年末進行とお粥
今年も年末進行が始まった。
年末進行とは、年末年始で印刷所やら流通やらがストップするのを見越して、夏を過ぎたあたりから徐々に締め切りがまかれていく鬼の進行のこと。だいたいこの時期、私はおなかの調子を悪くする。
忙しいのに、年末に向けて外食が増える。なんとか年内にご飯に行きたいね、という会話が会社の人や友人らと交わされて、お酒を飲む機会が多くなる。出社が増えるからなんとなくランチ外食も増え、そして寒いので予定がない日は家に引きこもって、体は重くなるばかり。こんな体たらくで年末進行を乗りきれるのか? というとどだい無理で、ウワーッとなってお粥さんを炊くのが風物詩である。
分量は0.5合くらい。白ごはん.comさんのレシピのお世話になる。それを2~3日かけて食べる。炊飯器で炊くこともあれば、土鍋で炊くこともあるし、普通の片手鍋で炊くこともある。全然こだわりはない。昆布を入れることもあるし、入れないこともある。
でも、いきなり卵粥にすると卵の硫黄くささみたいなものが2日目以降強くなってしまう気がして、最初の1杯めはただ塩ふっただけとか、あるいは梅干しとかで食べる。2日目あたり、温めなおすときに卵粥にする。
卵粥のできたてって、とろみが増して本当においしい。いったん生活にお粥を取り入れると、こんなにしみじみうまいものをどうして全然食べていなかったんだろう? という気持ちになり、そのあとはハマって2週間くらい定期的にお粥さんを炊く。
不思議なもので、お粥にしてしまうと、脂っこいおかずは不要に思える。お粥の水っぽさと油って全然合わない気がして、なんかほうれん草のお浸しとかひじき煮とか、そういうものをつけ合わせたくなる。納豆もなんか違うんだけど、納豆は手頃でラクに摂取できるタンパク質なので目をつぶって一緒に食べてしまうことがある。合わない。
よく考えたら、まだまだ新米がおいしい時期のはず。でもそれにつられてつやつやの米ばかり炊いていると、すぐに唐揚げとかギョーザとか作りたくなってダメだ。強制的に体内をリセットするためにお粥を炊いていただくと、私の体がお粥を欲していたことに気づくのだ。
年内に体をリセットできると、意外と年末まで乗りきれて、ついでに年末年始はしっかり遊べて、そういえば逆に、1月7日に七草粥を食べることってない。そのころには、まぁいいや、最近食べたし、という気持ちになっている。
お粥、これがここ数年の年末の乗りきり方。今年はちょっと早くて、もうそろそろお粥さんだなと思っている。
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