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O-zine 2023年1月号 #06/オッサンのエンタメ観測

韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」特集

今月は神ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」をレビュー

年明けて2023年、気温も心も財布もクソ寒い昨今ですが、いかがお過ごしでしょうか?

毎月気になったエンタメや面白かったエンタメの感想をレビューするこの極北僻地ブログですが、1月はなんといっても「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」一色でした。面白くて感覚がこじれて見終わりたくないので、あまり見ないようにするというよくわからない状態になり、ヨンウのことを思い起こしては涙するという状態になっています。メンタルがヤバい。その位素晴らしいドラマでした。ドラマの核心に触れる部分もあるので見ていない方はまず見よう。個人的にはこのドラマのためだけにでもネットフィリックスを契約する価値もあると思います。

ではこのドラマで、良かった・面白かった点を自分なりに感想を述べていきたいと思います。

ウ・ヨンウのキャラクターが素晴らしい

自閉スペクトラム症だけど、天才弁護士というキャラクターで、クジラに異様な執着を示したり、挙動に癖があったりするが、悩みぶつかりながら成長する姿が応援したくなる、愛らしいキャラクター。

演じている女優、パク・ウンビンのキャラクター造形が素晴らしく、ウ・ヨンウそのものを演じきっている。このドラマ成功の最大の立役者といって過言ではない。監督がパク・ウンビン以外にないということで、一度は出演を断られたが、スケジュールを合わせるため1年間待ったという逸話もあるそうだ。

周辺のキャラクターも魅力的

弁護士事務所「ハンバダ」で共に働く仲間や上司、周辺のキャラクターも魅力的。ヨンウに好意をよせるが、他人との心に壁を持つヨンウとなかなか心が通じずすれ違いに悩む訟務チーム職員ジュノ。ロースクール時代の同期でライバルでもあるけれど、不器用なヨンウの事が気になり、世話を焼かずにはいられないスヨン。ヨンウを温かく見守るメンターであるシニア弁護士の上司ミュンソク。ヨンウに嫉妬し時にいじわるをするが、次第に憎めない一面を見せるミヌ。ヨンウの親友で言動が突拍子ないが、ヨンウの恋の後押しをするトン・グラミなどなど。ヨンウの周辺も愛すべき面々ばかりだ。

王道のストーリーと脚本

魅力的なキャラクターを支える物語の設定やストーリー。土台部分がしっかりしていて説得力があり、見るものを飽きさせない。

ヨンウは天才的頭脳の持ち主で、仕事にも恵まれたが、自閉スペクトラム症という設定上、そういった特性があるのは困難なことや、傷つくこともあるということをしっかりと配慮し、描写している。

ヨンウのひらめきで裁判を導く法廷ドラマのストーリーは、どんな風に事件が解決されるか?といった謎解き要素も持たせつつ、周辺キャラクターの関連性を描く人間ドラマや韓国の社会問題などもテーマに。

心を打つ名シーン・名台詞の数々

第一話。ハンバダ社屋ビル入り口で、ヨンウが回転ドアにタイミングが合わず躊躇する場面。見兼ねたジュノの助けを得て「ズン、チャッ、チャ」のリズムでくぐり抜けるシーン。キラキラして美しく、優しくて少し可笑しい。名作と確信し、続けて見たい! と思った瞬間だ。

他にもスヨンとの食堂での会話のシーンで「私にあだ名を付けるとしたら?」とおどけるスヨンに「あなたは春の日差しだ」とヨンウが答えるシーン。ヨンウは普段表には出さないが、実はスヨンに全幅の信頼を寄せていたことが分かる感動的なシーン。

最終話、ヨンウがライバル弁護士事務所の代表、テ・スミを説得するシーンで、自分をクジラの”イッカク”に例える話はこのドラマ全編におけるクライマックスシーンで特に印象に残っている。脚本家が伝えたかった事がこのセリフに全て凝縮されている。

このドラマでは、こんなドラマのマジック、キラキラした瞬間を何度も感じることができる。

※ ※ ※

面白かったら拾い物だな、位の軽い気持ちで見始めた「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」。自分にとって忘れることの出来ない神ドラマとなりました。

人生いろいろ。大変な事や嫌なこともありますが、ヨンウのイッカクで例えたエピソードを胸に秘め、こんな感動できるドラマに出会えたのなら、例えフィクションでも人生捨てたもんじゃない、と思える大切な作品となりました。

※ ※ ※

おまけ…

ウ・ヨンウ周辺アイテム・コンテンツ(独断と偏見による)

「韓国TVドラマNO111号 ウ・ヨンウ弁護士は天才肌特集」

パク・ウンビン表紙のこの雑誌。出演者・監督・脚本家らのインタビューで構成されていて、結構読み応えがあり、作品をより深く知る手助けになります。ヨンウと髪型やファッションが異なるパク・ウンビンは、別人と言えるほどドラマのヨンウとは違った印象に見え、完璧にヨンウになりきっていたんだなということが分かり驚きでした。全く余談ですが、これは韓国あるあるだと思いますが、韓国の人たちは目上の人やキャリアが上の人に対しては「先輩」「兄さん」「姉さん」という敬称を付けるのが記事を読んでいて面白かったです。

「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌~オリジナルサウンドトラック」

いろいろなアーティストが参加していてバラエティーに富んでいます。個人的に好きな「オープニングテーマ」や「回転ドアのワルツ」のインストゥルメンタルも入っていました。ウンビンさんが歌う「The Blue Night of Jeju Island(済州島の青い夜)」も聴けます。歌も上手! Spotifyで聴くことができます。

ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 オリジナル・サウンドトラックSpecial

「イッカクのフィギュア Collcta」

ヨンウを象徴するアイテムといえば、クジラ・イルカのアクセサリーやオブジェですが、イッカクのエピソードに感動したので。まあまあの大きさがあり、存在感あります。

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