり切腹する度に泣きそうになって、家族に泣き顔を見られたくないがために自室に退散したり。ニュースを見てしばらくは落ち込んでいたり。変にセンチメンタルになったり。描けない絵を書いてみたくなったり。

感受性が豊かって良いことじゃない、なんて反応もあるだろう。
でも、ここまで感受性が豊かだと、病むことも多い。

半年前の私は、死のうとしていた。
最近こんなことを呟いていた。

「前は爆発的に死にたいという感情があったが、今はいつ死んでもいいし穏やかな死にたいなぁが日常にあるんだけど、どちらの方が宜しくないのかイマイチわからんね」

もっと前かな、と思って確認してみたら、ほんの3週間前の投稿だった。
どうやら、まだちょっとリハビリ中らしい。

高橋さんは、この感受性を稀有と言った。
知らない第三者に泣ける人はそういないらしい。

「そんな感受性を持っている人、全然いないよ。
この星にその心で生まれたからには君には何かやることがあるんだよ」

熱い男からの激励の言葉は、こそばゆく、ちょっと嬉しかった。
そして、もう少しだけ生きてみようと思った。


番外編. 桂浜で久しぶりに命を感じた話

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龍馬像で有名な、あの桂浜には身長の4倍はある巨岩がある。

先に海岸を歩いていた高橋さんは、ひょいひょいと岩を登って、波を見ていた。

もちろん、自分も登りたくなった。

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登ってみると、かなり。かなり高い。

高橋さんは岩の先まで歩いて行ったけど、私は膝が震えて先までは行けなかった。

降りると、高橋さんが褒める。

すごいね。僕は山登っていたから結構簡単だけど。
怪我したらどうしよう、って思いながら何も言わないでおいたよ。

ありがたかった。

生きている感じがした。
落ちたくない、と思った。

命がある、と思った。

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鵜飼唯香 @東大休学→日高村地域おこし協力隊
鵜飼 唯香。東京大学法学部3年、休学中| 高知県日高村 地域おこし協力隊 | 日高村の「人」の活動をメインに執筆していきたいと考えています