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シェアリングを用いた地方のアップデート

東京一極集中により、歪な人口分布になっている日本
世界でも類を見ない超少子高齢化時代をむかえている日本
新しい産業が生まれずに新興国とモノづくりで戦っている日本

肯定的に話をすると、インターネットなどが無かった時代は東京周辺に人を集めて産業集積地帯にするというのが一番効率が良かったし、モーレツ社員が家族よりも仕事を優先して高度経済成長という世界でも稀な経済的な復興を実現した。その経済成長の中心を担ったのが製造業などのモノづくり産業だったということです。

ただ、その昭和の不幸な戦争体験(敗戦)からの復興を高度経済成長で実現した日本が、平成という時代に "昭和の大きな成功体験" から抜け出せずに、もがき苦しんだという構図があるのではないかと感じています。

地方創生

東京一極集中という昭和の工夫を、元号も変わる今年、どのように次なる工夫で進化させていくのか。過去の工夫を否定するのではなく進化・発展させるために ”今までなかった道具" を活用するのは必然だと思います。インターネット関連技術、ICT/IoT、人工知能、ドローンなど面白いテクノロジーが注目されていますが、その技術を地域の課題解決のために、新しい産業創造のために、少子高齢化社会の課題解決のために活用するには、どのようなアプローチが必要になるのかを考えています。過去に強烈な成功体験を持っていたりすると、その体験や身に染み付いた常識が変化や発想を妨げるようです。頭では理解できるが変わるのが面倒だという感覚であったり、自分が否定されているように感じてしまう、人というのはそんなものなんでしょう。そのことを前提に次世代を切り拓くためのアプローチはというと、小さな変化を繰り返し再現していくということになります。地方創生、東京以外はすべて地方と呼ばれますので、その地方という場を次世代経済を創るための実証実験の場として、様々な取り組みを繰り返す。正解はないので、地域課題というビジネスシーズを今までなかった道具で解決に導くチャレンジを繰り返す。そのプロセスなどをネットで共有して他の地域でも再現してみる。分断されていた地域をネットで連携して次世代の価値づくりをする。通信コストが爆発的に安くなった今、地域で分断されているのはもったいないと感じています。

九州という実証実験の場

九州という島、人口1300万人くらいが住んでいます。東京都の人口と同じくらいの規模です。その九州でも福岡市は人口は150万人を超えて経済もどんどん伸びています。勢いがある福岡市と九州の他の地域が連携して価値を創るという実証実験の場としては最高の地域です。実際に日本全体を見ても、九州(福岡)は元気なように感じます。その九州で『九州シェアリングサミット』というイベントを2018年5月12日の福岡開催を皮切りに全県で開催しました。シェアリングエコノミー事業というと、民泊、ライドシェアなど、新しいけど否定的に捉えられることが多い事業になります。昭和の時代からの連続性で考えると否定的に捉えられることがありますが、地方創生、超少子高齢化、新産業創造という観点で考えると、新しい工夫が盛り込める領域です。過去に強烈な成功体験を持っている、主流な産業に従事している、東京などの都市部に住んでいると今の環境の継続を求めがちなのですが、そうでなければ新しい産業創造にワクワクするという感覚があるのではないかと感じていました。シェアリングエコノミー事業の第一波は、東京という大都市が抱える課題解決のためのサービス創造でした。第二波は、地方という人口減少、高齢化率のアップ、経済の停滞などの課題を抱えている地域の課題解決のためのサービス創造になると考えています。そのきっかけをつくるために開催したのが『九州シェアリングサミット』になります。結果、1000名を超える参加者を集めることができ、九州という島にシェアリングエコノミーを活用した新事業創造の大きな期待があるということがわかりました。来年度はいよいよ実証実験が始まります。

九州シェアリングサミット in 五島

九州の全県で開催(福岡市、熊本市、鹿児島市、宮崎市、武雄市、佐世保市、日田市、別府市)してきた九州シェアリングサミット。今年度は、長崎県の五島市でも開催します。離島での開催は初で、世界遺産にも認定された地域(五島)でインバウンド対応や新産業創造のアプローチのヒントを市民の方々と共有できればと考えています。当然、その後の展開は五島で新産業創造と関係・交流人口の増加を狙うということになります。

イベントを開催するだけでは疲弊してしまいます。

イベントは、事業をスタートするためのきっかけ作りになるので、その地域で本気で事業を開始するという覚悟が必要になります。


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