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ゆういちの一生 第27話「中野区在住の仲野です。」

こんばんは。
ゆういちです。
1999年、ゆういち27歳のお話です。

新国立劇場オペラ

その頃ゆういちは、小さな芸能事務所に入ってぼちぼち小さな仕事をしていました。
エキストラの仕事ばかりでしたが、それなりに楽しくやっていました。

ある日、舞台のお仕事が決まります。

新国立劇場のオペラ「マノンレスコー」の
パルキエーレという役です。

あ、オペラと言っても、僕は歌いません。
歌わない俳優の人もいます。
僕は黙役という、パントマイムで演じる役です。

ダブルキャストで、もう一人は、
NHKイタリア語講座に出演している
ダリオ・ポニッスィさんです。

劇場にテレビの取材が来たりしますが、
もちろんダリオさんの方にです。

僕の役は、主役の女の人が歌っている傍で、
歌詞に合わせてメイクをする美容師の役です。

イタリア語で「ここにほくろを描いて~♪」と歌えば
それに合わせて、まゆずみを出して女の人の顔に描く。

ピンクの方が僕ですね。

稽古時、イタリア人の演出家が演出を付けます。
しかし、僕には「ダリオさんのをよく見て同じようにして。」
とだけ言われました。

俳優としては屈辱的ですね。
でも、まあ仕方ありません。
相手は有名人ですので。

ならば、徹底的にコピーしてやろうと思いました。
イタリア語の歌詞を訳して覚えて、
ダリオさんの動きをしっかり覚えて。

そして、僕が演じる番が来て、やってみました。
「もう少しメイク道具を顔に近づけて。」と指示が入りましたが
それ以外はOKでした。

すぐ見て、すぐやって、という感じだったので
結構な集中力でやっていたのだと思います。

本番は、新国立劇場のロングランです。
富山県のオーバードホールでも上演しました。

舞台のお仕事は、本番だけではなく、稽古中もギャラが出ます。
アマチュアの時は、なんなら自分が支払っていたので、
ギャラが出ることが嬉しくてたまりません。

もしかして、芸能の仕事で食べていけるんじゃないか?
なんて、思い始めました。

そうすると、もう少し、活動しやすくしたいと思いました。

都心に引っ越す

大学が八王子にあったので、ずっと八王子に住んでいました。
八王子は東京都なのですが、新宿から電車で50分くらいかかったり
終電が早かったりしました。

事務所でミーティングがあり、夜遅くまでかかることがあっても、
「僕は終電があるので先に帰ります。」
と言って帰ることがあったり。

芸能の仕事やオーディションも都心で行われることが多いので
引っ越すことにしました。

せっかく引っ越すので、中野区にしました。
「中野区在住の仲野です。」
と自己紹介できるように。

中野区に部屋を見つけて引っ越すことになりました。

家電量販店の送別会。

八王子で働いていた家電量販店から
新宿店の方に移動になりました。

お店の打ち上げのカラオケでルナシーやらマリスミゼルやら歌ってたからか
僕はそこそこ人気があったようで、
送別会をやってもらったり、
お別れのプレゼントをもらったりもしました。
白いバスローブとお風呂に浮かべる黄色いアヒルのピーピーいうやつです。
そういうのが似合うキャラだと思われていたのですね。

親知らずを抜く。

八王子にいる間にいろいろ済ませておこうと思い、
引越しの前日に、親知らずを3本抜きました。

しかし、引越しの荷造りが終わってなくて、
その日は徹夜で荷造りをしました。
荷造りのために下を向くと、縫ったところがうづきます。

引越しの翌日は、確か運転免許証の更新に行ったと思います。
口のあたりが膨らんでいるのは、親知らずを抜いて腫れているからです。

新しい部屋は、木造の古いアパートでした。
元々風呂なしのアパートを改造したらしく、
押入れがあったであろう場所に、いきなり風呂があります。
風呂トイレ別が良かったので、それでもOKでした。

そうして都心での新しい生活が始まりました。


今日はここまで。
お読みいただきありがとうございました!

続くよー。


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