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『神様は本当に存在すると思う?』 いつかどこかで、誰かが僕に問うた。 僕はこう答えた。 『きっといればいいね』 いればいいねと言ったのは、いるとは思えなかったからだ。その時点で僕の中の神様は死に、信仰は息絶えた。いないから世界は不平等な現実だけが存在しているのだろう。しかし、こうも思うのだ。神様がいるからこそ不平等な現実が存在しているのではないかと。 崩れた廃教会の中、一人の少女が偶像に向かい膝をつき祈りを捧げている。両手を胸の前に組み、目を閉じ熱心に何かを祈り続け