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【素敵な経験】昭和で時が止まった自転車屋さんに行ってきた。

繁忙期明け初の折角の休日に悲劇が起きた。自転車がパンクしていたのだ。何度も行ったことのある家から最も近い自転車屋は定休日だった。

仕方なくGoogle Mapで検索をして、家から2番目に近い自転車屋に行くことにした。不安だったのは、その自転車屋は掘立て小屋のようなズタボロの外観だった点だ。

本当に今も営業しているのか?平成時代に閉店しているのではないか。Google Mapの数少ない口コミを見ると、7ヶ月前に「最高です!」という口コミがあった。

その口コミを信じて訪れてみることにした。着いてみると、入口は古い木製の雨戸で閉ざされていた。裏口の方をノックしてみたが反応なし…。

入口上部に掲示してあったであろう電話番号はズタズタに擦り切れていて解読不能だ。やはり閉店しているのかと思い、Googleに載っていた固定電話に掛けてみることにした。

すると、意外なことに2,3コールですぐに店主と思しきおじさんに繋がった。パンク修理をお願いしたい旨を伝えると「すぐ開けるよ」とのことだった。

しばらくすると木製の雨戸が開かれ、中から店主と思しき方が出てきた。雨戸の内側の作業部屋は、辺り一面に色々なものがゴチャゴチャに積み上げられていた。

どこからかラジオのニュースが流れている。壁に掲げられた自転車整備士検定の合格証の日付は昭和50年代だった。その日付のように、空間そのものが完全に昭和で時が止まっていた。

平成生まれの僕からすると、その空間は映画の舞台セットか、何か博物館やテーマパークの「昭和館」のように感じられた。

辺り一面に散らばる自転車な部品たち

「見せてください」と言われ、自転車を差し出した。どうやら使用する予定の作業道具もかなり古いものだった。本当に僕の自転車は治るのか、心配になった。

結果、その後は普通に対応してくれた。いや、普通というより、かなり丁寧かつ良心的なプライスで、口コミ通り「最高」の対応だった。

自転車屋は基本的に地域密着型の商売だ。地元の人が行かないと潰れてしまう。こんな良い自転車屋が街の外れにあるということを、僕が広めようと思う。


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