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吉原を舞台にした花魁小説です。

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江戸時代の吉原を舞台にした花魁小説です。 自分の好きなアイドル達を見ていて、まるで遊郭の遊女や花魁達の世界のようだと思い書き始めました。安野モヨコ先生のさくらんや、時代小説剣客商…
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2023年2月の記事一覧

第十話

「胡蝶め、舐めた真似しやがって!あんたらもボヤボヤすんじゃないよ!絶対に見つけだすんだ!…

第十一話

 翌朝、いつもより早く目覚めたお凛は、すぐに梅の寝床を確認する。しかしそこに梅の姿はなく…

第十ニ話

 太陽の光が微かに差し込む窓の下で、今まで見たこともないような美しい顔をした男が、梅を抱…

【第二章】第十三話(*性表現がありますのでご注意ください)

『おまえは鬼だ!』  女は突然そう叫ぶと、刃物をふりかざし海に襲い掛かってきた。自分を睨…

第十四話(*性表現がありますのでご注意ください)

 海は久しぶりに母の夢を見ていた。きっとあの男がくる日なのだろう。鏡の前で鼻歌を歌いなが…

第十五話

 何かを、心から欲しいと思うことなどなかった。 だって、欲しいと願う前に、すべて自分の手…

第十六話

「兄上はまだ帰ってきていないようだな」 「この大事な時に、どうせまた吉原にでも行っているのでしょう。慎之介様、なぜいつまでもあの男を好きなようにさせておくのですか?」  苦々しい口調で尋ねてくる門弟に、慎之介は曖昧な表情で頷き苦笑いを浮かべる。  今日は、武学館の後継者を決める大事な試合の日。厳しい父は、たとえ自分の息子でも、この試合に勝ち残らなければ道場は継がせず、勝ったものに譲ると皆の前で宣言している。その試合に出ないということは、兄は、斎藤家の長男でありながら、この道