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【結の人】その④ 梅山 美智子さん(渋谷区社会福祉協議会 CSW/SC)

地域づくりに関わる人々は、日々どのような仕事をしているのでしょうか?
「結・しぶや」の運営には、複数の組織から、それぞれに異なる役割を持った、個性的な人々が関わっています。【結の人】では、渋谷の地域をつむぐ人々をリレーインタビューで紹介します。

【結の人】その④は、西部地区担当の梅山 美智子(うめやま みちこ)さんです。

――梅山さんの、現在のお仕事を教えてください。
渋谷区社会福祉協議会の地域福祉課 地域総合相談支援係で「生活支援コーディネーター」と「地域福祉コーディネーター」を兼任しています。地域をまわって、地域の方々を結び付けたり、個別のご相談への対応、支援を必要とされる方を支援機関へつないだり、直接的な支援を行っています。結・しぶやでは、渋谷で活動している団体同士を重層的支援体制に資する活動として支援したり、他団体との協働をバックアップしています。
 
――現在のお仕事につかれた背景を教えてください。
前職では4年間社会福祉士として地域包括支援センターに勤務していました。地域包括支援センターは、地域包括ケアの一つの拠点であり、高齢の方を中心に、住み慣れた地域で安心して暮らせるように支援する活動を行っています。センターでの支援活動を通じて、高齢期になるまで、地域で孤立したご状況のまま何十年も過ごされてきた方がいることに気が付きました。他にも、ひきこもりの方やそのご家族、何らかの障害や生きづらさをかかえた方々が、地域の中で何十年も見過ごされて、ご家族が亡くなられて完全にお一人になってしまわれてから、ようやく発見されるのをみてきました。そのような経験から、地域のつながりや、高齢になる前の段階からつないでいくような支援が大事だと思いました。また、制度的な支援だけではなく、民間の支援団体や地域の人々と共に活動していくような、広い視点が必要かと思い、社会福祉協議会にきました。
 
――地域担当としてのお仕事はどのような内容ですか?
地域福祉コーディネーターとしては、「なんでも相談窓口」を担当していますが、各地域をまわることもしています。例えば、地域の社会福祉教育館や、それに準ずる施設、地域の方が歩いていけるような場所にいって相談を受け付けます。町会や学校の行事、防災イベントなどに参加したり、協議会といった地域の話し合いの場に参加して住民の皆さんと一緒に話し合いをすることもあります。

――人とお話することが非常に多いお仕事ですね。心掛けていることはありますか?
相談をお受けする時は「否定しない」、「自分の先入観をなくす」、「こうに違いないという枠組みをなくして聞く」といったことを心掛けています。
その方がどうしたいのか、といった、自己決定・意思決定の支援を含みますので、そこをきちんと聞き取ることを大事にしています。
外からみて、こうしたらいいのに、と思える事で支援をしてもうまくいかないこともありますが、支援を拒否するのもその方の意思表示です。言えないことが隠されているのかもしれないし、いろんな背景があるのかもしれない。その方がどうしたいのか考えて、理解したうえで適切な支援を結び付けないといけないので、質問する力は大事だと思います。

――「結・しぶや」ではどんなことに期待しますか?
団体のみなさんが、気軽に立ち寄れる場所にしていきたいです。
地域で活動している方同士が、互いに知りあい、オープンに話し合えるような場所になると、団体が孤立しなくなります。ここ来ると、誰か仲間がいて、何かをやっているという雰囲気になるとすごくいいと思います。
団体さんのお話を聞いていると、今こういう取り組みがあるといいんじゃないかと具体的なアイディアが出てきています。本当に様々な活動があり、色んな化学反応がありそうです。そこに立ち会えるのが私自身もすごくおもしろいと思います。

すごくいい取り組みをしていても、時間や担い手が不足していたり、ノウハウがなかったりして、これまでなかなか進んでいなかったことが、団体さんどうしの協力で実現可能になる。そんなことがあると感じています。新しい知恵、組み合わせでさまざまな事を実現する場になること、それを期待しています。

聞き手:コミュニティマネージャー(認定NPO法人サービスグラント)小林