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金は天下のまわりもんじゃい #わくわくするお金の使い道

マネーフォワードでは10周年「#わくわくするお金の使い道」投稿プレゼントキャンペーンを開催しています。
(なお、トップ画像は、小樽にある日本銀行旧小樽支店「金融資料館」で撮影した写真で、キャンペーンとは全く関係がありません。笑)

非楽生のご学友

「#わくわくするお金の使い道」の話をする前に、私のお金の使い方にとびきり影響を与えたある人の話をしたい。

大学時代、私は"非楽生"だった。実家暮らしだったので、いわゆる苦学生とは違う。「学生の本分は勉強」であるという確固たる母の信念の下、アルバイトを禁止されていたのだ(なお、その後、母は娘のことを色んな意味で諦めたのかアルバイトは解禁される)。もちろんお小遣いも限られている。つまり、生活に苦労はしていないが、かといって遊ぶお金もない"非楽生"という訳だ。さぞかし勉学に励んでいたかと思えば、もちろんそんなことはなく、こうしてこれを書いている今も「学生の本分は…」の続きが思い出せずにググっている始末だ。

さて、"非楽生"の私は、友人と遊びに行くにも、飲みに行くにも、とにかくお金がない。そんな私にいつも「結さん、金は天下のまわりもんなんやで」と安酒をおごってくれる友人がいた。
他人にご馳走するなどという発想もお金もなかった私は、とにかく衝撃を受けた。「美人じゃない 魔法もない バカな君」どころか「口も悪い 返すアテもない 酒癖の悪い私」だ。ご馳走したところで、何もいいことはない。そんな友人の言い分は、お金は持っている人が払えば良い、いつかは巡り巡って回ってくるものなのだから、といったものだったと思う。もちろん、この友人とて、決してお金持ちではない。奨学金で大学に通いながらアルバイトで貯めたお金でご馳走してくれていたのではないかと思う。

大学時代の「#わくわくするお金の使い道」
友人との酒盛り
特に思い出深いのは、高円寺の屋台で飲む、銘柄不明焼酎の豆乳割りだ。焼酎の臭みが消えて、焼酎嫌いを克服できる。以来、私は焼酎派だ。

叩く子には太鼓を与えよ

今だに、この友人のような気前の良さは手に入れられないが、私のお金に対する価値観というのは大学時代にこのようにして大きく変わった。
その後、社会人になって入社したリクルートという会社でも、本当に多くの先輩や上司にご馳走になった。新卒の頃から大酒呑みで大暴れ、おまけに翌日には記憶を失っているのでありがたい話ももちろん一切憶えていない、どころか、二日酔いで会社にも来ない、という始末だった。よくもお付き合いくださったと感謝しかない。そうした諸先輩方からよく言われたのは「お前も将来、同じような立場になった時にご馳走してやれ」だった。その時は全くピンと来なかった。

世の中には、このように、見返りを期待しないお金がある。その代表格の一つに子どもという存在もあると思う。
私は、両親にとって初めての子どもであり、生まればかりの頃は大層可愛がられたそうだ。嬉しそうに飛び跳ねればトランポリンを、ものを叩くことに夢中になれば太鼓を買い与えられたそうだ。両親の発想もずれているように思わなくもないのだが、父から「お前の時は気合いを入れて、色々やったのに、結果はこれだからな。意味がなかった。」と幾度となく笑い嘆き話を聞かされている。
さりとて、私に何かを期待していた訳ではないだろう。こうして私が幸せに暮らしているのを喜んでいるに違いない(笑)

社会人なりたて時代の「#わくわくするお金の使い道」
合コンでモテそうな服を、素敵な巡り合いを思い描いて買う瞬間
今はもう合コンという会合自体、存在しないのだろうか。あの頃は「合コンでモテそうな服を選んでください」と洋服店に勇んで飛び込んでいた。誰かに吹き込まれ、合コンには常にクリーム色のワンピースを着て行った。合コンの勝敗を決める上で、洋服のウエイトはそれほど大きくないようで、100戦99敗だったが、たった1回の勝利は今の夫だ。もちろんこの時もクリーム色だ。

今の私の「#わくわくするお金の使い道」

さて、めぐりめぐって、天下はまわり、こんな私も親になり、先輩になり、上司になり、払う側の方が多くなってきた。
そうなると、お世話になった先輩、上司、友人、そして両親のことが、思い出されるようになった。当時何も考えずに受け取っていたが、不思議と、食べたもの、そのとき話したこと、いただいたもの、よく覚えているものだ。
当時、どんな期待があったのか分からないし、何もなかったようにも思うが、かけていただいた時間とお金と気持ちに、少しは恩返しができていたらうれしい。

確かに、お金は天下をまわっている。

今の私にとっての「#わくわくするお金の使い道」、それは、「金は天下のまわりもんじゃい」と言って、私が見ることのないどっかの遠くの未来で、誰かにつながるお金を僅かばかり紡ぐことかも知れない。


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