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頭でっかちになるよりもユーザーに向き合い続けてほしい理由

サービスを作る際にはその業界の100人と話すことがスタート

Findyは現在の主力事業であるFindy転職Findy FreelanceFindy Teamsを作る前に求人票採点サービスを開発していました。サービス内容は求人票を解析して採点した上で改善を促すもので、今でも内部のオペレーションで活用しているので、一定取り組んだ意味はあったのですが、とにかく売れませんでした。

発想の原点は前職時代に採用・人事を担当する中で、媒体に掲載している求人を改善したらいっきにPV やCVRが増えて、マーケ出身の自分からするともっともっと採用マーケティングエリアで改善するところがありそう、そうだ求人票だというある種の思い込みで作り始めたサービスです。

2016年から「採用マーケティング」と叫んでいたのですがちょっと早かったですね。ちなみにこのnote、まあまあバズったんですが2019年でしたね。

https://note.com/yuichiro826/n/n3ad8623ea433

当時は、自動採点自体は面白い発想でもあるので、人事から連絡をもらったり、投資家からもシード投資の打ち合わせの打診をいくつももらったのですが、全く売上に繋がりませんでした。あったら便利だけど、お金を払うほどのニーズではない、というのが現実でした。

また、その当時はサービスを作る前ではなく、サービスをある程度作った後にユーザーヒアリングしているのですが、それでは遅いというやつでした…。

Findy転職はユーザーインタビューが始まり

求人票採点サービスをリリースした後に、全く売れないので暇だった関係で、なぜ売れないのか、何かただでもいいから手伝えることがあるかを友人の企業を回って聞いていたらお願いされたのが「エンジニアの求人票の作成」でした。求人票採点サービスを作る上で数万件の求人を読み込んで採点した経験がある自分からすると、要望を聞けばだいたいの求人を書けるようになっていました。

また、求人を書く上でエンジニアサイドにもインタビューをしてみました。結果、求人を読んで面接に言っても、条件や求めるスキルが違って、がっかりするという経験をしている人がたくさんいました。

あ、ここにギャップがある、自分たちなら埋められると始めたのがアルゴリズムを活用したエンジニアの転職サービスです。エンジニアと人事という、職種上とても遠い存在にいる2社を近づけるために、前述の求人票採点とGitHubを解析してエンジニアのスキル偏差値を解析する仕組みを入れてサービスを開始しました。


サービスリリース後もとにかくユーザーに聞き続けることが大事

サービスリリース後に2日間で2,000人のエンジニア登録があり、2ヶ月後に20社のローンチカスタマーも集まりました。ただ、だからと言って転職自体がサービス内で起こるかいうと難しいのがプラットフォームサービス所以です。

なのでまずは少しでもサービスで利用実績のある方にメールを送ってユーザーインタビューを開始しました。ちなみにその時のメンバーが「このアルゴリズムはダメダメなので自分が改善する」と副業でジョインしてくれたりしています。

また、企業サイドにも失注したところも含めて聞いてまわりました。
本音を聞きたいというところで、「ぶっちゃけ」どうですかと聞いて回ったりもしています。今見ても、必死さが伝わってきますね。親身に答えていただいた皆様本当にありがとうございます!!

1.ぶっちゃけ手間がかかりすぎる(いいねとかスカウトを代行してくれたら使う)
2.ぶっちゃけ成功報酬が高い(もう少し安ければもっと使う)
3.ぶっちゃけ登録エンジニアの人数足りない(ユーザー増えたらもっと使う)
4.ぶっちゃけエンジニアの情報が足りない(情報が増えたらもっと使う)
5.ぶっちゃけ自社のエンジニア採用要件が固まっていない(社内で固まれば使う)
6.ぶっちゃけ自社の採用したいエンジニア層と合わない
7.その他


*ちなみにこのぶっちゃけというのを入れておくと、友人でも率直な回答をしてくれるので非常に学びが深いです。


綺麗な戦略やUX定義は必要だけどすぐに陳腐化する

もちろん、戦略を策定すること、UX定義を定めることなどが無駄だとは思っていません。かくいう自分もサービスを作る際にはUX定義を定めた上で、コアな価値はここに置こうと決めて仕様などを書いていきます。

ただし、それが合っているのか、一部合っているとしてもどこを変えればいいのか。それはサービスを出す前にヒアリングをして、サービスを出したらヒアリングをして、そして高速で改善を回していく、それしかないと思っています。

また、普段の仕事である営業やカスタマーサクセス、プロダクト企画も全く同じです。トライアンドエラーの合間に必ず利用してくれているユーザーや企業の声を聞くことで戦略や定義がどんどんアップデートされていきます。

一番大事なのは必死にフィードバックに答え続けること

そして何よりも大事なのは「必死」になって「フィードバック」を受け止めて改善をし続けることです。常に自分が意識しているのは最短で答えに辿り着きたいのであれば、必死になって、カッコつけず、「聞く」そして「率直なフィードバックをもらう」、これが一番です。フィードバックは時には厳しいコメントもあるのでついつい理論武装したり、後回しにしがちです。でもスタートアップがそんなゆっくりやっていたら大手に負けてしまいます。それにフィードバックをくれる人は案外優しくって、必死になっていれば愛の鞭もありますが基本は暖かく助けてくれます。

新しくジョインしたメンバーはまずは100人を目指す

ビジネスサイドやプロダクト企画で入社したメンバーは必ず自分が向き合うサービスの利用者と話す時間、あるいは同僚が話している時間に参加する機会を多く作ってください。いろんなタイプのユーザーをサポートしたり、議論していると、ある程度自分の中にタイプ分けができてきます。

よく、統計的にという言葉がありますが、100人と話すと自分の頭の中にだいたい統計的なものができてくるので、やるべきことやらなくていいことを決めるスピードが上がります。自分自身もFindy Teamsの営業を始める際にはまずはこの100人と話すということを意識しました。

また、せっかくサービス・プロダクトの最前線にいるのであれば、直接話す時間を大事にしてもらえると嬉しいなと思います。顧客の声、百聞は一見にしかずで、どんな手前で考えている時間、本を読んでいる時間より価値があるものになります。

以上少し、社内向けなメッセージも含めてnoteを書いてみましたが、ビジネスサイドやプロダクト企画、事業開発系の職種で転職をする方、これから新しい事業を作っていく方は意識してみてもいいかもしれません。