台風になる基準のノットと秒速のズレについて

 台風の定義について調べていて気になってしまったことがあったので、気になったこととそれに対する自分なりの解釈を書きます。

基準値がずれている

 まず気象庁の台風の定義がこれです。

熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。

気象庁

「最大風速がおよそ17m/s以上」とあります。

 括弧内には「34ノット」とあります。こちらには「およそ」がないので台風の基準は34ノットだと推測できます。1ノットは0.514m/s なので34ノットは17.476m/s となり、四捨五入して「およそ17m/s」にはなります。

 ところが気象予報士試験のバイブルと言われる「一般気象学」の231ページには「17.2m/s以上」とあるし、日本気象協会のHPにも「17.2m/s以上」とあります。昔読んだ教科書にも「17.2m/sとあった記憶があります。

 ということで、34ノットが17.476m/s なのに、17.2m/s が基準値となるのは変です。

 そんなこんなで悩みました。


 

風力から調べてみたら


そういえば「風力8」も基準でした。風力を調べてみたらヒントがありました。

気象庁より

 風速は小数を使っているのに、ノットは整数刻みです。ということは34ノットは実は 33.5ノット以上34.5ノット未満という幅を持った速度だと考えれば良いのではないかと思いつきました。実際、33.5ノットは17.219m/sになります。これなら17.2m/sと言っても違和感がありません。多分ビンゴです。

まとめ

台風の基準は最大風速が34kt以上なんだけど、ノットは整数刻みなので実際は風速が33.5ktでも34ktに格上げされて台風になることができる。だから台風になる基準の風速は33.5kt、つまり17.2m/sである。

と思ったんだけど、風力7の基準が「28kt以上34kt未満」なんだから、やはり基準は17.4m/sが正しいように思えてきた。

ここら辺の詳しい裏話をご存知の方、いらっしゃいませんか〜?