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今更ながらのライナーノーツ②

前回ひょんな思い付きから始めた、10年前に自分がリリースしたアルバム「Heartful」の全曲解説、今日はその第2回です。

↑各回ごとに違う流通先のリンクを載せていくスタイル。


Track-4「Interlude-COIL-」

前半の生バンドゾーンから次のトラックものに移っていくために、突然雰囲気の違う曲が始まると流れとしてよくないので、聴いてもらう人に「心の準備」をしてもらうためのインタールードを入れようという話になり作ったものです。
プロデューサーの桑原さんから提案いただいたものなんですが、当時インタールードとかは作ったことがなくて、どういう風に作ればいいのかもよく分かってなかった時だったので、実は内心戸惑いもあったんですね。
今回インタールードは2曲あって、次回お話しする予定の「Interlude-STAR-」は割とやることがすぐに分かったんですが、「オルゴール」に繋げるためのサウンドがどういうものなのかは相当考えましたね。
でヒントとなったのが、自分の好きなアーティストである「ゆず」のアルバムでした。この時期のゆずのアルバムってインタールードがよく入っていた時期で、そのサウンドや意味合いなどを参考にしながら作りました。
それでこの「COIL」は「Overture」でも使ったオルゴールのネジを回す音をサンプリングして、そこにディレイをかけまくったエレピを入れることで次の「オルゴール」の世界観に案内するという役割を持ってもらい、完成したものです。
タイトルの「COIL」は厳密にはらせん状の部品のことを指すんですが、今回は「オルゴールのネジを回す」という行為を表現するために若干無理くりですが使ったんです。結果としてこの曲がアルバム内で一番最後に出来上がった曲となりました。


Track-5「オルゴール」

2010年は過去の自分を振り返ってみても一番曲を書いていた時期で、毎月1~2曲は作ってたんじゃないかと思います。
この「オルゴール」もそんな中で生まれた一曲です。確かこれもオルゴールっていう単語としての響きが気に入って、そのタイトルからイメージを膨らませて書いていったんじゃないかと思います。
内容は女性目線による片想いの歌。以前から・・・というか今もそうなんですが、女性目線で曲を作る時はあまり幸せな歌が書けなくて、大体が片想いしてるか失恋してるか・・・というものばかりなんですね。
かと言って、じゃあ男性目線なら幸せな歌が作れるのかと聞かれるとそれもどうなんだろうなぁくらいの感じなんですが。なんせ根がこういうもんですから。
でもその切ない感じが気に入っていただけているようで、この曲はこれまでも女性ミュージシャンが何人かカバーしてくれました。
人によって多分解釈も変わるし歌のスタイルも違うので、同じ曲なんだけどそれぞれに特徴があって、それがすごいいいなぁと思ったりするのです。
このCDではすいませんが私の声ですので、それでも良ければ聴いてみてもらえたら嬉しいです。
ライブなどではギターでの演奏が主ですが、CD用のアレンジではギターは使わず、エレピとかなりシンプルな打ち込みサウンドで構築されています。
「オルゴール」という言葉が持つ温かみのある雰囲気が、サウンドから感じ取ってもらえたら嬉しいです。


Track-6「MAGIC」

これも女性目線の曲で、先ほどの「オルゴール」とほぼ同時期、ちょっとこっちの方が早いかなくらいのタイミングでの完成でした。
歌詞の内容が「男に弄ばれて捨てられる女の子の歌」とライブでは毎回説明してて、そしたら実際その通りの内容という。
女性からしたらヒドい内容なのにも関わらず、実はこの曲女性ウケがすごくいいんですね。
で、歌詞の中に「人ごみの中でも見間違うはずのない いつも着ていたジャケット 空いてない指先」というフレーズがあるんですが、ここの「指先」の意味が人によって結構違ってるのが、はたから見てて面白かったし新鮮だったなぁと思います。
そういう考察までしてもらえる曲が作れたんだなというのは、自分にとっても自信になりました。
サウンドに関してはこの曲だけ自分は一切アレンジには参加していなくて、桑原さんにすべてお任せしました。
このアルバムの中で1曲だけ純度100%の桑原サウンドの曲を入れたいなと思っていて、この「MAGIC」なら相性がとてもいいんじゃないかと思ってお願いしました。
結果、この曲が持っている切ない部分や妖しい部分、暗い部分、3拍子特有の雰囲気などをめちゃくちゃいい形で表現してくれました。
この曲の人気が高い理由のひとつに、このサウンドの良さは絶対にあると思います。


ということで、今回はここまで。YouTubeで全曲視聴できますのでぜひ聴いてみてください。ではまた。


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