見出し画像

コーヒーを飲みたくない朝

朝、ふと、コーヒー飲みたくない、そう思った。
そう思ったからには、朝のコーヒーを振り切って、出社する。

振り切ったところで、仕事の合間や打ち合わせ先などでコーヒーには出くわしてしまう。出くわしたからには、心を決めて一口飲んでみる。

苦い。

あれ、コーヒーって美味しいもんだよな?そう思いながら、もう一口。

やはり、苦い。

そこでようやく諦めがつく。風邪ひいたかも。確かに体の動きが鈍いしな。そう思って、一番近くの病院を調べて、病院に飛び込む。そこは、小児科をメインにしている内科の病院だったこともあり、子どもづれのお母さんでごった返していた。

いつもなら、子どもかわいい!って、さんざっぱら相手にしたくなるところが、そうもいかない。なにせ、しんどい、だるい。

相手に笑顔を振りまいている場合じゃない。とにかく、この風邪をなんとかしないと。

30分ほど待って、先生の診断は風邪とアレルギー性の鼻炎。
薬を処方してもらい、診察終了。

さて、薬ももらったし、仕事に戻ろうと、秋葉さんに連絡。
二言目には、今日もう帰ったら?

気合い入れて、仕事を乗り越えようと思っていた気が一瞬で緩む。
そこからは、もう風邪にすっかりやられてしまい、おとなしく、帰宅。

3日間まるっと休みを取ることになったのでした。


ここ最近、こんな風に、急遽仕事を休むということが全くなかったため、こんなに休んでいいのだろうかという罪悪感(傲慢とも言いますね)と自分がいないとどうなるんだろうという心配(これも、傲慢とも言いますね)が、頭の中で鳴り響いていた。

そして、休み中にやったことは、世の中に遅れないようにすることだった。

今の時代、ビジネスのスピードはとてつもなく早くなっていて、いろんな情報をどんどんと捕まえて、それを実践していかないと、遅れていってしまう。

そんなふうに考えていた私は、ユーチューブやツイッターなどで、今話題になっているものや、世間の動向を捕まえようと必死になっていた。

普段なら、こういう情報があるんですよ、ってそれをすぐに社内のメンバーに伝えて、なるほど、ってなって自分たちなら何ができるかって考えて、っていうことをやっていたのですが。

今回ばかりは、そんなことができない。1人で考えるしかない。そうするとどうなるかというと、

なるほど、こういう情報があるのか!
。。。。で?

と、脳内で反論が出てきちゃう。

いや、でも必要かもしれないでしょ?って考え直しても、
いや、そもそもそんな状況なの?

とまた反論ができてしまう。


そして、いつしかたどり着いたのは、私、そもそも何がしたいんだっけ?なんとなくトレンドに振り回されているだけじゃない?ってことだった。

ツイッターやnoteやユーチューブなどなんでもいいけど、ビジネスの世界で活躍している人たちを見ては、この人たちに追いついて、追い越さなきゃいけないんだ!さらには、こんなふうになりたい!ならなきゃ!なんて考えて、1人あがいていただけなのかもしれない。

結局、自分1人で浮ついて足をバタバタさせて、走り回っていただけなのかも。
そんなことを思い出している時に、ある曲に再開した。

アップルミュージックというサービスは恐ろしいもので、高校時代に好きだった曲がオススメに出てきた。全くの偶然だったけど、今の自分にドンピシャの曲。

GRAPEVINEというバンドの「風待ち」という曲で、
当時、高校2年生くらいの時に、受験や就職や、みんながなんとなく違う方向を向いていくんだなって予感にはまっていて、大好きだった1曲。

とても寂しくて、切なくて、でも最後にほんの少しだけの希望が見えるのが好きだった。勘違いかもしれない希望が。


目指すもののカタチは 少しづつ変わってく
周りが思うほど じつはそんな器用じゃない
あれ?いつの間にこんなに 疲れたのかなぁ

まだいけるつもり ちょっとはつらい
また花は咲き 枯れました
たまにはあなたの顔 見れないもんかなぁ

街の色に染まって ときに何も思い出せなくて
今ここに何が足りないのか
わかってない わかっちゃいない

 風待ち/GRAPEVINE


まさにこの歌詞の通りで、ツイッターやユーチューブなど、その呼び方はなんでもいいんだけど、いろんな形をした世間「の色に染まって」しまった私自身は、結局「何も思い出せなく」なってしまったんだろう。

そして結局のところ、「今ここに何が足りないのかわかってない」し、「わかっちゃいない」んだろう。

トレンドだ何だに振り回される前に、自分に帰らないと。
自分に素直に、正直にならないとな。

良かったのか悪かったのかはよくわからないけれど、そんなことを感じた休みでした。


ここまで読んでいただきありがとうございます。 この世界のどこかにこうして私の文書を読んでくれている人がいる。それだけで、とても幸せです。 サポートしていただいたお金は、また別の形で素敵な人へのサポートとなるような、そんな素敵なつながりを産んで行きたいです。