生への蛹化

芋虫が蛹にそして蝶になること
いつも不思議に思う

蛹の時どろどろぐちゃぐちゃな液体で
蝶に羽化してはひらひらほろほろ舞う

原初舞踏のお稽古でやってることは
まさにこの変態の過程を体験することで
舞うことは二の次

寝ころんで
蛹のようにアメーバのように
どろどろと力を抜いて
重力に任せたまま
全身を大地にあずけてゆく

意識と身体
密接に連動していることに気づく
なかなかあずけきることができない
これは死に方であり
生き方なのだとおもう

せめぎあうことは
悪いことじゃないと知った
そこから立ちのぼるものがある

重力と恩寵
冷徹な恍惚
個であり全
全であり然

どろどろに溶けてから
再びあたらしく立つ姿は
それだけなのに妙に美しい
(自分のはまだまだ)

蛹にはどんな
音が聴こえてるんだろう……………

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