守りたい夏
例年、夏の間は富士山で登山ガイドをしているので、富士山周辺でウロウロしていた。
しかしながら、今年はコロナの影響もあって、富士山でガイドをすることができない。
そもそも登山道自体が山梨側も静岡側も閉鎖になるし、五合目に行く道路すら開くかどうかわからない。
「富士山ガイド」は肩書にも書いているように、一番好きな仕事だ。夏だけしかやれない仕事だけど、学生時の 1996年~1999年と、途中でサラリーマン時代を挟み、2011年~から現在まで、トータルするともう 13年もやっている。富士山の登頂回数も 300回を越え、完全にベテランの域に入った。
毎年やってたものがすっぽりなくなるとやっぱり寂しい気持ちになる。
真夏とは思えないスカッとした空気感、ご来光までの凛とした寒さ、焼けるような御来光、灼熱・乾燥・砂埃の下山道、晴れてれば快適な山だけど、ひとたび荒れると立ってられないほどの強風が吹き荒れ、裸の自然を感じることができる山。
富士山ガイドはそれなりにリスクのある仕事だし、山の中では何があるかわからないので常に気を張ってる状態だけど、無事に下山してきた時のお客さんの笑顔を見ると、どんな疲れもすべて吹っ飛ぶ。
山を支えているスタッフの方たちの気遣い、ワイワイとじゃれ合うガイド仲間もどれもが全部、自分の中では守りたい夏だ。
来シーズンの再開を願って。
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