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#766 [保存版]X-T5 野鳥撮影のカメラ設定ベストプラクティス

X-T5を発売翌日に入手し愛用しています。
いろんなシーンで使用しますが、もっともヘビーな使い道は野鳥撮影です。ほぼ毎週末、野鳥がいるフィールドに出かけては撮影を楽しんでいます。

X-T5には被写体検出AF認識が搭載されました。
フジフイルム機はソニー・キヤノン・ニコン・オリンパス(OMDS)に比べ被写体検出やAFが弱くて、その点で「大分」見劣りしていましたが、ようやく近づいてきた感じです。まだまだ肩を並べたとはいえませんが、十分使える、使う気になるレベルだと思います。

何度もX-T5を野鳥撮影で実践使用し、被写体検出精度・AF合焦精度を上げるよう試行してきました。今回の記事では私なりの野鳥撮影向きのカメラ設定ベストプラクティスを書きたいと思います。

ファンクションボタン、タッチパネル、クイックメニュー(Qメニュー)の設定はすでに公開しているこちらをご参照ください。

まず、撮影する対象を示しておきます。
野鳥といっても撮影シーンは豊富なので。

  1. 飛んでいる鳥(ワシ・タカなど)

  2. 高速で水にダイブする鳥(カワセミなど)

  3. 水辺・水面にいる鳥(カモやサギなど)

  4. 路上を歩き回る鳥(セキレイなど)

  5. 木の枝を飛び歩く鳥(メジロ・エナガ・シジュウカラなど)

  6. 茂みに隠れる鳥(シロハラ・アオジなど)

など。

今回は3〜6を対象とします。

このメジロの写真のように「飛んでいない鳥」を対象にすると思ってください。

かわいいメジロちゃん

画質設定

画像サイズ

L3:2 一択です
センサーの領域を最大に生かし、トリミング耐性を少しでも確保しましょう。L3:2が7728×5152ピクセルで最大となります。

画質モード

RAW 一択です
ノイズ軽減処理など後処理をする前提で撮影しますのでRAWで。フィルムシミュレーションしたい場合は、後でカメラ内RAW現像またはX RAW STUDIOでやりましょう。RAW+JPEGは連写性能やバッファクリア時間が下がりますので却下です。

RAW記録方式

ロスレス圧縮 一択です
連写するとき、CH連写モードを電子シャッターで使うと、圧縮RAW : 56枚 ロスレス圧縮RAW : 29枚、非圧縮RAW : 22枚です。圧縮RAWが一番連写が効きますが、非可逆圧縮なので使用したくありません。ならば可逆性があってより連写が効く(およびバッファクリアが速いはず)ロスレス圧縮しかありません。

ホワイトバランス

基本「晴れ」にしています。「晴れ」ではなく「日陰」「色温度設定」でも良いです。
選んではいけないのは「AUTOホワイト優先」「AUTO」「AUTO雰囲気優先」です。AUTOにすると連写の途中でホワイトバランスが変わることがあるためです。野鳥が飛び立つところを連写で撮影して、途中でホワイトバランスが変わると、つなげて表示したりするとき困ることになります。
何らかの値で固定するようにしましょう。

ダイナミックレンジ

DR200%にしています。ノイズとのトレードオフですが、ノイズ処理は後から専用ソフトで行うので、ここではダイナミックレンジを1ランクあげています。さらに1ランク上のDR400%にも設定できますが、高いISOの時でないと有効にならないので、実質DR200%にしておけば良いと思います。
ノイズ処理は専用ソフト「Topaz DeNoise AI」または「DxO PureRaw 2」を使用して後処理しています。野鳥撮影ではそれらのソフトは必須と個人的には思っています。そのようなソフトを使わない場合はDR100%にしておくのが良いかもしれません。

高感度ノイズ低減

「-3」にしています。ノイズ低減よりもディティール残しを優先しています。ノイズに関してはダイナミックレンジの項目で書いたように後から別ソフトで処理するためです。


画質設定で意識して設定するところは以上です。

フォーカス設定(静止画)

フォーカスモード


ほぼ鳥が止まっているとき

微動だにしないサギやカモなどはフォーカスモード切り替えレバーを「AF-S」にします。昨今、AS-Cも優秀になってきましたが、止まりものはAF-Sの方が確実です。

鳥が動いているとき

枝にいるキビタキ、ジョウビタキなどは「AF-C」にしましょう。

AFモード

ほぼ鳥が止まっているとき

シングルポイント 一択です ※AF-Sですよ
フォーカスエリアのサイズは最小から3段目にします。

鳥が動いているとき ※AF-Cですよ

ゾーン 一択です
フォーカスエリアのサイズは一番小さいサイズ3×3にします。

ISO感度

なるべく低感度で撮りたいのですが、私が使用する超望遠レンズのテレ端(望遠側)の開放F値はF8なのでどうしても感度を上げないとシャッタースピードを稼げません。ISOのAUTO設定で、AUTO1:800 AUTO2:3200 AUTO3:6400に設定し、適宜切り替えています。基準ISO感度は125に、シャッタースピードの下限(低速シャッター限界)は1/125にしています。

AF-Cカスタム設定

SET 6 カスタム にします。
被写体保持特性:4、速度変化特性:2、ゾーンエリア特性:手前 に設定します。
設定時の画面やマニュアルに鳥を撮影するときの例を載せてくれてばいいのにと思うのですが、載ってないので試行錯誤してこの設定に行き着きました。そのうえで富士フイルムさんのサポートに尋ねたところ、私が行き着いた結果と同じでした(私の設定は言わなかったのに)。ですのでこの設定をまずはお勧めします。絶対ではないので試してね。

被写体検出AF設定

ここはもちろん、被写体検出:ON 鳥 にします。

レリーズ優先/フォーカス優先

ほぼ鳥が止まっているとき

フォーカス優先 一択です ※AF-Sですよ

鳥が動いているとき ※AF-Cですよ

レリーズ優先 一択です

撮影設定

ドライブ設定

私は通常は電子シャッターを使用します。
連写の設定は、CH高速連写:13fps CL低速連写:6.7fps に設定して、主にCL低速連写を使用しています。

シャッター方式

ES電子シャッターにしています。
今回の記事では対象外にしている「飛んでいる鳥」「ダイブする鳥」を撮るときはMSメカニカルシャッターにします。

ブレ防止モード

常時 一択です。
基本、手持ち撮影しています。「常時」にしています。

デジタルテレコン

環境により、1.4x 2.0xを切り替え多用しています。RAW撮影なので保存される画像には影響しません。EVFで覗くとき被写体が大きく見やすくなるのと、被写体認識しやすくなるので積極的に使いましょう。遠くの鳥はOFFの状態で鳥をフレーム内に探し入れ、フレームに入ったら1.4x や 2.0xに切り替えるのが良いでしょう。

セットアップメニュー(消費電力設定)

パフォーマンス

ブースト 一択です
カメラのAF性能やファインダー表示の性能がアップします。バッテリーの持続時間は短くなりますが、ここは迷わずブーストにしましょう。

EVF/LCDブースト設定

EVF表示フレームレート優先(200P相当)をお勧めします。

以上が私のベストプラクティスです。
お気づきの点や、こうした方がいいというご意見ありましたら、ぜひぜひ教えてください。

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