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(見出し画像:Pixabayから) 6月に入ると、そろそろクチナシが来る、という意識が頭の隅に現れる。外を歩くたびに鼻が落ち着かず、目が動いて白い花を探しはじめる。 クチナシの香りが苦手だ。嗅覚が敏感なのも原因だろうが、甘い香りは鼻腔から進入すれば鳩尾の辺りでとぐろを巻くようだし、香りのボリュームが大きいので遠くにいても鼻をかすめる。外を歩いている時、行く手に花が見えたら呼吸を少し控えめにしてしまう。ただ、萎れていく花の周囲にあの香りがただよっていると、花の茶色い傷か