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子供より大人のほうが迷子である

最近とくに大人の迷子が増えたと感じています。物理的な迷子ではなく、自分がなにしたらいいかわからないという人生的な迷子です。

そりゃあこれまで大手企業に正社員で入れば一生安泰と言われてきた時代から、自立とか個性の時代だとか言われたらそりゃそうなるよねって思います。

こどもの迷子はまだ親や近くの大人が助けてくれることもあるでしょう。でも大人の迷子は泣いたり喚いたりしても「大人でしょ?自分でなんとかしなよ」という言葉が聞こえてきます。

でも大人だって時には誰かに頼ったり甘えたい時もあります。それを自分は大人だから頼らず生きていく、というのは無理な話です。

僕も子供の頃はよく迷子になっていました。デパートや潮干狩りに行った時など今でもあの言いようのない恐怖は心に残っています。ひょっとしてこのまま一生帰れないんじゃないか、という不安な気持ち。

だんだん、自分で地図を見ることを覚えたり、土地勘をつけていったりすることで人に頼らずとも帰れるようになります。でも、大人には人生どうすべきかの地図はなく、また大人だから頼ってはいけないんじゃないか、という呪いがその人を苦しめます。

心を開いて話せる友人や知人が少しでもいれば頼ることもできますが、年齢を重ねると相手が結婚したり、子供がうまれたり、転勤したりなどでどんどん自分たちのことで忙しくなります。

今まで頼りにしてきた親も介護が必要になり頼ったり、甘えることができません。そうなったとき、その迷子の大人は誰に頼ればいいのでしょうか。

子どもの時の迷子のように、このまま一生帰れないんじゃないか、という不安を抱えたまま生きていくのは大変つらいものがあります。

そんな不安を抱えた迷子の大人たちが、「ただいま」と言える居場所を迷子の僕はつくりたいと思っています。

自立とか個性とか言われますが、気を張って体調を崩しては元も子もないので僕はいつでも迷子の大人を「おかえり」と言って出迎えたいと思います。

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